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胸腔ドレーン管理の基本原則を押さえよう

看護師国家試験 第108回 午前 第46問 / 成人看護学 / 呼吸器系

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第46問

胸腔ドレーン挿入中の患者の看護で適切なのはどれか。

  1. 1.ミルキングは禁忌である。
  2. 2.持続的に陽圧となっているか観察する。
  3. 3.ドレーンチューブに触れた後は手指衛生を行う。
  4. 4.ドレーンバッグは挿入部より高い位置に設置する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は第108回午前46問、胸腔ドレーン挿入中の患者の看護について学ぶぞ。ドレーン管理は呼吸器外科や救急領域で頻出の重要テーマじゃ。

アユム アユム

博士、胸腔ドレーンって何のために入れるんですか?

博士 博士

よい出発点じゃ。胸腔ドレーンは気胸・血胸・膿胸・胸水貯留などで胸腔内の空気や液体を排出し、肺の再膨張を促すために挿入するのじゃ。胸腔は通常陰圧で、これが肺を広げる力になっておるからの。

アユム アユム

選択肢を見ると、ミルキング禁忌、陽圧観察、手指衛生、バッグを高く設置と4つありますが、どれが適切ですか。

博士 博士

どれを選ぶかね。

アユム アユム

手指衛生は必須ですよね。3番だと思います。

博士 博士

正解じゃ!正解は3のドレーンチューブに触れた後は手指衛生を行うじゃ。ドレーンチューブや排液は血液・体液そのものであり感染源となるうえ、刺入部からの逆行性感染リスクも高い。WHOの『手指衛生の5つのタイミング』にしっかり沿った対応が求められるのじゃ。

アユム アユム

5つのタイミングって何でしたっけ?

博士 博士

①患者接触前②清潔操作前③体液曝露の可能性後④患者接触後⑤患者周囲環境接触後じゃ。ドレーン操作は③と④に該当するの。

アユム アユム

他の選択肢はなぜ間違いなんでしょうか。

博士 博士

まずミルキング禁忌というのが誤りじゃ。胸腔ドレーンではチューブ内に血液や滲出液が凝固するとドレーン閉塞を起こし、陰圧がかからず肺が再膨張しなくなる。じゃからミルキングは必要な手技で禁忌ではないのじゃ。

アユム アユム

ただし他のドレーンでは禁忌の場合もあるんですよね。

博士 博士

鋭いの。膵管チューブや脳室ドレーンなど、留置部位に圧をかけたくない場合はミルキング禁忌になるぞ。部位ごとの判断が必要じゃ。

アユム アユム

陽圧観察というのはどう違うんですか?

博士 博士

胸腔は本来陰圧じゃ。吸引装置は陰圧を維持して肺の膨張を助ける。陽圧になると空気が胸腔内に逆流して肺虚脱を招くため、観察するのは陰圧が保たれているかじゃ。三連ボトルシステムでは水封室の水面で陰圧状態を確認するのじゃよ。

アユム アユム

バッグを高く設置するのはどうしてダメなんですか?

博士 博士

重力で排液が挿入部に逆流し、逆行性感染や再貯留を招く。必ず挿入部より低く、床に直接つけずベッドフレームなどに固定するのじゃ。

アユム アユム

観察項目はどんなものがありますか?

博士 博士

エアリークの有無、呼吸性移動(フルクテーション)の有無、排液の性状と量、皮下気腫、刺入部の感染徴候の5点じゃ。これらを毎勤務確認することで異常を早期発見できるのじゃ。

POINT

第108回午前46問は胸腔ドレーン挿入中の看護を問う問題で、正解は3のドレーンチューブに触れた後は手指衛生を行うです。胸腔内は陰圧維持が基本で、バッグは挿入部より低く設置し、必要に応じてミルキングを行います。感染予防と陰圧維持、逆流防止の3原則を軸に毎勤務の観察を徹底することが重要です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:胸腔ドレーン挿入中の患者の看護で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。胸腔ドレーン管理では排液そのものが体液であり感染源となる可能性があるうえ、刺入部からの逆行性感染リスクも高いため、ドレーンチューブやバッグに触れる前後で必ず手指衛生を徹底する必要があります。WHO『手指衛生の5つのタイミング』における『体液に曝露された可能性があるとき』と『患者接触後』に該当し、標準予防策の基本として欠かせません。手指衛生の徹底はドレーン関連感染症を予防し、胸腔内感染や膿胸への進展を防ぐ重要な看護行為となります。

選択肢考察

  1. × 1.  ミルキングは禁忌である。

    胸腔ドレーンではチューブ内に血液や排液が凝固してドレーン閉塞を起こすと陰圧がかからず肺の再膨張を妨げます。そのためミルキングは必要な手技で、禁忌ではありません。

  2. × 2.  持続的に陽圧となっているか観察する。

    胸腔内は本来陰圧で、ドレーンシステムも陰圧を維持して肺の再膨張を促します。陽圧では空気が胸腔内に逆流し肺虚脱を引き起こすため、観察すべきは陰圧の維持です。

  3. 3.  ドレーンチューブに触れた後は手指衛生を行う。

    ドレーンチューブや排液は感染源となるため、接触後は必ず手指衛生を行います。手指衛生の5つのタイミングの『体液曝露後』『患者接触後』に該当し適切です。

  4. × 4.  ドレーンバッグは挿入部より高い位置に設置する。

    ドレーンバッグを挿入部より高くすると、重力により排液が胸腔内に逆流し逆行性感染を招きます。ベッドサイドでは必ず挿入部より低い位置で固定します。

胸腔ドレーンの三連ボトルシステムは『排液ボトル+水封室+吸引圧制御ボトル』で構成されます。観察の要点は『エアリークの有無』『呼吸性移動(フルクテーション)の有無』『排液の性状・量』『皮下気腫』『刺入部の感染徴候』の5点です。バッグの位置・チューブのねじれ・固定の確実性も毎勤務確認し、患者移動時はクランプの要否を指示に基づき判断します。

胸腔ドレーン管理における感染予防の基本原則と、陰圧維持・逆流防止・ミルキングの必要性を正しく理解しているかを問う問題です。