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小児の体格評価、カウプとローレルの使い分け完全ガイド

看護師国家試験 第114回 午前 第9問 / 必修問題 / 看護の基本技術

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第9問

学童の体格を評価するのに用いるのはどれか。

  1. 1.Kaup<カウプ>指数
  2. 2.Rohrer<ローレル>指数
  3. 3.Tanner<タナー>の分類
  4. 4.Scammon<スキャモン>の発育曲線

対話形式の解説

博士 博士

今回は小児の体格評価指数じゃ。年齢で使い分ける必要があり、混同しやすいところじゃよ。

サクラ サクラ

カウプとローレル…名前は聞いたことありますが、どう違うんですか?

博士 博士

まずカウプ指数は乳幼児(生後3か月〜5歳頃)用。計算式は『体重(g)÷身長(cm)² ×10』で、標準値は15〜18じゃ。

サクラ サクラ

身長の2乗で割るんですね。ほぼBMIと同じ式ですか?

博士 博士

鋭いのう。実はカウプ指数はBMIと同値(単位をそろえると同じ)じゃ。ただし小児は身長・体重の比が成人と違うため、判定基準が異なるだけじゃな。

サクラ サクラ

じゃあローレル指数は?

博士 博士

ローレル指数は学童期〜思春期(6〜18歳頃)用で、『体重(g)÷身長(cm)³ ×10⁴』。身長の3乗で割る点がカウプと違う。標準値は115〜145、145以上で肥満傾向、160以上で肥満じゃ。

サクラ サクラ

なぜ学童は3乗で割るんですか?

博士 博士

学童期以降は身長の伸びに対して体重の増加が緩やかになる時期があるため、2乗では身長の高い子を過大評価しがちになる。3乗で割ることで身長への影響を抑え、発育途上の体格をより適切に評価できるとされておる。

サクラ サクラ

今回の問題の正解は、ローレル指数ですね。

博士 博士

その通り。『学童=ローレル』と覚える。

サクラ サクラ

タナー分類とスキャモンの発育曲線も選択肢にありますが、これは何が違うんですか?

博士 博士

タナー分類は第二次性徴の進行度を5段階で評価する分類じゃ。乳房の発達、陰毛の発達、男性外性器の発達を段階化する。体格評価ではなく性成熟度評価、という点がポイントじゃ。

サクラ サクラ

じゃあスキャモンの発育曲線は?

博士 博士

0〜20歳までの身体各組織の発育パターンをグラフで示したもの。一般型(身長・体重・内臓)は2相性のS字、神経型は幼児期に急伸し6歳で成人の約90%、リンパ型は12歳前後がピークで成人を超え、生殖型は思春期に急伸する、という4つの発育パターンを示す。

サクラ サクラ

これは個人の体格評価ではなく、発育の全体像ですね。

博士 博士

その通り。4つの発育曲線パターンはよく出題されるから、絵でイメージを持っておくとよい。

サクラ サクラ

学校保健では肥満度を使うって聞いたことがあります。

博士 博士

うむ。学校保健では『肥満度(%)=(実測体重-標準体重)/標準体重×100』という式で、+20%以上を肥満傾向児、+50%以上を高度肥満とする。ローレル指数と並行して使われておる。

サクラ サクラ

小児肥満って、大人の生活習慣病につながるんですよね。

博士 博士

そうじゃ。小児肥満の約7割は成人肥満に移行するとされ、2型糖尿病・高血圧・脂質異常症のリスクが高まる。逆にやせすぎも発育障害や摂食障害の可能性があり、両側面からの評価が大切じゃ。

サクラ サクラ

看護師としては、どの場面で使うんですか?

博士 博士

乳幼児健診ではカウプ、学校健診ではローレルや肥満度、成人ではBMI。訪問看護や小児外来でも成長曲線と合わせて評価する。年齢に応じた指標を選ぶのが基本姿勢じゃよ。

POINT

学童の体格を評価する指数はローレル指数で、計算式は『体重(g)÷身長(cm)³ ×10⁴』、標準値は115〜145、160以上で肥満と判定します。乳幼児用のカウプ指数(身長の2乗で割る、標準15〜18)、成人用のBMI(身長の2乗で割る、標準18.5〜25未満)と使い分ける必要があります。タナー分類は第二次性徴の5段階評価、スキャモンの発育曲線は4つの発育パターン(一般型・神経型・リンパ型・生殖型)を示す図で、いずれも体格評価ではなく発育の別側面を示す概念です。小児期の体格は成人期の健康に直結するため、看護師は対象の年齢に応じた指標を選び、成長曲線と合わせて評価する視点が求められます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:学童の体格を評価するのに用いるのはどれか。

解説:正解は 2 の「Rohrer<ローレル>指数」です。小児の体格評価には年齢に応じた指数が用いられ、幼児期後半から学童・思春期(おおむね6〜18歳)には『ローレル指数』を使用します。計算式は『体重(g)÷身長(cm)³ ×10⁴』で、標準値は 115〜145、145以上は肥満傾向、160以上は肥満、115未満はやせぎみ、100未満はやせ と判定します。乳幼児(生後3か月〜5歳頃)には『カウプ指数』、成人には『BMI』、思春期の性成熟評価には『タナー分類』、発育全体の時期評価には『スキャモン発育曲線』が使われ、対象年齢と目的で使い分けるのがポイントです。

選択肢考察

  1. × 1.  Kaup<カウプ>指数

    乳幼児(生後3か月〜5歳頃)の体格評価に用いる指数。『体重(g)÷身長(cm)² ×10』で計算し、標準値は15〜18。

  2. 2.  Rohrer<ローレル>指数

    学童期〜思春期(6〜18歳頃)の体格評価に用いる指数。『体重(g)÷身長(cm)³ ×10⁴』で計算し、115〜145が標準、160以上で肥満。

  3. × 3.  Tanner<タナー>の分類

    思春期の第二次性徴の進行度を5段階で評価する分類。体格そのものの評価ではなく、乳房発達・陰毛発達・男性外性器の発育を段階化するもの。

  4. × 4.  Scammon<スキャモン>の発育曲線

    0〜20歳の身体各組織(一般型・神経型・リンパ型・生殖型)の発育パターンをグラフ化したもの。個人の体格を評価する指標ではなく、発育の全体像を示す概念図。

小児の体格指数は年齢で使い分ける。①カウプ指数:乳幼児(3か月〜5歳)、W(g)/H(cm)²×10、標準15〜18。②ローレル指数:学童〜思春期、W(g)/H(cm)³×10⁴、標準115〜145。③BMI:成人、W(kg)/H(m)²、標準18.5〜25未満。学校保健では別に『肥満度(%)=(実測体重-標準体重)/標準体重×100』が広く用いられ、+20%以上を肥満傾向児、+50%以上を高度肥満とする。タナー分類は第二次性徴の進行評価、スキャモンの発育曲線は4つの発育パターン(リンパ型は12歳前後でピーク、神経型は幼児期に急伸、生殖型は思春期に急伸、一般型は2相性)を示す図である。

成長段階に応じた体格評価指数の使い分け(乳幼児=カウプ、学童=ローレル、成人=BMI)を理解する問題。