採血は肘正中皮静脈が第一選択
看護師国家試験 第103回 午前 第20問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
一般検査時の採血に最も用いられる静脈はどれか。
- 1.上腕静脈
- 2.大腿静脈
- 3.大伏在静脈
- 4.肘正中皮静脈
対話形式の解説
博士
一般検査の採血で最も使う静脈はどれかのう。
アユム
肘正中皮静脈ですね。よく採血される場所です。
博士
その通り。太く、まっすぐで、皮膚から浅いから穿刺しやすいんじゃ。
アユム
神経や動脈との位置関係はどうなんですか?
博士
肘正中皮静脈は神経や動脈から離れており、損傷リスクが低い。これが第一選択の理由じゃ。
アユム
他にも採血できる血管はありますか?
博士
橈側皮静脈や尺側皮静脈も使う。じゃが橈側皮静脈は橈骨神経、尺側皮静脈は尺骨神経や上腕動脈に近いから注意が要る。
アユム
上腕静脈は使わないんですか?
博士
深部走行で動脈や正中神経に近接するから、一般採血では選ばん。
アユム
大腿静脈は?
博士
中心静脈カテーテル挿入や緊急時の代替穿刺で使うことはあるが、一般採血では使わん。
アユム
大伏在静脈は?
博士
下肢の静脈で、感染や血栓リスクから採血部位には不適切じゃ。
アユム
避けるべき腕はありますか?
博士
麻痺側、シャント造設側、乳がん術後のリンパ郭清側、点滴留置中の同側じゃな。
アユム
神経損傷を防ぐコツは?
博士
穿刺角度は15〜20度、深さは表在静脈にとどめる。しびれや放散痛があれば即座に抜針じゃ。
アユム
安全な採血のためには解剖学が大切なんですね。
博士
血管の走行を頭に入れることが事故予防につながるぞ。
POINT
一般採血では肘正中皮静脈が第一選択で、太く真っ直ぐで神経や動脈から離れているのが理由です。橈側・尺側皮静脈も代替として使用しますが神経損傷リスクに注意します。麻痺側やシャント側、乳がん術後の郭清側は避け、穿刺角度は15〜20度、しびれや放散痛があれば即座に抜針することが安全な採血の基本です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:一般検査時の採血に最も用いられる静脈はどれか。
解説:正解は 4 です。一般検査の採血では肘窩部の肘正中皮静脈が第一選択となります。理由は太く、まっすぐで、皮膚から浅く、神経や動脈から離れており、駆血しやすく穿刺しやすい解剖学的特徴を持つためです。代替部位として橈側皮静脈や尺側皮静脈も使用されますが、橈側皮静脈は橈骨神経、尺側皮静脈は尺骨神経や上腕動脈に近接するため肘正中皮静脈より優先度は下がります。
選択肢考察
-
× 1. 上腕静脈
深部走行で上腕動脈や正中神経に近接するため、一般採血の穿刺部位としては選ばれません。
-
× 2. 大腿静脈
中心静脈カテーテル挿入や緊急採血の代替で使われることはありますが、一般採血には用いません。
-
× 3. 大伏在静脈
下肢の静脈で、感染や血栓のリスクから一般採血部位としては不適切です。
-
○ 4. 肘正中皮静脈
太く真っ直ぐで穿刺しやすく、神経や動脈から離れており一般採血の第一選択となる静脈です。
採血部位の選択では麻痺側、シャント造設側、乳がん術後のリンパ節郭清側、点滴留置中の同側を避けます。神経損傷予防のため穿刺角度は15〜20度、深さは表在静脈にとどめ、しびれや放散痛があれば即座に抜針します。
採血の第一選択静脈と解剖学的根拠、避けるべき部位の理解を問う問題です。
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