採血の刺入角度をもう一度整理しよう
看護師国家試験 第104回 午前 第23問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。
- 1.10〜30度
- 2.35〜40度
- 3.55〜60度
- 4.75〜80度
対話形式の解説
博士
今日は静脈血採血の刺入角度じゃ。何度くらいが適切か言えるかの?
サクラ
10〜30度くらいだったと思います。
博士
正解じゃ。なぜそんなに浅い角度なのか分かるかの?
サクラ
静脈が皮膚のすぐ下を通っているからですよね。
博士
その通り。深く刺すと血管を貫通してしまうし、神経や腱を傷つける危険もあるんじゃ。
サクラ
駆血帯で血管を浮かせて、刺しやすくする工夫もしますよね。
博士
うむ。ただし駆血は1分以内にとどめなければならんぞ。
サクラ
ほかの注射の角度も気になります。
博士
皮内はほぼ平行、皮下は10〜30度、筋注は45〜90度、動脈血採血はほぼ垂直じゃ。
サクラ
静脈と皮下注射が同じくらいの角度なんですね。
博士
じゃから両者は混同しやすい。皮下は脂肪層に薬液を入れる、静脈は血管内に針先を留めるという目的の違いを意識せい。
サクラ
血液が逆流したら針を寝かせて固定するんですよね。
博士
そうじゃ。逆流を確認したら駆血帯を外して薬液採取に進む。順序も大切じゃぞ。
サクラ
整理できました、ありがとうございます。
POINT
静脈血採血では皮膚に対し10〜30度の浅い角度で穿刺します。皮内・皮下・筋肉・動脈の各刺入角度と合わせて整理しておくことで、混同を防げます。逆流確認後は針を寝かせて固定し、駆血は1分以内、抜針後は十分に圧迫止血する点も重要です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。
解説:正解は1の10〜30度です。静脈は皮膚のすぐ下を走行しているため、深く刺すと血管を貫通したり皮下組織を傷つけてしまいます。皮膚に対しおよそ10〜20度の浅い角度で穿刺し、血液の逆流を確認したら角度をさらに寝かせて固定します。
選択肢考察
-
○ 1. 10〜30度
静脈は皮膚直下の浅い位置を走るため、10〜20度程度の浅い角度で刺入するのが基本です。教科書的には10〜30度の範囲が静脈穿刺の目安として示されます。
-
× 2. 35〜40度
この角度では血管を貫通したり皮下組織まで深く達してしまい、神経損傷や皮下血腫の原因になります。
-
× 3. 55〜60度
筋肉注射に近い角度であり、静脈穿刺としては深すぎます。静脈の位置を考えると不適切です。
-
× 4. 75〜80度
ほぼ垂直に近い角度で、動脈血採血で用いられる角度に近く、静脈穿刺には不適切です。
穿刺角度の整理として、皮内注射はほぼ平行(15度以下)、皮下注射10〜30度、静脈血採血10〜30度(目安は約20度)、筋肉注射45〜90度、動脈血採血ではおおむね90度です。針の太さは通常21〜23G、駆血は1分以内にとどめ阻血を避けます。
各種注射・採血手技で異なる刺入角度の理解を問う問題です。
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