経鼻経管栄養はファウラー位で
看護師国家試験 第105回 午後 第21問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
経鼻経管栄養法の体位で適切なのはどれか。
- 1.Fowler〈ファウラー〉位
- 2.仰臥位
- 3.腹臥位
- 4.側臥位
対話形式の解説
博士
経鼻経管栄養を実施する時の体位はどれじゃ?
サクラ
上半身を起こすことで逆流を防ぐ体位ですよね。
博士
その通り。正解は1のファウラー位じゃ。上半身を30〜45度挙上した半坐位のことじゃよ。
サクラ
なぜ上半身を挙上するのですか?
博士
重力を利用して胃内容物が食道へ逆流するのを防ぎ、誤嚥性肺炎のリスクを下げるためじゃ。消化管への移動もスムーズになる。
サクラ
2の仰臥位は?
博士
水平の体位では胃と食道の高さがほぼ同じになり、栄養剤や胃液が食道へ逆流しやすい。高齢者では特に誤嚥しやすくなるのじゃ。
サクラ
3の腹臥位はどうですか?
博士
胃部が圧迫されて嘔吐・腹部不快が生じやすい。顔を横に向けないと窒息するし、経管栄養管理にも不向きじゃ。
サクラ
4の側臥位は一見良さそうに見えますが…?
博士
右側臥位では胃の幽門側が下になるため胃排出は促されるが、逆流予防の観点ではファウラー位の方が優れる。やむを得ず臥床が必要な場合の代替じゃな。
サクラ
注入前に確認することは何ですか?
博士
胃管の位置確認が最重要じゃ。気泡音聴取、胃内容物吸引、pH測定、定期的にはX線で確認する。固定位置も毎回チェックじゃ。
サクラ
注入速度や温度は?
博士
一般に200〜400mL/時前後で、栄養剤は体温程度に温める。冷たすぎると腹痛や下痢の原因になるからな。
サクラ
注入後はどうしますか?
博士
注入後も30分〜1時間は同じ体位を保ち、胃残を確認してから体位変換する。急に水平に戻すと逆流のリスクが高まるのじゃ。
サクラ
合併症には何がありますか?
博士
誤嚥性肺炎、下痢、便秘、ダンピング症状、胃残量増加、瘻孔感染などじゃ。日々の観察とアセスメントが看護の要じゃよ。
サクラ
ファウラー位がなぜ選ばれるか、原理から理解できました。
POINT
経鼻経管栄養時の体位はファウラー位で正解は1です。上半身を30〜45度挙上することで胃食道逆流を防ぎ、誤嚥性肺炎のリスクを低減します。仰臥位・腹臥位・側臥位は逆流や圧迫の観点で不適切で、注入後も30分〜1時間はファウラー位を保持します。胃管の位置確認、注入速度、栄養剤温度、合併症観察が看護の基本となります。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:経鼻経管栄養法の体位で適切なのはどれか。
解説:正解は 1 です。経鼻経管栄養法では、注入中に栄養剤の胃食道逆流による誤嚥性肺炎を予防するため、上半身を30〜45度起こしたファウラー位(半坐位)で実施します。この体位により胃内容物が食道へ逆流しにくくなり、重力の作用で消化管への移動もスムーズになります。注入後も30分〜1時間程度は同じ体位を保ち、その後体位変換を行うのが基本的な看護手順です。
選択肢考察
-
○ 1. Fowler〈ファウラー〉位
上半身を30〜45度起こす半坐位で、胃食道逆流と誤嚥を防止できるため経管栄養に最も適切です。
-
× 2. 仰臥位
上半身が水平のため胃内容物が逆流しやすく、誤嚥性肺炎のリスクが高まるため不適切です。
-
× 3. 腹臥位
胃部が圧迫され嘔吐や腹部不快を生じやすく、また顔を横に向ける必要があり管理がしにくいため不適切です。
-
× 4. 側臥位
やむを得ない場合に用いる右側臥位は胃排出を促すが、基本は上半身を起こすファウラー位がより安全です。
経鼻経管栄養の注入前確認として、胃管の位置確認(気泡音聴取やpH測定、胃内容物吸引、X線確認)、固定状況、注入速度(一般に200〜400mL/時前後)、栄養剤の温度(体温程度)などがあります。合併症としては誤嚥性肺炎、下痢、便秘、ダンピング症状、胃残量増加などがあり、注入後30分〜1時間は上体を起こしたまま観察することが推奨されます。
経鼻経管栄養法で誤嚥を防ぐための基本体位、すなわちファウラー位を選べるかを問う必修問題。
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