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カリウム製剤は絶対にワンショット禁止!

看護師国家試験 第107回 午前 第22問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第22問

静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。

  1. 1.5%ブドウ糖
  2. 2.15%塩化カリウム
  3. 3.0.9%塩化ナトリウム
  4. 4.7%炭酸水素ナトリウム

対話形式の解説

博士 博士

今日は看護師として絶対に覚えておくべき注射液のルールじゃ。選択肢の中で必ず希釈しなければならないのはどれじゃろう?

アユム アユム

うーん、生理食塩液や5%ブドウ糖はそのまま使えそうですし、残るは塩化カリウムか炭酸水素ナトリウムですね。

博士 博士

正解は15%塩化カリウムじゃ。なぜ希釈が絶対に必要か分かるかな?

アユム アユム

カリウムは心臓に影響するって聞いたことがあります。

博士 博士

その通りじゃ。高濃度のカリウムが急速に静脈内に入ると、心筋細胞の脱分極を妨げて致死的な不整脈や心停止を引き起こすのじゃ。過去にはワンショット静注で患者が亡くなった医療事故が複数発生しておる。

アユム アユム

それは怖いですね…。具体的にどう希釈すればいいんですか?

博士 博士

原則は3つじゃ。①ワンショット静注禁止、②濃度は40mEq/L以下に希釈、③投与速度は20mEq/時以下。この「3つのN」を必ず守るのじゃ。

アユム アユム

生理食塩液や5%ブドウ糖で希釈するんですね。

博士 博士

そうじゃ。これらは体液と等張の基本輸液で、希釈液として安全に使える。だからこの2つは「希釈される側」ではなく「希釈する側」なのじゃな。

アユム アユム

7%炭酸水素ナトリウム(メイロン)はどうなんですか?

博士 博士

メイロンはアシドーシス補正に使うが、成人では希釈なしで緩徐静注が可能じゃ。新生児では脳室内出血のリスクから希釈が推奨されるが、「必ず希釈」が規定された薬剤ではない。

アユム アユム

高カリウム血症になるとどんな症状が出るんでしょう?

博士 博士

心電図でテント状T波が出現し、進行するとQRS幅が延長、最終的には洞停止や心室細動に至る。筋脱力やしびれも生じることがあるぞ。

アユム アユム

もし高カリウム血症になったらどう治療するんですか?

博士 博士

緊急時はグルコース・インスリン療法、カルシウム製剤投与、重炭酸投与、透析などじゃ。原因薬剤の投与を直ちに中止することも重要じゃな。

アユム アユム

カリウム製剤は見た目で分かるように工夫されているんですよね?

博士 博士

よく知っておるな。アンプルのラベルが赤色で強調されておったり、他の薬剤と別保管にされる施設も多い。看護師は取り違えが絶対にないよう、ダブルチェックで投与するのじゃ。

POINT

カリウム製剤は急速静注により心停止を招く危険性があるため、必ず希釈して点滴静脈内注射のみで投与します。「濃度40mEq/L以下・速度20mEq/時以下・ワンショット禁止」の3原則は医療安全上極めて重要で、過去の重大事故から学ばれたルールです。希釈には生理食塩液や5%ブドウ糖が用いられ、これらは基本輸液としてそのまま静注可能です。必修問題として確実に得点すべきテーマであり、実臨床でもダブルチェックで事故を防ぐ意識が求められます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。

解説:正解は2の「15%塩化カリウム」です。カリウム製剤は急速に静脈内投与すると致死的な不整脈や心停止を引き起こす危険性があるため、必ず希釈して点滴静脈内注射で投与することが定められています。一般的には生理食塩液や5%ブドウ糖液などで希釈し、濃度は40mEq/L以下、投与速度は20mEq/時以下が原則とされています。ワンショット静注(単独でのシリンジ静脈内投与)は厳禁で、医療安全の観点から各施設でも厳格に管理されています。過去には希釈せずに誤投与されて患者が死亡した医療事故が複数発生しており、日本医療機能評価機構からも警鐘が発せられています。

選択肢考察

  1. × 1.  5%ブドウ糖

    5%ブドウ糖液は体液と等張(約278mOsm/L)で、そのまま静脈内投与が可能です。むしろ他の薬剤の溶解・希釈液として使われる基本輸液です。

  2. 2.  15%塩化カリウム

    カリウム製剤は急速静注により心停止を起こす危険性があるため、必ず希釈(40mEq/L以下)して20mEq/時以下の速度で点滴静脈内注射のみに使用します。

  3. × 3.  0.9%塩化ナトリウム

    0.9%塩化ナトリウム(生理食塩液)は体液と等張の基本輸液で、希釈せずに投与可能です。他の薬剤の溶解・希釈液としても広く用いられます。

  4. × 4.  7%炭酸水素ナトリウム

    7%炭酸水素ナトリウム(メイロン)はアシドーシス補正などに静脈内投与されますが、成人では希釈なしで緩徐に投与可能です。新生児では高浸透圧による脳室内出血予防のため希釈が推奨されますが、「必ず希釈」が規定された薬剤ではありません。

カリウム製剤の投与原則は「3つのN」と覚えるとよいでしょう。①No ワンショット(ワンショット静注禁止)、②Not 40mEq/L超(濃度40mEq/L以下)、③Not 20mEq/時超(速度20mEq/時以下)。さらに1日投与量は100mEq以下が目安です。バイアルやアンプルが赤色表示されていることが多く、他薬剤と区別して保管されます。高カリウム血症は心電図でテント状T波・QRS幅延長・洞停止を示し、緊急時はグルコース・インスリン療法、カルシウム製剤投与、透析などが行われます。

カリウム製剤の希釈・速度制限という医療安全上極めて重要な基本ルールを問う必修問題です。