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胸骨圧迫は『約5cm・1分間100〜120回』が合言葉

看護師国家試験 第106回 午後 第24問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第24問

一次救命処置時の成人への胸骨圧迫の深さで適切なのはどれか。

  1. 1.2 〜 3 cm
  2. 2.5 〜 6 cm
  3. 3.8 〜 9 cm
  4. 4.11 〜 12 cm

対話形式の解説

博士 博士

今日はBLS(一次救命処置)の肝、胸骨圧迫の深さを確認するぞ。

アユム アユム

AEDの使い方は習ったんですが、押す深さってそんなに重要なんですか?

博士 博士

非常に重要じゃ。浅すぎれば血液が送られず、深すぎれば肋骨を折ってしまう。最適解は『約5cm(6cmを超えない)』じゃ。

アユム アユム

意外と深いんですね。胸骨が折れそうで怖いです。

博士 博士

実際、強く押せば肋骨の微細骨折は時に起こる。しかし脳や心臓に血流を回すにはそれくらいの力が必要なのじゃ。

アユム アユム

圧迫のテンポはどのくらいでしたっけ?

博士 博士

1分間に100〜120回。映画『ステイン・アライブ』のテンポとほぼ同じと言われておる。

アユム アユム

学校では『1分間に少なくとも100回以上』と教わったんですが…

博士 博士

以前はそう表現しておったが、現行のガイドラインでは100〜120回と上限が設けられた。速すぎても戻りが不十分となり効果が落ちるからじゃ。

アユム アユム

圧迫の戻りは大事なんですか?

博士 博士

とても大事。しっかり戻すことで心臓が血液を吸い込む時間が生まれる。押しっぱなしは厳禁じゃ。

アユム アユム

人工呼吸との比は?

博士 博士

成人も小児も基本 30:2。AEDが到着したら速やかに装着し、解析中以外は圧迫を続けよ。中断は最小限にするのが鉄則じゃ。

アユム アユム

小児や乳児の深さは違いますよね?

博士 博士

小児は胸の厚さの約1/3、約5cm。乳児は約4cmが目安。体格に合わせて2本指または2母指法を使う。

アユム アユム

手の位置は胸骨の下半分でよかったですか?

博士 博士

その通り。両乳頭を結ぶ線のやや下、胸骨の下半分に手掌基部を重ねて圧迫するのじゃ。

アユム アユム

感染防護具がないときは人工呼吸は省略してもいいんですか?

博士 博士

現行ガイドラインでは、訓練を受けていない市民救助者には胸骨圧迫のみのCPR(hands-only CPR)でもよいとされておる。

アユム アユム

とにかく『強く・速く・絶え間なく』押すことが命を救うんですね。

博士 博士

その通り。救急車到着まで平均8〜9分、その間に質の高い胸骨圧迫ができるかで社会復帰率が大きく変わるのじゃ。

POINT

成人の一次救命処置における胸骨圧迫は『約5cm(6cmを超えない)』の深さで、1分間に100〜120回のテンポで絶え間なく行うのが基本です。JRC蘇生ガイドラインやAHA-BLSでは、質の高いCPRの要素として『強く・速く・胸郭を完全に戻す・中断を最小限にする』ことが強調されています。小児は胸の厚さの1/3(約5cm)、乳児は約4cmと年齢別に調整し、AED装着時も圧迫を可能な限り継続することが重要です。看護師は院内急変対応の要として、胸骨圧迫の質と各自の役割(胸骨圧迫・気道確保・記録・AED)を明確にし、定期的なシミュレーションで腕前を保つことが求められます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:一次救命処置時の成人への胸骨圧迫の深さで適切なのはどれか。

解説:正解は 2 です。JRC蘇生ガイドラインおよびAHAのBLSでは、成人への胸骨圧迫の深さは『約5cm(ただし6cmを超えない)』、テンポは『1分間に100〜120回』と定められており、選択肢の中では 5〜6cm が正解となります。

選択肢考察

  1. × 1.  2 〜 3 cm

    浅すぎて十分な心拍出が得られず、冠動脈・脳灌流圧が保てない。成人のCPRでは不適切な深さ。

  2. 2.  5 〜 6 cm

    成人の胸骨圧迫の適切な深さ。約5cmを目安に、6cmを超えないよう強く・速く・絶え間なく圧迫する。

  3. × 3.  8 〜 9 cm

    深すぎて肋骨骨折・心臓や肺の損傷リスクが高い。6cmを超える圧迫は推奨されない。

  4. × 4.  11 〜 12 cm

    成人の胸郭の厚みからも明らかに過剰で、重大な臓器損傷を招く。臨床的にあり得ない深さ。

一次救命処置(BLS)のポイントは『強く(約5cm)・速く(100〜120回/分)・絶え間なく、完全な胸壁の戻りを確保する』。小児では胸の厚さの約1/3(約5cm)、乳児は約4cmが目安。圧迫と人工呼吸の比は成人・小児とも30:2(医療者2人での小児は15:2も可)。中断時間を最小限にし、AEDは到着次第装着・解析する。

成人BLSにおける胸骨圧迫の深さ・テンポなど基本パラメータの確実な暗記が問われている。ガイドライン改訂で微調整されるため最新情報の確認が必要。