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中心静脈投与が必須な輸液はどれ?

看護師国家試験 第108回 午後 第21問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第21問

中心静脈から投与しなければならないのはどれか。

  1. 1.脂肪乳剤
  2. 2.生理食塩液
  3. 3.5%ブドウ糖液
  4. 4.高カロリー輸液

対話形式の解説

博士 博士

今日は輸液の投与ルートについて押さえよう。中心静脈から投与しなければならないのは4つのうちどれかな。

サクラ サクラ

4の高カロリー輸液、TPNですよね。

博士 博士

正解じゃ。理由は分かるかな。

サクラ サクラ

高濃度で浸透圧が高いから、末梢だと血管が傷ついて静脈炎になるからですよね。

博士 博士

その通り。TPNの浸透圧比は血漿の6〜7倍、糖濃度は17〜25%ほどもある。末梢静脈では血管内皮を傷め血栓性静脈炎を起こすんじゃ。

サクラ サクラ

中心静脈なら問題ないのですか?

博士 博士

上大静脈は血流が毎分2000mL以上と豊富で、投与した輸液は瞬時に希釈される。だから高浸透圧でも血管壁への影響が最小限になるんじゃ。

サクラ サクラ

末梢投与できる輸液の目安は?

博士 博士

おおむね浸透圧比3以下、糖濃度12%以下が目安じゃ。これを超えるなら中心静脈を検討する。

サクラ サクラ

ほかの選択肢も確認しますね。1の脂肪乳剤は?

博士 博士

イントラリポスなどは浸透圧がほぼ等張に調整されていて末梢から投与できる。ただしラインのフィルターを通さずに投与するなど注意点はある。

サクラ サクラ

2の生理食塩液は0.9%で血漿と等張、末梢投与の基本液ですね。

博士 博士

その通り。3の5%ブドウ糖液も血漿とほぼ等張じゃ。代謝されると自由水となり細胞内にも分布する。

サクラ サクラ

CVCはどこから入れるのですか?

博士 博士

内頸静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈が主じゃ。先端は上大静脈と右心房の境界付近に留置する。

サクラ サクラ

合併症は怖いですね。

博士 博士

挿入時は気胸、動脈穿刺、空気塞栓、留置中はカテーテル関連血流感染、CRBSIや血栓が代表じゃ。マキシマルバリアプリコーションと清潔操作が必須じゃよ。

サクラ サクラ

長期投与の選択肢は?

博士 博士

CVポートやPICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル)じゃ。在宅TPNにも使われるぞ。

サクラ サクラ

TPN管理では血糖、電解質、肝機能のモニタリングも重要でしたね。

博士 博士

その通り。また中心静脈ラインは清潔操作厳守、輸液バッグは24時間以内に交換、フィルター使用が標準じゃ。

サクラ サクラ

浸透圧と希釈、感染管理、セットで覚えておきます。

POINT

中心静脈からの投与が必須なのは高カロリー輸液(TPN)です。浸透圧比が6〜7と高く末梢では静脈炎を起こすため、血流豊富な上大静脈で希釈される中心静脈が用いられます。脂肪乳剤、生理食塩液、5%ブドウ糖液は等張に近く末梢投与可能です。CVC挿入・管理では気胸やCRBSIなどの合併症予防に清潔操作とモニタリングが不可欠で、長期投与ではCVポートやPICCが選択されます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:中心静脈から投与しなければならないのはどれか。

解説:正解は 4 です。高カロリー輸液(TPN:total parenteral nutrition)は浸透圧が血漿の約6倍以上、グルコース濃度も高く、末梢静脈に投与すると血管内皮を損傷して静脈炎や血栓性静脈炎を起こします。上大静脈などの太い中心静脈なら大量の血流で急速に希釈されるため、高浸透圧液でも安全に投与できます。したがって高カロリー輸液は中心静脈カテーテル(CVC)やCVポートを用いて投与することが必須です。

選択肢考察

  1. × 1.  脂肪乳剤

    脂肪乳剤(イントラリポスなど)は浸透圧が血漿とほぼ等張のため末梢静脈から投与可能です。中心静脈からも投与できますが必須ではありません。

  2. × 2.  生理食塩液

    0.9%生理食塩液は血漿と等張で、末梢静脈から安全に投与できます。中心静脈投与である必要はありません。

  3. × 3.  5%ブドウ糖液

    5%ブドウ糖液は血漿とほぼ等張で末梢静脈投与が基本です。体内でブドウ糖が代謝されると実質的に自由水となります。

  4. 4.  高カロリー輸液

    高濃度ブドウ糖やアミノ酸を含み浸透圧比が高いため末梢では静脈炎を起こします。上大静脈などの中心静脈へ投与することが必須です。

末梢静脈から投与できる輸液はおおむね浸透圧比3以下、糖濃度12%以下が目安です。TPN製剤は糖濃度が17〜25%前後、浸透圧比が6〜7に達するため末梢では投与できません。中心静脈カテーテルの代表的な刺入部位は内頸静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈で、先端は上大静脈と右心房の境界付近に留置します。合併症として気胸、動脈穿刺、カテーテル関連血流感染(CRBSI)、空気塞栓、血栓形成があり、挿入時はマキシマルバリアプリコーション、管理時は清潔操作とフィルター使用、感染兆候のモニタリングが重要です。長期投与にはCVポートや PICC が用いられます。

高カロリー輸液が中心静脈投与必須である理由と輸液浸透圧の基本を問う必修問題です。