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採血の成功は角度で決まる!静脈に針を通す15〜20度の理由

看護師国家試験 第112回 午後 第23問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第23問

静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。

  1. 1.15〜20度
  2. 2.35〜40度
  3. 3.55〜60度
  4. 4.75〜80度

対話形式の解説

博士 博士

今回は静脈採血の基本、刺入角度について学ぶぞ。新人看護師が最初につまずくポイントじゃ。

サクラ サクラ

採血って、どのくらいの角度で針を刺すんですか?

博士 博士

静脈採血は皮膚に対して15〜20度、つまり非常に浅い角度で刺入するのが基本じゃ。

サクラ サクラ

なぜそんなに浅い角度なんですか?

博士 博士

皮静脈は皮膚のすぐ下、深さ数ミリのところを走っているからじゃ。深い角度で刺すと血管の向こう側を突き抜けてしまい、皮下血腫(いわゆる内出血)になってしまう。

サクラ サクラ

ああ、採血のあと青あざができるのはそれが原因なんですね。

博士 博士

そういうケースもあるのう。他にも止血が不十分だったり駆血を緩めるタイミングが悪かったり原因は様々じゃが、刺入角度が深すぎるのは代表的な失敗パターンじゃ。

サクラ サクラ

皮下注射や筋肉内注射とはどう違うんですか?

博士 博士

良い質問じゃ。皮内注射はほぼ平行の10〜15度、皮下注射は10〜30度、静脈採血は15〜20度、筋肉内注射は45〜90度と、どんどん深くなっていくイメージじゃな。

サクラ サクラ

筋肉内は90度に近いんですね。三角筋注射だとほぼ垂直と聞きました。

博士 博士

その通り。筋肉は皮下脂肪の下、つまり深い層にあるからじゃ。一方、静脈はすぐそこにあるから浅い角度で届く。

サクラ サクラ

針の向きについても何かコツはありますか?

博士 博士

針先の刃面、つまりベベルを上に向けて刺入するのが基本じゃ。こうすると皮膚を切るように入り、患者の痛みが少ない。血管に入ってフラッシュバックを確認したら、さらに角度を寝かせて数ミリ進め、しっかり血管内に固定する。

サクラ サクラ

駆血帯のことも教えてください。

博士 博士

駆血帯は穿刺部位から7〜10cm中枢側、つまり肘採血なら上腕の中ほどに巻く。駆血時間は1分以内が目安じゃ。長く巻きすぎると乳酸やカリウムが上昇し、検査値に影響するからのう。

サクラ サクラ

採血で気をつける神経や血管はありますか?

博士 博士

肘正中皮静脈が第一選択じゃが、尺側皮静脈の近くには正中神経や上腕動脈が走っている。神経損傷を起こすと強い電撃痛やしびれが走るので、その場合は即座に抜針することが重要じゃ。

サクラ サクラ

角度、刃面、駆血時間、神経への配慮…採血一つにも理論が詰まっていますね。

POINT

静脈採血における適切な刺入角度は皮膚に対して15〜20度です。皮静脈は皮下の浅い層を走行するため、浅い角度でなければ血管後壁を貫通して皮下血腫を作ってしまいます。刃面を上に向け、血管走行に沿って15〜20度で刺入しフラッシュバックを確認するのが基本手技で、皮内注射10〜15度・皮下注射10〜30度・筋肉内注射45〜90度と、組織の深さに応じて角度が変わる点を整理して覚えておきましょう。加えて駆血帯の位置(7〜10cm中枢側)や駆血時間(1分以内)、神経損傷への配慮まで含めて身につけることで、安全で確実な採血につながります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。

解説:正解は 1 の15〜20度です。皮静脈は皮膚のすぐ下(深さ数mm程度)を走行するため、浅い角度で刺入しないと血管を突き抜けてしまいます。針先の刃面(ベベル)を上に向け、血管の走行に沿って皮膚に対して15〜20度で刺入し、血液の逆流(フラッシュバック)を確認してから角度をさらに寝かせて固定するのが基本手技です。

選択肢考察

  1. 1.  15〜20度

    皮下の浅い部位を走る静脈を的確にとらえられる角度。血管を貫通させにくく、患者の痛みも最小限で済む標準的な刺入角度である。

  2. × 2.  35〜40度

    静脈採血には深すぎる角度。血管後壁を貫通して皮下血腫を作りやすく、神経や腱を傷つけるリスクも高まる。

  3. × 3.  55〜60度

    筋肉内注射に近い角度で、皮静脈採血にはまったく不適切。静脈を突き抜けるうえ、深部組織損傷の危険が大きい。

  4. × 4.  75〜80度

    ほぼ垂直な角度で、静脈採血には絶対に用いない。深部血管や神経を損傷し重大な合併症を招くおそれがある。

各注射・採血の刺入角度は、皮内注射が10〜15度でほぼ皮膚と平行、皮下注射が10〜30度、静脈採血・静脈内注射が15〜20度、筋肉内注射が45〜90度(三角筋などでは90度)と整理できる。採血時の駆血帯は穿刺部位から7〜10cm中枢側に巻き、駆血時間は1分以内にとどめる。穿刺部位は肘正中皮静脈が第一選択で、正中神経や上腕動脈との位置関係を意識して選ぶことが重要。

静脈採血の基本手技における『刺入角度』を問う必修問題。皮静脈の解剖学的位置(皮下浅層)から考えて15〜20度の浅い角度が正解となる。