倫理原則「正義」の意味を正しく理解しよう
看護師国家試験 第107回 午後 第5問 / 必修問題 / 看護における倫理と法律
国試問題にチャレンジ
倫理原則の「正義」はどれか。
- 1.約束を守る。
- 2.害を回避する。
- 3.自己決定を尊重する。
- 4.公平な資源の配分を行う。
対話形式の解説
博士
今日は医療倫理の4原則のうち「正義」についてじゃ。
サクラ
正義というと善悪の判断のようなイメージがあります。
博士
医療倫理での「正義」は少し違って、公平な資源配分を意味するのじゃ。
サクラ
たとえばどんな場面ですか?
博士
トリアージで重症度に応じて治療順位を決めることや、臓器移植の優先順位決定などじゃ。
サクラ
限られた医療資源をどう分けるかという視点ですね。
博士
その通り。他の3原則も確認しておこう。自律尊重、無危害、善行じゃ。
サクラ
自律尊重は患者の自己決定、無危害は害を与えないことですね。
博士
善行は患者の最善の利益を図ることじゃ。
サクラ
「約束を守る」というのはどこに入りますか?
博士
フライが加えた看護倫理の「誠実・忠誠」に該当するぞ。
サクラ
選択肢ごとにどの原則か答えられるようにしておきます。
博士
うむ。臨床現場では複数の原則が対立する「倫理的ジレンマ」も頻発するのじゃ。
サクラ
その場合はどうするのですか?
博士
カンファレンスで多職種協議し、患者の最善を探るのが基本じゃ。
サクラ
看護師には倫理的判断力が欠かせないのですね。
POINT
医療倫理4原則の「正義」は公平な資源配分を意味します。自律尊重、無危害、善行と並ぶ生命倫理の基本原則で、看護倫理ではさらにフライの「誠実・忠誠」が加わります。選択肢1は誠実・忠誠、2は無危害、3は自律尊重に該当し、各原則を明確に区別することが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:倫理原則の「正義」はどれか。
解説:正解は 4 です。ビーチャムとチルドレスの生命倫理4原則のうち「正義」は、医療資源や負担を公平に配分することを意味します。すべての患者を差別せず、ニーズに応じて等しく扱い、限られた資源を適正に分配する原則です。
選択肢考察
-
× 1. 約束を守る。
看護倫理の「誠実・忠誠(フィデリティ)」の原則に該当します。患者との約束や信頼関係を守ることです。
-
× 2. 害を回避する。
「無危害」の原則です。患者に身体的・精神的害を与えないよう努めることを指します。
-
× 3. 自己決定を尊重する。
「自律尊重」の原則です。インフォームド・コンセントの基盤となる考え方です。
-
○ 4. 公平な資源の配分を行う。
「正義」の原則そのものです。医療資源・負担・リスクを公平に分配することが求められます。
ビーチャム&チルドレスの生命倫理4原則は「自律尊重」「無危害」「善行」「正義」です。これにフライが看護倫理として「誠実・忠誠」を加えたものがよく看護教育で用いられます。正義の原則はトリアージ、臓器移植の優先順位、医療費の配分など医療政策レベルでも重要になります。
倫理4原則の「正義」は公平な資源配分。自律尊重・無危害・善行との違いを整理しましょう。
「看護における倫理と法律」の関連記事
-
保助看法に何が書かれているか—看護職の根幹法令を読み解く
看護関連法規の役割分担を問う問題。保助看法は「資格・免許・業務」、人材確保法は「離職届出・ナースセンター」と…
114回
-
労働安全衛生法に規定されているのはどれか
労働安全衛生法の目的と主な規定内容(特に健康診断)を、他の労働関係法令と区別して理解しているかを問う問題です。
113回
-
身体拘束ゼロの手引き、禁止行為はどれ
身体拘束の具体的な禁止行為を正確に理解し、福祉用具や予防的工夫との違いを判別できるかを問う問題です。
113回
-
業務従事者届の提出先をおさえる
保健師助産師看護師法第33条に規定された業務従事者届の提出先と提出頻度を問う必修問題です。
113回
-
看護師の守秘義務—保助看法第42条の2を読み解く
看護師の守秘義務の根拠法を問う必修問題。『保助看法第42条の2』を押さえ、助産師は刑法第134条で規定される違いに…
112回