随意筋と不随意筋
看護師国家試験 第105回 午後 第11問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
不随意筋はどれか。
- 1.心筋
- 2.僧帽筋
- 3.大殿筋
- 4.ヒラメ筋
対話形式の解説
博士
今日は筋肉の分類に関する問題じゃ。解剖生理の基礎じゃぞ。
サクラ
随意筋と不随意筋の違いは何ですか?
博士
自分の意思で動かせるかどうかじゃ。随意筋は意識的に動かせる筋で体性神経支配、不随意筋は意思と無関係に動く筋で自律神経支配じゃ。
サクラ
骨格筋、心筋、平滑筋の3種類があるんですよね。
博士
そうじゃ。骨格筋=横紋筋・随意筋、心筋=横紋筋・不随意筋、平滑筋=横紋のない筋・不随意筋、と整理できる。
サクラ
選択肢を見ると正解は1の心筋ですね。
博士
正解じゃ。心筋は横紋構造を持ちながら自律神経支配の不随意筋という特殊な位置づけにある。
サクラ
心筋が自動的に動くのはなぜですか?
博士
心筋には固有の刺激伝導系がある。洞房結節が自動的に電気刺激を発生し、房室結節→ヒス束→プルキンエ線維と伝わって心臓全体を収縮させる。自律神経はペースを調節するのみで、止まっても心臓は動き続けるのじゃ。
サクラ
2の僧帽筋はどんな筋ですか?
博士
後頭部から肩甲骨・胸椎にかけて広がる骨格筋で、副神経と頚神経叢の枝が支配する。肩甲骨の挙上や回旋、頚部の後屈を担う随意筋じゃ。
サクラ
3の大殿筋は?
博士
お尻の最大筋で、下殿神経支配の随意筋。股関節伸展と外旋を担い、立ち上がりや階段昇降で重要じゃ。
サクラ
4のヒラメ筋は?
博士
下腿後面の深層筋で、腓腹筋と合わせて下腿三頭筋を構成する。脛骨神経支配の随意筋で、足関節の底屈と立位保持の抗重力筋じゃ。
サクラ
平滑筋はどんな場所にありますか?
博士
消化管の壁、血管壁、気管支、膀胱、子宮など内臓の壁に広く分布する不随意筋じゃ。蠕動運動や血管収縮を担う。
サクラ
骨格筋と心筋はどちらも横紋筋ですが、構造の違いは?
博士
骨格筋は多核で細胞境界が明瞭、心筋は単核または二核で介在板(インターカレイテッドディスク)で連結され機能的合胞体を作る。これが心臓の協調的収縮を可能にする。
サクラ
心筋梗塞で心筋細胞は再生しますか?
博士
心筋は再生能力がほぼなく、梗塞部位は線維化して瘢痕となる。これが心不全の原因となるのじゃ。近年は幹細胞治療などの再生医療研究も進んでおる。
POINT
不随意筋は心筋と平滑筋で、自律神経支配により意思と無関係に動きます。僧帽筋、大殿筋、ヒラメ筋はいずれも体性神経支配の骨格筋=随意筋です。心筋は横紋構造を持ちつつ不随意筋という特殊な位置づけで、刺激伝導系により自動的に拍動します。筋組織の分類は解剖生理の基本で、国試頻出項目です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:不随意筋はどれか。
解説:正解は 1 です。筋肉は随意性で分類すると、自分の意思で動かせる随意筋(骨格筋)と、意思とは無関係に動く不随意筋(心筋・平滑筋)に分けられます。心筋は横紋構造を持ちますが自律神経と固有の刺激伝導系で自動的に拍動する不随意筋です。僧帽筋、大殿筋、ヒラメ筋はいずれも骨格筋で、自分の意思で収縮させられる随意筋です。
選択肢考察
-
○ 1. 心筋
心筋は横紋筋ですが自律神経支配で意思とは無関係に拍動する不随意筋で、これが正答です。
-
× 2. 僧帽筋
僧帽筋は後頸部から肩甲骨にかけての骨格筋で、副神経と頚神経支配の随意筋です。
-
× 3. 大殿筋
大殿筋は殿部最大の骨格筋で、下殿神経支配の随意筋。股関節の伸展・外旋を担います。
-
× 4. ヒラメ筋
ヒラメ筋は下腿後面の骨格筋で、脛骨神経支配の随意筋。足関節底屈を担います。
筋組織は組織学的に3種類に分類されます。(1)骨格筋=横紋筋・随意筋・体性神経支配、(2)心筋=横紋筋・不随意筋・自律神経支配(介在板による合胞体構造が特徴)、(3)平滑筋=消化管・血管・気道・膀胱・子宮など内臓壁の筋、不随意筋、自律神経支配。心筋の自動能は洞房結節を起点とする刺激伝導系(洞房結節→房室結節→ヒス束→プルキンエ線維)によります。不随意筋のキーワード『意思とは無関係に動く=心筋と平滑筋』を覚えましょう。
筋組織の分類(骨格筋・心筋・平滑筋)と随意/不随意の対応を理解しているかを問う必修問題です。
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