眼を動かす神経はどれ?外眼筋と脳神経の対応を一気に整理
看護師国家試験 第114回 午前 第11問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
眼球運動を行う神経はどれか。
- 1.視神経
- 2.外転神経
- 3.顔面神経
- 4.三叉神経
対話形式の解説
博士
今日は眼球を動かす神経の話じゃ。脳神経は12対あるが、眼球運動に関わるのはそのうち3本だけなのじゃ。
サクラ
えっ、3本だけなんですか?視神経も関係していそうですけど…。
博士
視神経は「見る」ための感覚神経じゃから、眼球を動かす運動には関わらないのじゃよ。動眼神経・滑車神経・外転神経の3本が外眼筋を動かしておる。
サクラ
外眼筋って6つありますよね。3本の神経でどう分担しているんですか?
博士
良い着眼じゃ。外直筋は外転神経、上斜筋は滑車神経、残りの4つの筋肉(上直筋・下直筋・内直筋・下斜筋)はぜんぶ動眼神経が担当しておる。
サクラ
覚え方ってありますか?
博士
「LR6 SO4 残り3」という有名な語呂があるぞ。Lateral Rectus(外直筋)は第6脳神経、Superior Oblique(上斜筋)は第4脳神経、その他は第3脳神経という意味じゃ。
サクラ
なるほど!外転神経は外直筋を動かすんですね。麻痺するとどうなるんですか?
博士
外転神経が麻痺すると、患側の眼が外に動かせず内側に寄ってしまう。これを内斜視と呼び、患者は物が二重に見える複視を訴えるのじゃ。
サクラ
外転神経って頭蓋内をすごく長く走るって聞いたことがあります。
博士
その通り。橋から出て海綿静脈洞を経て眼窩に達するまでの走行が長いため、頭蓋内圧亢進や脳腫瘍の影響を受けやすい。臨床では「頭蓋内圧亢進の徴候」として外転神経麻痺がよく登場するのじゃ。
サクラ
他の眼球運動神経の麻痺はどんな症状が出るんですか?
博士
動眼神経麻痺では眼瞼下垂・瞳孔散大・眼球が外下方を向いてしまう。滑車神経麻痺では下を見たときに複視が出るのが特徴じゃな。
サクラ
看護の場面では、こういう神経症状をどう観察するんですか?
博士
眼球運動の評価は意識レベル評価とセットで行うことが多い。指を上下左右・斜めに動かして患者に追視してもらい、左右差や複視の有無を確認するのじゃ。脳血管障害や頭部外傷の早期発見にもつながる重要な観察項目じゃよ。
POINT
眼球運動を司る脳神経は動眼神経・滑車神経・外転神経の3本で、なかでも外転神経は外直筋を支配して眼球を外側に動かす役割を持ちます。視神経は視覚情報を伝える感覚神経、顔面神経は表情筋、三叉神経は顔面感覚と咀嚼を司るため、いずれも眼球運動には関与しません。外転神経は頭蓋内を長く走行する解剖学的特徴から、頭蓋内圧亢進や外傷で障害を受けやすく、内斜視と複視を呈する代表的な脳神経麻痺として臨床上も重要です。看護師は意識障害患者の観察において眼球運動の左右差や瞳孔所見を評価し、神経学的変化を早期に捉える視点が求められます。脳神経の支配筋と機能をセットで覚えることが国家試験対策の基本となります。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:眼球運動を行う神経はどれか。
解説:正解は 2 の外転神経です。眼球運動を担う脳神経は、動眼神経(Ⅲ)・滑車神経(Ⅳ)・外転神経(Ⅵ)の3本で、これらが協調して6つの外眼筋を動かしています。外転神経は外直筋を支配し、眼球を外側(耳側)へ動かす働きを持ちます。橋にある核から出て、頭蓋内を長く走行するため、頭蓋内圧亢進などで麻痺を起こしやすい神経としても知られています。
選択肢考察
-
× 1. 視神経
視神経(Ⅱ)は網膜で受けた光情報を大脳の視覚野へ伝える感覚神経で、眼球そのものを動かす運動神経ではない。
-
○ 2. 外転神経
外転神経(Ⅵ)は外直筋を支配し、眼球を外側へ動かす。麻痺すると患側の眼球が内側に偏位し、複視が生じる。
-
× 3. 顔面神経
顔面神経(Ⅶ)は表情筋を支配し、涙腺・唾液腺の分泌や舌前2/3の味覚にも関わるが、眼球運動は司らない。
-
× 4. 三叉神経
三叉神経(Ⅴ)は顔面の感覚と咀嚼筋運動を担う混合神経で、眼神経枝も角膜知覚に関わるが眼球運動には関与しない。
外眼筋と支配神経の対応は、外直筋=外転神経、上斜筋=滑車神経、それ以外の4筋(上直筋・下直筋・内直筋・下斜筋)=動眼神経と整理できる。語呂合わせ「LR6 SO4 残りは3」で覚えると忘れにくい。動眼神経麻痺では眼瞼下垂と瞳孔散大、外転神経麻痺では内斜視と複視、滑車神経麻痺では下方視時の複視が特徴的である。
12対ある脳神経のうち、眼球運動に関わるのは動眼・滑車・外転の3本のみ、という基本知識を確認する問題。
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