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与薬ミスを防げ!ネームバンド確認が鉄則な理由

看護師国家試験 第106回 午後 第7問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第7問

入院患者の与薬時に誤認を防止するために確認するのは患者の名前とどれか。

  1. 1.診察券
  2. 2.お薬手帳
  3. 3.健康保険証
  4. 4.ネームバンド

対話形式の解説

博士 博士

今回は医療安全、特に与薬時の患者誤認防止についてじゃ。病院で与薬する際、どうやって患者さんを確認しておると思う?

サクラ サクラ

えーと…名前を呼んで返事してもらうとか?

博士 博士

それも一部は正しいが、実は「返事」だけでは危ういのじゃ。難聴の高齢者や傾眠傾向の患者さんが、うっかり違う名前に反応することがあるからのう。

サクラ サクラ

確かに…同姓の人と間違えそうです。

博士 博士

そこで物的な照合手段として最も確実なのがネームバンド(リストバンド)じゃ。入院時に手首に装着し、氏名・ID・生年月日・バーコードが印字されておるのが一般的じゃ。

サクラ サクラ

じゃあ選択肢4が正解ですね!他の選択肢はどうしてダメなんですか?

博士 博士

診察券は外来受付用で、入院中はそもそも持っていないことが多い。お薬手帳は薬歴把握には有用じゃが、直前の本人確認ツールとしては弱い。健康保険証も通常は病院で預かるか自宅にあるため即時照合できぬ。

サクラ サクラ

なるほど、入院中に「常に体についているかどうか」が決め手なんですね。

博士 博士

その通り!意識障害や認知症、乳幼児で名乗れない患者さんでも確実に確認できる、ここがネームバンドの最大の強みじゃ。

サクラ サクラ

与薬時の確認って、他にも何か基本原則があるんですか?

博士 博士

「6R」と呼ばれるチェックが基本じゃ。Right patient(正しい患者)、Right drug(薬)、Right dose(用量)、Right route(経路)、Right time(時間)、Right purpose/documentation(目的・記録)の6つじゃよ。

サクラ サクラ

そのRight patientをネームバンドで確認するんですね。

博士 博士

うむ。さらに、患者さん本人にフルネームを名乗ってもらう「自己申告」と、ネームバンドや薬剤ラベルとの「三者照合」が推奨される。最近はバーコードをPDAで読み取る電子認証も普及しておる。

サクラ サクラ

名乗ってもらうのは、なぜ「○○さんですね?」じゃダメなんですか?

博士 博士

良い質問じゃ。「○○さんですね?」と聞くと、患者さんは傾聴・返事しがちで、違っても「はい」と答えてしまう。オープンクエスチョン形式で「お名前を教えてください」と聞くのが鉄則じゃ。

サクラ サクラ

なるほど!会話の仕方まで設計されているんですね。

博士 博士

そうじゃ。医療安全は一つの手段に頼らず、複数のバリアで事故を防ぐ「スイスチーズモデル」の考え方が重要なのじゃ。

サクラ サクラ

万が一ミスしたらどうなりますか?

博士 博士

患者誤認による投薬事故はインシデント・アクシデントとして報告し、組織として再発防止策を検討する。ヒヤリ・ハット報告を積み重ねて仕組みを改善していくのが医療安全管理の基本じゃ。

サクラ サクラ

看護師一人の注意だけじゃなくて、システムとして守る発想が大事なんですね。

博士 博士

その通り!ネームバンド照合は、そのシステム防御の最前線じゃ。

サクラ サクラ

ネームバンド=入院中の本人確認の基本、覚えました!

POINT

入院患者の与薬時における患者誤認防止の基本的な物的確認手段はネームバンド(リストバンド)です。ネームバンドは入院時に装着され、氏名・ID・バーコードなどが印字されており、意識障害や認知症の患者でも確実に本人確認が可能です。診察券・お薬手帳・健康保険証は入院中に常時携帯されているとは限らず、与薬時の即時確認手段としては不適切です。実臨床では、患者にフルネームを名乗ってもらう自己申告とネームバンド・薬剤ラベルの照合を組み合わせ、「6R」に沿った複数バリアでの安全確認が推奨されます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:入院患者の与薬時に誤認を防止するために確認するのは患者の名前とどれか。

解説:正解は 4 です。入院患者の与薬時に患者誤認を防ぐために照合する物的手段として最も確実なのはネームバンド(リストバンド)です。ネームバンドは入院時に装着し、氏名・ID・生年月日などがバーコードで印字されることが多く、患者自身が意識障害や乳幼児・認知症などで名乗れない場合にも本人確認が可能です。与薬の際は、患者自身にフルネームを名乗ってもらう、ネームバンドと薬剤ラベルを照合する、可能ならバーコード認証を行うという複数の手段を組み合わせるのが標準的な安全管理です。

選択肢考察

  1. × 1.  診察券

    診察券は外来での受付確認用で、入院中は基本的に携帯しておらず、与薬時の本人確認手段として適さない。

  2. × 2.  お薬手帳

    お薬手帳は内服歴や薬歴の把握に役立つ情報源だが、個人情報保護の観点でベッドサイドに常備されているとは限らず、与薬直前の本人確認には不適切。

  3. × 3.  健康保険証

    健康保険証は入院時に病院で預かるか、自宅保管のことが多く、ベッドサイドでの即時照合に使える物的手段とは言えない。

  4. 4.  ネームバンド

    患者本人に常時装着されているため、意識レベルや認知機能に関わらず本人確認が可能で、与薬時の誤認防止の基本的な照合ツール。

医療安全の観点から、与薬時には「6R」(Right patient, Right drug, Right dose, Right route, Right time, Right purposeまたはRight documentation)の確認が原則。患者誤認防止のためには、①患者自身にフルネームと生年月日を名乗ってもらう、②ネームバンドを確認する、③薬剤ラベルと指示書を照合する、④可能ならバーコード認証(PDA)を用いる、の複数方法を組み合わせる。同姓同名・類似名・同室患者の取り違えはよくあるインシデント要因。患者を呼んで返答させるだけでは、難聴や傾眠で誤って返事をしてしまう危険があるため、オープンクエスチョン(「お名前を教えてください」)で名乗ってもらうのが基本。

患者誤認防止の基本的な物的手段を問う必修問題。「入院中は常時装着されているネームバンドが最も確実」が覚え方。