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手指衛生の基本をおさらいしよう

看護師国家試験 第110回 午前 第21問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

110回 午前 第21問

感染予防のための手指衛生で正しいのはどれか。

  1. 1.石けんは十分に泡立てる。
  2. 2.洗面器に溜めた水で洗う。
  3. 3.水分を拭きとるタオルを共用にする。
  4. 4.塗布したアルコール消毒液は紙で拭き取る。

対話形式の解説

博士 博士

今日は感染予防の基本中の基本、手指衛生についてじゃ。

サクラ サクラ

はい、よろしくお願いします。石けんで洗うだけじゃダメなんですか?

博士 博士

もちろん洗うのじゃが、大切なのは石けんを十分に泡立てることじゃ。

サクラ サクラ

泡立てるとなぜ良いのでしょうか?

博士 博士

泡が皮膚のしわや指の間まで入り込み、汚れと菌を包み込んでくれるからじゃよ。

サクラ サクラ

なるほど、接触面積が広がるんですね。洗面器に溜めた水ではどうでしょう?

博士 博士

それはいかん。水の中に落とした汚れや菌がそのまま残るから、必ず流水で洗うのじゃ。

サクラ サクラ

拭き取りのタオルを共用するのは?

博士 博士

論外じゃ。ペーパータオルを1人1回使って捨てるのが標準じゃよ。

サクラ サクラ

アルコール消毒液を拭き取るのはどうですか?

博士 博士

それも間違いじゃ。アルコールは揮発しながら菌を殺すから、自然乾燥するまで擦り込むのじゃ。

サクラ サクラ

接触時間が大事なんですね、よくわかりました。

博士 博士

WHOの「5つのタイミング」もセットで覚えておくと応用が効くぞ。

POINT

衛生的手洗いの正解は、石けんを十分に泡立てて洗うことです。流水ですすぎ、使い捨てのペーパータオルで水分を拭き取るまでが一連の手順として重要です。アルコール消毒薬は拭き取らず自然乾燥させることで殺菌効果を発揮します。これらの基本を徹底することが院内感染予防の第一歩となります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:感染予防のための手指衛生で正しいのはどれか。

解説:正解は1です。衛生的手洗いでは、石けんを十分に泡立てることで泡が皮膚のしわや指間の隙間にまで入り込み、付着した汚れや通過菌を効果的に除去できます。流水で十分にすすぎ、使い捨てのペーパータオルで水分を拭き取ることまでがワンセットです。

選択肢考察

  1. 1.  石けんは十分に泡立てる。

    泡は界面活性作用により皮膚に付着した皮脂や一過性菌を包み込みやすくなります。十分な泡立てによって接触面積が広がり、手の細部まで洗浄成分が行き渡るため、衛生的手洗いの基本動作として正しい対応です。

  2. × 2.  洗面器に溜めた水で洗う。

    溜めた水では落とした汚れや菌が水中に残り続け、かえって再汚染の原因となります。手指衛生は必ず流水下で行い、洗浄剤と汚れを速やかに洗い流すことが原則です。

  3. × 3.  水分を拭きとるタオルを共用にする。

    布タオルの共用は水分を介して病原体を他者に伝播させる経路となります。医療現場では使い切りのペーパータオルを用い、1人1回使用後に廃棄するのが標準です。

  4. × 4.  塗布したアルコール消毒液は紙で拭き取る。

    アルコール系手指消毒薬は揮発しながら微生物の蛋白を変性させて効果を発揮します。途中で拭き取ると接触時間が不足し殺菌効果が得られないため、自然乾燥するまで擦り込むのが正しい使用法です。

衛生的手洗いの目的は一過性菌の除去であり、黄色ブドウ球菌や大腸菌など外部から付着した菌を洗い流すことです。一方、手術時手洗いでは常在菌まで減らすことを目指します。WHO推奨の「手指衛生の5つのタイミング」(患者接触前後、清潔・無菌操作前、体液曝露後、患者環境接触後)も押さえておきましょう。

衛生的手洗いと擦式アルコール消毒の基本手技を問う問題です。泡立て・流水・使い捨て乾燥・自然乾燥という原則を理解しているかがポイントになります。