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オートクレーブの正体を見抜く!高圧蒸気滅菌の基礎

看護師国家試験 第112回 午前 第21問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

112回 午前 第21問

オートクレーブによる滅菌法はどれか。

  1. 1.酸化エチレンガス滅菌
  2. 2.高圧蒸気滅菌
  3. 3.放射線滅菌
  4. 4.乾熱滅菌

対話形式の解説

博士 博士

今日はオートクレーブによる滅菌について学ぶぞ。病棟でもよく耳にする言葉じゃな。

サクラ サクラ

オートクレーブって、中身がよく見えない金属の箱みたいな機械ですよね。あれは何をしているんですか?

博士 博士

あれは高圧蒸気滅菌器のことじゃ。耐圧容器の中に飽和水蒸気を送り込み、121℃前後・約2気圧の環境をつくって、15〜20分ほどで芽胞まで死滅させるのじゃよ。

サクラ サクラ

普通のお湯で煮るよりずっと強力なんですね。

博士 博士

うむ。大気圧下では水は100℃までしか上がらんが、圧力をかけると100℃を超える水蒸気がつくれる。湿熱は乾熱よりもタンパク質変性効率が高いので、短時間で確実に滅菌できるのじゃ。

サクラ サクラ

ほかの選択肢にあった酸化エチレンガス滅菌や放射線滅菌とはどう使い分けるんですか?

博士 博士

酸化エチレン(EOG)は低温で滅菌できるので、熱に弱いプラスチック製品や内視鏡に使う。放射線はガンマ線や電子線で、大量生産されるディスポ製品の工業滅菌に向いておる。乾熱滅菌はガラス器具や油脂など水蒸気が不向きな物に用いるのう。

サクラ サクラ

なるほど、材質に合わせて方法を選ぶんですね。

博士 博士

その通り。耐熱性・耐圧性があれば高圧蒸気滅菌が第一選択。これは『確実・安価・残留物なし』という強みがあるからじゃ。

サクラ サクラ

注意点はありますか?

博士 博士

鋭利な刃物や精密機器は蒸気による腐食や劣化が起こり得るし、軟化するプラスチック類も不適じゃ。あと滅菌後はインジケーターで成否を確認するのが看護の基本じゃな。

サクラ サクラ

生物学的インジケーターとケミカルインジケーターってあるんですよね。

博士 博士

ケミカルは色変化で簡便、バイオロジカルは芽胞の発育で確実に判定する。両方併用して安全性を担保しておる。

サクラ サクラ

滅菌と消毒の違いもよく混同します。

博士 博士

滅菌は『すべての微生物を死滅』、消毒は『病原性のあるものを減らす』じゃ。手術器材は滅菌、ベッド柵は清拭消毒といった使い分けになるな。

POINT

オートクレーブとは高圧蒸気滅菌器のことで、飽和水蒸気を利用して高温高圧環境をつくり、短時間で芽胞を含むあらゆる微生物を死滅させる滅菌方法です。金属器具やリネンなど耐熱・耐圧性の材質に対して第一選択となり、確実性が高く残留毒性がない点が臨床的な利点です。熱に弱い素材にはEOGガス滅菌や過酸化水素プラズマ滅菌、工業的には放射線滅菌、ガラス器具などには乾熱滅菌と、材質と用途で滅菌方法を使い分けることが重要です。看護師は滅菌後のインジケーター確認や有効期限管理など、滅菌物の安全な運用にも責任を持つことを押さえておきましょう。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:オートクレーブによる滅菌法はどれか。

解説:正解は 2 です。オートクレーブとは高圧蒸気滅菌器のことを指し、耐圧性の容器内に飽和水蒸気を発生させて高温高圧(概ね121℃・2気圧前後)の状態をつくり、15〜20分程度の処理で内部の微生物や芽胞までを死滅させる滅菌方法である。確実性が高く残留物もないため、金属器具、リネン、ガラス製品、耐熱性のシリコン製品など高温高圧に耐える材質に対して第一選択となる。

選択肢考察

  1. × 1.  酸化エチレンガス滅菌

    酸化エチレンガス(EOG)の化学反応を利用する低温滅菌法であり、プラスチック製チューブ類や内視鏡など熱に弱い器材に用いる。ガスに残留毒性があるため十分なエアレーションが必要で、オートクレーブとは別の方式である。

  2. 2.  高圧蒸気滅菌

    オートクレーブの正式名称が高圧蒸気滅菌器である。飽和蒸気による湿熱で芽胞まで確実に滅菌できるため、耐熱・耐圧性のある医療器材の滅菌に広く用いられる。

  3. × 3.  放射線滅菌

    ガンマ線や電子線を照射して微生物のDNAを破壊する工業的な滅菌法。密封包装されたディスポーザブル製品などで用いられ、医療機関の現場でのオートクレーブ処理とは異なる。

  4. × 4.  乾熱滅菌

    乾熱滅菌器で160〜180℃の乾燥空気を30〜120分かけて循環させる方法。ガラス器具や油脂、粉末など水蒸気が適さない物品に用い、湿熱で行うオートクレーブとは原理が異なる。

滅菌は対象物のあらゆる微生物(芽胞やウイルスを含む)を死滅・除去する工程であり、消毒より厳格な処理である。選択は材質の耐熱性・耐圧性・耐湿性を踏まえて行い、耐えられれば高圧蒸気滅菌、耐熱性がなければEOGや過酸化水素低温プラズマ滅菌を用いる。オートクレーブ使用時はインジケーターで滅菌の成否を確認する点も臨床実習で問われやすい。

オートクレーブ=高圧蒸気滅菌器であるという用語の対応関係を問う基本問題。各滅菌法の原理と適応材質をセットで覚えることがポイント。