血液検査と採血管の使い分け
看護師国家試験 第103回 午後 第80問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
血液検査で抗凝固剤が入っている採血管を使用するのはどれか。
- 1.血球数
- 2.電解質
- 3.中性脂肪
- 4.梅毒抗体
- 5.交差適合試験
対話形式の解説
博士
今日は採血管の話じゃ。検査項目によって使う採血管が違うのは知っておるかの?
アユム
はい、色がいろいろあるのは知っていますが、覚え方が難しくて…。
博士
まずは抗凝固剤入りか凝固促進剤入りかという大きな分類から覚えるとよい。本問はその基本を問うておる。
アユム
選択肢1の「血球数」が正解ですね。なぜ抗凝固剤が必要なんですか?
博士
血球数、つまりCBCは赤血球・白血球・血小板の数や血色素を測定する。全血のまま血球を数える必要があるから、自然凝固で血球同士がくっつくと正確な計数ができん。だからEDTA-2K入りの紫色キャップ管を使うんじゃ。
アユム
選択肢2の「電解質」はどうですか?
博士
電解質、つまりNa・K・Clなどは血清成分を測定する。だから血液を凝固させて血清を分離する必要があり、凝固促進剤入りの管を使う。抗凝固剤は使わんのじゃ。
アユム
選択肢3の「中性脂肪」も同じですか?
博士
そうじゃ。中性脂肪は血清の生化学検査じゃから凝固促進剤入りの管を使う。
アユム
選択肢4の「梅毒抗体」は?
博士
これも血清を使う検査じゃ。抗体は血清成分にあるから凝固促進剤入りの管で採取する。
アユム
選択肢5の「交差適合試験」はどうでしょう?
博士
これは輸血の安全性を確認する検査で、患者血清と供血者血球を反応させて凝集の有無を見る。抗凝固剤が入っていると反応が正しく観察できんから、プレーン管または専用管を使うんじゃ。
アユム
血液型検査と交差適合試験で採血管が違うこともあるんですか?
博士
ABO・Rh血液型検査は抗凝固剤入り(EDTA)を使うが、交差適合試験は別じゃ。これは病院ごとのプロトコルに従うのが基本じゃ。
アユム
採血管の色って何種類くらいあるんですか?
博士
主なものは紫(EDTA:血算)、黒・水色(クエン酸Na:凝固・赤沈)、緑(ヘパリン:血液ガス)、灰色(フッ化Na:血糖)、赤・茶(凝固促進剤:生化学)じゃ。これに採血順序のルールも加わる。
アユム
採血順序ですか?
博士
血液培養→凝固検査用→血清用→ヘパリン管→EDTA管→解糖阻止剤入り管の順が標準じゃ。抗凝固剤の混入を防ぐためじゃのう。
アユム
奥が深いですね。実習で見てきた採血の意味がよく分かりました。
博士
看護師は採血技術だけでなく、検査の原理を理解することで患者ケアの質を高めることができるんじゃ。
POINT
血球数検査は全血のまま血球を計数する必要があるためEDTA-2K入りの抗凝固剤入り採血管を使用します。電解質、中性脂肪、梅毒抗体は血清で測定するため凝固促進剤入り、交差適合試験は凝集反応を見るため抗凝固剤を使わない管を使用します。採血管の色と検査項目の対応、採血順序の原則を理解することが安全で正確な検査の基本となります。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:血液検査で抗凝固剤が入っている採血管を使用するのはどれか。
解説:正解は 1 です。血球数検査では赤血球・白血球・血小板を全血のまま測定する必要があり、自然凝固を防ぐために抗凝固剤(EDTA-2K)入りの採血管(紫色キャップ)を使用します。血液が凝固すると血球同士が結びつき正確な計数ができなくなるため、抗凝固剤による凝固阻止が必須です。
選択肢考察
-
○ 1. 血球数
血球数(CBC)測定にはEDTA-2K入り採血管(紫色キャップ)を使用し、全血のまま血球を計数します。
-
× 2. 電解質
電解質は血清で測定するため凝固促進剤入り採血管(茶色など)を使用し、抗凝固剤は使いません。
-
× 3. 中性脂肪
中性脂肪も血清成分の検査のため凝固促進剤入り採血管を使用します。
-
× 4. 梅毒抗体
梅毒抗体検査は血清を用いるため凝固促進剤入り採血管を使用します。
-
× 5. 交差適合試験
交差適合試験は血球と血清の凝集反応を見るため、抗凝固剤の入っていないプレーン管または専用管を使用します。
採血管の色とその用途は国試頻出です。紫(EDTA:血算)、黒・水色(クエン酸Na:凝固検査・赤沈)、緑(ヘパリン:血液ガス・染色体)、灰色(フッ化Na:血糖)、赤・茶(凝固促進剤:生化学・血清検査)が代表的です。採血順序や転倒混和の必要性も合わせて覚えましょう。
採血管の種類と検査項目との対応、特に抗凝固剤の使い分けを問う問題です。
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