膀胱留置カテーテル挿入中のシャワー浴ケア
看護師国家試験 第103回 午後 第85問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
膀胱留置カテーテル挿入中のシャワー浴について適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1.実施前に蓄尿バッグを空にする。
- 2.シャワー中はカテーテルを閉鎖する。
- 3.蓄尿バッグは腰より高い位置にかける。
- 4.終了後は挿入部をエタノールで消毒する。
- 5.終了後はカテーテルを固定するテープの位置を変える。
対話形式の解説
博士
今日は膀胱留置カテーテル中のシャワー浴の注意点を確認するぞ。なぜシャワー浴前に蓄尿バッグを空にすると思うかな。
サクラ
バッグが重いとカテーテルが引っ張られそうですね。
博士
その通り。重みで誤抜去のリスクが高まるし、移動中に尿が逆流して感染源になることもあるんじゃ。
サクラ
この問題で適切な選択肢はどれですか。
博士
正解は1の実施前に蓄尿バッグを空にすると、5の終了後にテープの位置を変えるの2つじゃ。
サクラ
テープの位置を変えるのはなぜですか。
博士
同じ部位に貼り続けるとテープかぶれや表皮剥離など皮膚トラブルが起こる。貼り替える際は位置を少しずらして皮膚を休ませるんじゃよ。
サクラ
選択肢2のシャワー中にカテーテルを閉鎖は違うんですね。
博士
浴槽入浴では逆流防止のためクランプすることもあるが、シャワー浴では閉鎖の必要はない。むしろ尿の流出を保つ方が望ましい。
サクラ
蓄尿バッグの位置はどうしますか。
博士
必ず膀胱より低い位置に保つ。腰より高くすると尿が逆流し、上行性尿路感染を起こす危険があるんじゃ。
サクラ
終了後にエタノール消毒はだめなんですね。
博士
エタノールは粘膜への刺激が強く、ルーチン使用は推奨されない。石鹸と微温湯で優しく洗い流せば十分じゃ。
サクラ
CAUTI予防のポイントを教えてください。
博士
閉鎖式回路の維持、バッグは膀胱より低位、清潔保持、不要時は早期抜去がカテーテル関連尿路感染予防の基本じゃ。
サクラ
ケアの根拠が明確になりました。
POINT
膀胱留置カテーテル挿入中のシャワー浴では、蓄尿バッグを事前に空にして誤抜去や逆流を防ぎ、終了後は固定テープの位置を変えて皮膚障害を予防します。バッグは常に膀胱より低位に保ち、消毒はエタノールではなく石鹸洗浄が基本です。閉鎖式回路を維持し感染予防に努めることが重要です。
解答・解説
正解は 1 ・ 5 です
問題文:膀胱留置カテーテル挿入中のシャワー浴について適切なのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 1 と 5 です。シャワー浴前に蓄尿バッグを空にすることで重みによるカテーテルの牽引や誤抜去、尿の逆流を防げます。また、固定テープの位置を毎回変えることで、同一部位への持続刺激による皮膚障害(テープかぶれ・表皮剥離)を予防できます。
選択肢考察
-
○ 1. 実施前に蓄尿バッグを空にする。
蓄尿バッグの重みでカテーテルが牽引され誤抜去や逆流の原因となるため、シャワー浴前に空にすることは適切です。
-
× 2. シャワー中はカテーテルを閉鎖する。
浴槽入浴時は逆流防止のためクランプすることがありますが、シャワー浴では尿の流出を妨げない方が感染予防上望ましいため閉鎖は不要です。
-
× 3. 蓄尿バッグは腰より高い位置にかける。
膀胱より高い位置にすると尿の逆流が起こり、上行性尿路感染のリスクが高まります。常に膀胱より低い位置に保ちます。
-
× 4. 終了後は挿入部をエタノールで消毒する。
エタノールは粘膜・皮膚への刺激が強く、ルーチンの消毒は不要です。石鹸と微温湯で陰部を洗浄し清潔を保つのが基本です。
-
○ 5. 終了後はカテーテルを固定するテープの位置を変える。
同一部位への固定はテープかぶれや皮膚剥離を起こすため、テープを貼り替える際は位置を変えて皮膚障害を予防します。
カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)予防の要点は『閉鎖式回路を維持』『蓄尿バッグは膀胱より低位』『不要な開放・採尿口への接触を避ける』『陰部清潔』『早期抜去』の5点。男性は下腹部、女性は大腿内側に固定するのが一般的です。
膀胱留置カテーテル挿入中の清潔ケア(シャワー浴)における逆流予防・誤抜去予防・皮膚障害予防の原則を理解しているかを問う問題です。
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