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巻軸包帯の基本を押さえよう

看護師国家試験 第105回 午後 第83問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第83問

前腕の内側中央部に創部がある患者で、創部のガーゼがずれないよう固定をする必要がある。 伸縮性のある巻軸包帯を使う場合に適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.創の部位から巻き始める。
  2. 2.包帯を伸ばした状態で巻く。
  3. 3.前腕部の巻き方は螺旋帯とする。
  4. 4.手関節から肘関節まで巻く。
  5. 5.巻き終わりは環行帯とする。

対話形式の解説

博士 博士

第105回午後202は前腕内側中央部の創部を伸縮性の巻軸包帯で固定する問題じゃ。

サクラ サクラ

博士、包帯ってどこから巻けばよいのでしたか。

博士 博士

原則は末梢から中枢へ。静脈還流を妨げず浮腫や鬱血を防ぐためじゃ。

サクラ サクラ

正解は何番でしょう。

博士 博士

正解は3と5じゃ。3の螺旋帯は包帯幅の1/2から2/3を重ねながら斜めに巻き上げる方法で、前腕のような太さがほぼ一定の部位に適しておる。

サクラ サクラ

5の環行帯はなぜ巻き終わりに用いるのですか。

博士 博士

環行帯は同じ部位に重ねて巻くからズレにくく、始端と終端をしっかり固定できるのじゃ。螺旋帯は環行帯で始まり環行帯で終わるのが基本形じゃよ。

サクラ サクラ

1の創部から巻き始めるはどうですか。

博士 博士

創部から巻くとガーゼ被覆面積が不足してずれやすい。少し末梢側から余裕をもって巻き始めるのが正しい。

サクラ サクラ

2の伸ばした状態で巻くのは。

博士 博士

伸縮性包帯を引き伸ばすと収縮力で過度に圧迫され、血流障害や神経障害、最悪はコンパートメント症候群を招きかねん。軽く転がすように巻くのじゃ。

サクラ サクラ

4の手関節から肘関節まで巻くのは広すぎますね。

博士 博士

そう、関節可動域を不必要に制限してしまう。創部をカバーできる最小範囲にとどめるのが基本じゃ。

サクラ サクラ

巻いた後の観察ポイントは。

博士 博士

末梢の皮膚色、冷感、しびれ、動脈拍動を必ず確認することじゃ。

サクラ サクラ

部位別の巻き方もまとめたいです。

博士 博士

関節は麦穂帯や亀甲帯、太さが変化する部位は折転帯、頭部は帽状帯と使い分けるとよい。

POINT

巻軸包帯は末梢から中枢へ、環行帯で始め環行帯で終える基本原則があります。太さが一定の前腕には螺旋帯が適し、伸縮性包帯は引き伸ばさず転がすように巻きます。関節可動域を妨げず、巻いた後は末梢循環を観察することが安全確保に直結します。

解答・解説

正解は 3 5 です

問題文:前腕の内側中央部に創部がある患者で、創部のガーゼがずれないよう固定をする必要がある。 伸縮性のある巻軸包帯を使う場合に適切なのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 3 と 5 です。巻軸包帯法の基本原則は、末梢から中枢に向かって、関節可動域を妨げず、適度な圧で血流を阻害しないよう巻くことです。部位の太さに応じて環行帯・螺旋帯・麦穂帯・折転帯・亀甲帯を使い分けます。始めと終わりは同一部位に重ねて巻く環行帯で固定し、伸縮性包帯は引き伸ばさずに転がすように巻くことで皮膚面にフィットさせます。前腕内側中央部のような太さがほぼ一定の部位にはシンプルで保持力の高い螺旋帯が適しています。

選択肢考察

  1. × 1.  創の部位から巻き始める。

    包帯は末梢側(手関節側)から中枢側へ向かって巻き始めるのが原則です。創部から巻き始めるとガーゼの被覆面積が不足してずれやすく、中枢側から巻くと静脈還流を妨げ鬱血の原因になります。

  2. × 2.  包帯を伸ばした状態で巻く。

    伸縮性包帯を引き伸ばして巻くと収縮力で過度に圧迫され、血流障害や神経障害を招きます。軽く転がすように皮膚に沿わせて巻くのが正しい方法です。

  3. 3.  前腕部の巻き方は螺旋帯とする。

    螺旋帯は包帯幅の1/2から2/3を重ねながら斜めに巻き上げる方法で、太さがほぼ一定の前腕や下腿に適します。ガーゼ固定の保持力が高く、作業も容易です。

  4. × 4.  手関節から肘関節まで巻く。

    創部は前腕内側中央部のため、手関節や肘関節まで被覆すると関節可動域を不必要に制限します。創部より少し末梢側から巻き始め、肘関節にはかからない範囲で終了させます。

  5. 5.  巻き終わりは環行帯とする。

    環行帯は同じ部位に重ねて巻く方法で、ズレを防ぎ始端と終端を確実に固定します。螺旋帯は環行帯で始まり環行帯で終わるのが基本形です。

包帯法は部位に応じた使い分けが重要で、関節部は麦穂帯(八の字)や亀甲帯、円錐状の下腿や前腕太さが変化する場合は折転帯、頭部は帽状帯が選ばれます。巻軸包帯の終端はテープや安全ピンで固定し、巻いた後は末梢の循環(皮膚色、冷感、しびれ、動脈拍動)を必ず確認します。圧迫が強いとコンパートメント症候群のリスクもあるため観察を怠らないことがポイントです。

包帯法の基本原則(末梢から中枢・環行帯での始終・部位に応じた巻き方)を問う設問です。