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女性の膀胱留置カテーテル挿入 4つの基本をマスターする

看護師国家試験 第109回 午後 第42問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第42問

成人女性に膀胱留置カテーテルを挿入する方法で適切なのはどれか。

  1. 1.水溶性の滅菌潤滑剤を用いる。
  2. 2.カテーテルは外尿道口から 15 cm挿入する。
  3. 3.固定用バルーンを膨らませた後、尿の流出を確認する。
  4. 4.固定用バルーンにはクロルヘキシジングルコン酸塩液を注入する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は成人女性への膀胱留置カテーテル挿入について学ぶぞ。基礎看護技術の中でも頻出分野じゃ。

アユム アユム

男性と女性で手技がちょっと違うんですよね。尿道の長さも違うと聞きました。

博士 博士

その通り。成人男性の尿道は約16〜20cm、成人女性は約4〜6cm。この解剖学的差が挿入距離に直結する。

アユム アユム

つまり女性は4〜6cmくらい挿入すればいいんですね。選択肢2の15cmは明らかに深すぎる。

博士 博士

その通りじゃ。15cmは男性の目安。女性で15cm挿入したら膀胱を突き抜けて尿管や膀胱壁を損傷する危険がある。

アユム アユム

選択肢1の水溶性の滅菌潤滑剤。これは正しそうですね。

博士 博士

正解じゃ。リドカイン入りのゼリーを用いれば、潤滑作用に加えて局所麻酔効果で疼痛も軽減できる。ただしラテックスアレルギーや薬剤アレルギーの確認は必須じゃよ。

アユム アユム

なぜ油性じゃなくて水溶性なんですか?

博士 博士

良い質問じゃ。油性潤滑剤はラテックス製カテーテルのゴムを劣化させて破損やリークの原因となる。またワセリンなどは尿道粘膜に残留しやすく感染リスクも高める。

アユム アユム

選択肢3のバルーンを先に膨らませる、というのはどう考えればいいですか?

博士 博士

絶対にやってはいかん手順じゃ。バルーンが尿道内で膨張すると尿道裂傷を起こして大量出血することがある。順序は必ず『尿の流出で膀胱到達を確認』→『さらに2〜3cm進める』→『バルーンを膨らませる』じゃ。

アユム アユム

尿が出てきたところで止めずに、少し進めるんですね。

博士 博士

そうじゃ。カテーテル先端が膀胱頸部付近にあると、バルーン拡張時に尿道に食い込む。だから余裕を持たせる。

アユム アユム

選択肢4のクロルヘキシジンをバルーンに入れるのは?

博士 博士

これも不正解。バルーンには滅菌蒸留水を10mL程度入れる。生理食塩水は結晶化でバルーン破損、消毒薬は粘膜刺激で禁忌じゃ。抜去時にバルーン水が抜けないトラブルを減らす意味でも蒸留水が標準じゃ。

アユム アユム

固定の位置も男女で違うんですよね。

博士 博士

よく覚えておるのう。女性は大腿内側に、男性は下腹部に固定する。男性で大腿に固定すると陰茎陰嚢角に負担がかかって尿道皮膚瘻の原因になる。

アユム アユム

そして一番大事なのは感染予防ですよね。CAUTIって院内感染の代表格って習いました。

博士 博士

その通り。カテーテル関連尿路感染(CAUTI)は留置期間に比例して増える。だから『必要最小限の留置』『閉鎖式ドレナージ維持』『毎日抜去可否を評価』が3本柱じゃ。

アユム アユム

単に技術を覚えるだけじゃなく、感染予防の視点が大事なんですね。

POINT

成人女性への膀胱留置カテーテル挿入では、水溶性の滅菌潤滑剤を用いるのが基本であり、摩擦による尿道損傷の予防と無菌操作の維持に寄与します。女性の尿道は4〜6cmと短いため挿入距離も男性とは大きく異なり、尿の流出で膀胱内到達を確認してからバルーンを膨らませる順序を厳守することが尿道裂傷予防の要です。バルーンには滅菌蒸留水を注入し、消毒薬や生理食塩水は禁忌であることも覚えておきましょう。カテーテル関連尿路感染(CAUTI)は院内感染の主要原因であり、不要な留置の回避と早期抜去、閉鎖式ドレナージ維持といった看護師の判断と管理が患者予後に直結します。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:成人女性に膀胱留置カテーテルを挿入する方法で適切なのはどれか。

解説:正解は 1 の水溶性の滅菌潤滑剤を用いる、である。膀胱留置カテーテル挿入は無菌操作を厳守する手技であり、尿道粘膜を損傷せず円滑に挿入するため、また尿路感染を予防するために水溶性の滅菌潤滑剤(キシロカインゼリーなど)を用いる。油性の潤滑剤はラテックスカテーテルを劣化させるため不適切。

選択肢考察

  1. 1.  水溶性の滅菌潤滑剤を用いる。

    水溶性で滅菌済みの潤滑剤を用いることで摩擦による尿道損傷を防ぎ、かつ無菌操作を維持できる。リドカイン含有のゼリーを用いれば挿入時の疼痛軽減も期待できる。

  2. × 2.  カテーテルは外尿道口から 15 cm挿入する。

    成人女性の尿道長は約4〜6cm。挿入目安は外尿道口から4〜6cm、または尿の流出を確認してからさらに2〜3cm進める程度である。15cmは男性の目安(15〜20cm)で、女性では深すぎる。

  3. × 3.  固定用バルーンを膨らませた後、尿の流出を確認する。

    順序が逆。バルーンを尿道内で膨らませると尿道損傷や疼痛を招くため、必ず尿の流出で膀胱内到達を確認してから、さらに少し進めたうえでバルーンを膨らませる。

  4. × 4.  固定用バルーンにはクロルヘキシジングルコン酸塩液を注入する。

    固定用バルーンには滅菌蒸留水(通常10mL程度)を注入する。生理食塩水は結晶化してバルーン破損の原因となり、消毒薬は粘膜刺激と破損リスクのため禁忌。

膀胱留置カテーテル関連尿路感染(CAUTI)は院内感染の上位を占めるため、(1)不必要な留置をしない、(2)無菌的挿入、(3)閉鎖式ドレナージ維持、(4)蓄尿バッグを膀胱より低く保つ、(5)毎日必要性を評価し早期抜去、が重要。女性の固定は大腿内側、男性は下腹部にテープ固定して尿道への牽引を避ける。

女性の膀胱留置カテーテル挿入の基本手技を問う。尿道長の男女差、挿入・バルーン拡張の順序、潤滑剤とバルーン内液の種類がポイント。