クリティカルシンキングの本質を理解する
看護師国家試験 第103回 午前 第39問 / 基礎看護学 / 看護の基本となる概念
国試問題にチャレンジ
クリティカルシンキングで適切なのはどれか。
- 1.直観的アプローチである。
- 2.主観的情報を重視した考え方である。
- 3.物事を否定的にみる思考過程である。
- 4.根拠を持ち実践することを可能にする。
対話形式の解説
博士
今日はクリティカルシンキングを学ぼう。直訳すると批判的思考じゃが、否定的にみることとは違うんじゃ。
サクラ
「批判的」というと否定的なイメージがあります。
博士
ここでの批判的とは「本当にそうか」「他の見方はないか」と前提や根拠を吟味する姿勢のことじゃ。客観的・論理的に結論を導く過程じゃのう。
サクラ
博士、正解はどれですか?
博士
正解は 4 の根拠を持ち実践することを可能にするじゃ。クリティカルシンキングは根拠に基づく判断とケアを支える思考過程じゃ。
サクラ
1の直観的アプローチはどうでしょう?
博士
直観に頼らず、客観的根拠と論理で結論を導くのが基本じゃから誤りじゃ。
サクラ
2の主観的情報を重視するのは?
博士
主観だけに頼らず、測定可能な客観的データを統合して判断するため、主観重視というのは合わない。
サクラ
3の物事を否定的にみる思考過程は?
博士
否定ではなく根拠を吟味する態度じゃ。先入観や思い込みを問い直すことが本質で、否定的に決めつけることではない。
サクラ
看護過程ではどう活かされるんですか?
博士
アセスメントから評価まで全ての段階で使われるんじゃ。情報の妥当性を評価し、代替案を検討し、根拠と倫理性を確認するステップで意思決定の質が上がる。
サクラ
EBPとも関係しますか?
博士
密接につながっておる。EBPは最良の根拠と臨床経験、患者の価値観を統合する実践で、クリティカルシンキングはその土台となる思考様式じゃ。医療安全やインシデント分析にも欠かせんぞ。
POINT
クリティカルシンキングは根拠と論理に基づき結論を導く思考過程で、否定的態度や直観・主観重視とは異なる。看護過程の各段階やEBP、医療安全の場面で活用される基盤的能力である。情報の妥当性を吟味し、代替案を検討して根拠あるケアを選択する姿勢が求められる。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:クリティカルシンキングで適切なのはどれか。
解説:正解は 4 です。クリティカルシンキング(critical thinking)は「批判的思考」と訳されますが、物事を否定的に捉えるという意味ではなく、「本当にそうなのか」「他に解釈はないか」と前提や根拠を吟味し、客観的・論理的に結論へ至る思考過程を指します。看護実践では、得られた情報の妥当性・信頼性を評価し、複数の選択肢を比較したうえで根拠に基づくケアを選択する基盤となります。EBP(evidence-based practice)や看護過程の判断・評価段階で不可欠で、感情や先入観に流されず客観的データに基づき意思決定する姿勢が求められます。
選択肢考察
-
× 1. 直観的アプローチである。
クリティカルシンキングは直観に依拠せず、客観的根拠と論理に基づいて結論を導く思考であるため誤りです。
-
× 2. 主観的情報を重視した考え方である。
主観的情報のみに依拠せず、客観的事実や測定可能なデータを統合して判断するため、主観重視という説明は誤りです。
-
× 3. 物事を否定的にみる思考過程である。
「批判的」は否定の意味ではなく、根拠を吟味し前提を疑う姿勢を指すため、否定的にみる思考と捉えるのは誤りです。
-
○ 4. 根拠を持ち実践することを可能にする。
クリティカルシンキングは根拠に基づく判断と実践を支える思考過程であり、説明として最も適切です。
看護におけるクリティカルシンキングの構成要素には、好奇心、開放性、自己分析、論理的推論、誠実さなどが挙げられます。実践場面では、(1)情報を吟味する、(2)前提や思い込みを問い直す、(3)代替案を検討する、(4)根拠と倫理性を確認するといったステップを踏みます。アセスメントから評価までの看護過程の各段階で活用され、医療安全やインシデント分析、ケアの質向上にも直結します。
クリティカルシンキングの本質が「否定」ではなく「根拠の吟味と論理的判断」であることを理解しているかを問う設問です。
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