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EBNの本質をつかもう

看護師国家試験 第105回 午前 第36問 / 基礎看護学 / 看護の基本となる概念

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第36問

根拠に基づいた看護〈EBN〉で最も適切なのはどれか。

  1. 1.患者の好みは参考にしない。
  2. 2.先輩看護師の行動を模倣する。
  3. 3.研究論文の有用性を検討する。
  4. 4.既存の看護業務基準を遵守する。

対話形式の解説

博士 博士

今日はEBN、根拠に基づいた看護を学んでいくぞい。

アユム アユム

EBNとはそもそも何でしょうか。

博士 博士

Evidence-Based Nursingの略で、最善の研究成果、看護師の臨床経験、患者の価値観、利用可能な資源の4要素を統合して意思決定を行う看護実践のアプローチじゃ。

アユム アユム

医療でいうEBMの看護版ですね。

博士 博士

そのとおり。EBMを看護領域に展開したものと考えてよい。

アユム アユム

選択肢1の「患者の好みは参考にしない」は違いますよね。

博士 博士

もちろん誤り。EBNは患者中心が原則で、患者の価値観や意向は不可欠な構成要素じゃ。エビデンスがあっても患者が望まなければ押しつけてはならない。

アユム アユム

選択肢2の先輩の模倣はどうでしょう。

博士 博士

経験は貴重な情報源じゃが、根拠なく真似るだけでは科学性が欠ける。先輩の行動がなぜ有効か、文献で裏づけを確認する姿勢が必要じゃ。

アユム アユム

選択肢3の研究論文の有用性を検討するが正解ですね。

博士 博士

そう、これが正解。論文を批判的に吟味、すなわちクリティークして、自分の患者に適用できるかを判断することがEBNの中核プロセスじゃ。

アユム アユム

批判的吟味とは具体的にどうするのですか。

博士 博士

研究デザインは適切か、対象者は自分の患者と似ているか、結果の効果量や信頼区間は十分か、バイアスはないかといった視点で論文を評価する。

アユム アユム

選択肢4の業務基準遵守はどうでしょう。

博士 博士

業務基準は安全管理の基盤として大切じゃが、基準自体も研究知見の蓄積で更新されるべきもの。鵜呑みにせず根拠を理解することが重要じゃ。

アユム アユム

EBNのプロセスは決まっているのですか。

博士 博士

5ステップある。①臨床疑問の定式化、②文献検索、③批判的吟味、④臨床適用、⑤評価、というサイクルじゃ。臨床疑問はPICO形式、患者・介入・比較・結果で整理する。

アユム アユム

エビデンスにもレベルがあると聞きました。

博士 博士

階層がある。最上位はシステマティックレビューやメタアナリシス、次にランダム化比較試験、コホート研究、症例対照研究と続き、最下位が専門家の意見じゃ。

アユム アユム

研究を読む力が看護師にも必要なのですね。

博士 博士

これからの看護師には欠かせないスキルじゃ。勉強を続けよう。

アユム アユム

正解は3の研究論文の有用性を検討するですね。

博士 博士

よく整理できた。根拠・経験・患者価値の三角形を意識するのじゃぞ。

POINT

EBNは研究エビデンス、臨床経験、患者の価値観、利用可能資源の4要素を統合する看護実践です。中核となるのは研究論文を批判的に吟味し臨床適用可能性を判断することで、患者の好みを無視したり先輩の行動を無批判に模倣したりすることではありません。本問の正解は選択肢3で、PICOやエビデンス階層の知識も合わせて押さえましょう。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:根拠に基づいた看護〈EBN〉で最も適切なのはどれか。

解説:正解は3です。EBN(Evidence-Based Nursing)とは、利用可能な最善の研究成果(エビデンス)、看護師の臨床経験、患者の価値観や意向、利用可能な資源を統合して意思決定を行う看護実践のアプローチです。研究論文の有用性を批判的に吟味(クリティーク)し、個々の患者に適用できるかを検討することはEBNの中核的なプロセスです。

選択肢考察

  1. × 1.  患者の好みは参考にしない。

    誤りです。EBNでは患者の価値観や意向、好みを尊重することが不可欠な要素とされます。エビデンスがあっても患者が望まないケアは実施できません。

  2. × 2.  先輩看護師の行動を模倣する。

    誤りです。経験は重要ですが、根拠なく先輩の行動を模倣するだけでは科学的裏づけに乏しく、EBNの実践とは言えません。

  3. 3.  研究論文の有用性を検討する。

    正しい記述です。EBNでは研究論文を批判的に吟味し、その妥当性・信頼性・臨床適用可能性を検討したうえで実践に活かすことが基本となります。

  4. × 4.  既存の看護業務基準を遵守する。

    誤りです。業務基準の遵守は安全管理上重要ですが、基準自体を鵜呑みにすることはEBNの実践ではありません。基準も研究知見の蓄積で更新されるべきものです。

EBNのプロセスは①臨床疑問の定式化(PICO/PECO)、②文献検索、③批判的吟味、④臨床適用、⑤評価の5ステップで示されます。エビデンスには階層(レベル)があり、システマティックレビューやメタアナリシスが最上位、専門家の意見が最下位です。

EBNの定義と中核要素である研究文献の批判的吟味を理解しているかを問う問題です。