ADLとIADLの違いを押さえよう
看護師国家試験 第110回 午前 第46問 / 基礎看護学 / 看護の基本となる概念
国試問題にチャレンジ
高齢者の自立度を手段的日常生活動作<IADL>尺度を用いて評価した。この尺度にある項目はどれか。
- 1.コミュニケーション
- 2.自分の服薬管理
- 3.トイレ動作
- 4.階段昇降
対話形式の解説
博士
IADLとADLの違いは説明できるかの。
アユム
ADLは食事や排泄など基本的な生活動作、IADLはもっと応用的で判断力を要する動作ですね。
博士
その通りじゃ。IADLはLawtonの尺度が有名で、8項目から成る。
アユム
どんな項目があるのでしょう。
博士
電話、買い物、食事の準備、家事、洗濯、交通手段の利用、服薬管理、金銭管理の8つじゃ。
アユム
服薬管理はIADLに入るんですね。
博士
そうじゃ。用法用量を守って飲めるかは判断力も必要じゃから高次の活動になる。
アユム
トイレ動作や階段昇降はどちらに含まれますか。
博士
両方ともADLじゃ。BarthelインデックスやFIMの評価項目じゃな。
アユム
コミュニケーションは。
博士
それもIADLには含まれん。FIMの認知項目に入るのじゃ。
アユム
IADLはどんな場面で役立ちますか。
博士
認知症の早期発見にとても有用じゃ。ADLは保たれていてもIADLから先に低下することが多い。
アユム
男女で評価が異なると聞いたことがあります。
博士
古典的には男性は家事関連を除いた5項目で評価する方式があるぞ。現場では必要に応じて調整する。
アユム
在宅生活の自立度評価に直結しますね。
博士
独居が可能かどうかはIADLの保持具合に大きく依存する。支援計画にも直結する大切な視点じゃ。
アユム
ADLとIADLをセットで評価すると生活全体が見えてくるんですね。
POINT
本問はIADL尺度の項目理解を問う問題です。IADLは電話・買い物・食事準備・家事・洗濯・交通手段・服薬管理・金銭管理の8項目で、基本的ADLより高次の判断を要します。トイレ動作・階段昇降・コミュニケーションはADLやFIMの項目であり、IADLとの違いを区別することが大切です。認知症の早期発見や在宅支援計画に直結する評価です。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:高齢者の自立度を手段的日常生活動作<IADL>尺度を用いて評価した。この尺度にある項目はどれか。
解説:正解は2です。IADL尺度(Lawtonの尺度)は電話・買い物・食事の準備・家事・洗濯・乗り物の利用・服薬管理・金銭管理の8項目で構成され、自分の服薬管理は代表的なIADL項目です。
選択肢考察
-
× 1. コミュニケーション
コミュニケーションはIADLではなくFIM(機能的自立度評価法)の認知項目や基本的ADLの一部に含まれる評価要素です。LawtonのIADL尺度には含まれていません。
-
○ 2. 自分の服薬管理
服薬の管理は用法用量を理解し計画的に内服できる判断力を含む生活維持動作で、LawtonのIADL尺度の8項目のひとつとして明記されています。
-
× 3. トイレ動作
トイレ動作は排泄という基本的生活動作で、BarthelインデックスやFIMなどのADL評価に含まれる項目です。IADLではより複雑で応用的な活動を評価します。
-
× 4. 階段昇降
階段昇降は移動に関わる基本的ADLの項目で、BarthelインデックスやFIMで評価されます。IADLでは評価対象とされていません。
IADL(Lawton尺度)の8項目は①電話②買い物③食事の準備④家事⑤洗濯⑥交通手段の利用⑦服薬管理⑧金銭管理です。基本的ADLより高次の判断を要し、認知機能低下の早期評価に有用とされます。男性は原則5項目で評価するなど性別で採点が異なります。
ADLとIADLの違いを理解し、IADLに含まれる項目を正しく識別できるかを問う問題です。
「看護の基本となる概念」の関連記事
-
フィンクの危機モデル4段階を一気に整理 ―最終段階「適応」までの心の旅路
フィンクの危機モデルが「衝撃→防御的退行→承認→適応」の4段階で構成され、最終段階が「適応」であることを覚えてい…
114回
-
ダイバーシティとは何か―個別性のある看護に欠かせない視点
看護におけるカタカナ用語の定義理解を問う問題。多様性を尊重するダイバーシティが個別性理解の基盤概念であること…
114回
-
腹式呼吸でなぜリラックスできる?副交感神経を味方につける
リラクセーションを目的とした腹式呼吸の正しい実施方法を問う問題。深くゆっくり、呼気を長く、呼吸への意識集中が…
114回
-
ICFの生活機能3要素をマスターしよう
ICFの生活機能が『心身機能・身体構造/活動/参加』の3要素で構成されることを知っているかを問う基本問題です。
113回
-
病棟への電話対応とプライバシー保護
電話応対における患者の個人情報保護と、看護師の守秘義務の原則を理解しているかを問う問題です。
113回