高齢者医療確保法を整理しよう
看護師国家試験 第113回 午前 第51問 / 老年看護学 / 高齢者の健康
国試問題にチャレンジ
高齢者の医療の確保に関する法律の内容で正しいのはどれか。
- 1.医療の給付は市町村が行う。
- 2.高齢者は一律3割の医療費を自己負担する。
- 3.40歳以上の被保険者と被扶養者にがん検診を行う。
- 4.後期高齢者の医療給付の内容は国民健康保険と同じである。
対話形式の解説
博士
高齢者の医療の確保に関する法律の運営主体は何かの?
サクラ
75歳以上の後期高齢者医療制度は、都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合が運営しています。
博士
そのとおり。市町村の役割は何じゃ?
サクラ
保険料の徴収や窓口業務を担いますが、給付決定は広域連合です。
博士
自己負担は一律3割かの?
サクラ
いいえ、原則1割で、一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割と所得で区分されています。
博士
40歳以上を対象にしているのはがん検診かの?
サクラ
がん検診は健康増進法の事業です。高齢者医療確保法は特定健康診査と特定保健指導を義務づけています。
博士
正解。では医療給付の内容はどうじゃ?
サクラ
国民健康保険と同じで、療養の給付や高額療養費、入院時食事療養費などが含まれます。
博士
選択肢4が正しい記述じゃな。2008年の法改正で旧老人保健法から変わったのう。
サクラ
65歳から74歳までの前期高齢者はどう扱われるのですか?
博士
従来の健保や国保に加入し、保険者間で財政調整が行われるしくみじゃ。
サクラ
制度の枠組みと目的がつながりました。
博士
制度を知っておけば、患者や家族への説明にも自信を持てるぞ。
サクラ
仕組みを整理して看護実践に活かします。
POINT
後期高齢者医療制度は都道府県単位の広域連合が運営し、市町村は徴収や窓口業務を担います。自己負担は原則1割で所得により2割・3割と区分されます。高齢者医療確保法は特定健診・特定保健指導を義務づけ、がん検診は健康増進法に基づきます。医療給付の内容は国民健康保険と同じで、療養給付・高額療養費などが含まれます。制度を理解し適切に説明できることが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:高齢者の医療の確保に関する法律の内容で正しいのはどれか。
解説:正解は4です。後期高齢者医療制度における医療給付の内容(診察・投薬・入院など療養の給付)は、国民健康保険と同等の範囲で提供されます。
選択肢考察
-
× 1. 医療の給付は市町村が行う。
後期高齢者医療制度の運営主体は、都道府県単位で全市町村が加入する「後期高齢者医療広域連合」です。市町村は保険料徴収や窓口業務を担当しますが、給付決定の主体は広域連合です。
-
× 2. 高齢者は一律3割の医療費を自己負担する。
後期高齢者(75歳以上)の自己負担は原則1割ですが、一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割です。年齢により一律ではなく所得に応じて区分されます。
-
× 3. 40歳以上の被保険者と被扶養者にがん検診を行う。
高齢者医療確保法が40歳以上の被保険者・被扶養者に義務づけているのは特定健康診査・特定保健指導(メタボ健診)です。がん検診は健康増進法に基づき市町村が実施します。
-
○ 4. 後期高齢者の医療給付の内容は国民健康保険と同じである。
後期高齢者医療制度の療養の給付は国民健康保険と同等で、療養給付・高額療養費・入院時食事療養費などが含まれます。保険料の算定方法や運営主体は異なりますが、給付内容自体は共通です。
高齢者の医療の確保に関する法律は2008年に旧老人保健法を全面改正して施行されました。65〜74歳は前期高齢者として既存の保険に加入し、財政調整が行われます。75歳以上は後期高齢者医療制度に移行し、広域連合が運営します。自己負担割合は現役並み所得者3割・一定以上所得者2割・一般所得者1割です。がん検診は健康増進法第19条の2に基づく健康増進事業で、市町村が実施します。
高齢者医療確保法の運営主体・自己負担割合・対象となる健診と給付内容を正しく理解しているかを問う問題です。
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