加齢による視覚変化と原因をペアで覚えよう
看護師国家試験 第103回 午後 第55問 / 老年看護学 / 高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護
国試問題にチャレンジ
加齢による視覚の変化とその原因の組合せで正しいのはどれか。
- 1.老視 ――――――――― 毛様体筋の萎縮
- 2.色覚異常 ――――――― 眼圧の亢進
- 3.視野狭窄 ――――――― 散瞳反応時間の延長
- 4.明暗順応の低下 ―――― 水晶体の硬化
対話形式の解説
博士
じゃこ博士じゃ。今日は加齢による視覚の変化と原因の組み合わせ問題じゃぞ。
サクラ
老視、色覚異常、視野狭窄、明暗順応低下…どれもよく聞きますが原因が混乱します。
博士
整理して覚えるとよいぞ。まず正解は1の「老視―毛様体筋の萎縮」じゃ。
サクラ
老視ってどういう仕組みで起こるんですか?
博士
毛様体筋が水晶体を引っ張って厚みを調節し、近くを見る時は水晶体を厚くしてピントを合わせるのじゃ。加齢で毛様体筋が萎縮し、水晶体自体も硬くなるから近くが見えなくなるのじゃよ。
サクラ
だから老眼鏡が必要になるんですね。2の「色覚異常―眼圧亢進」はどうですか?
博士
眼圧亢進は緑内障の原因じゃ。色覚異常は水晶体の黄変化や錐体細胞の機能低下によるもので、眼圧とは関係ないのじゃ。
サクラ
3の「視野狭窄―散瞳反応時間の延長」は?
博士
視野狭窄の原因は緑内障や網膜色素変性症、眼瞼下垂などじゃ。散瞳反応時間の延長は瞳孔括約筋の問題で、視野狭窄とは別現象じゃぞ。
サクラ
4の「明暗順応の低下―水晶体の硬化」は?
博士
明暗順応は網膜の桿体細胞や錐体細胞のロドプシン再生で行われるのじゃ。水晶体の硬化が引き起こすのは老視じゃから、組み合わせが誤りじゃ。
サクラ
高齢者の眼疾患は他に何がありますか?
博士
白内障で水晶体が濁り、加齢黄斑変性で中心視野が欠け、緑内障で視野狭窄が起きる、これら3つが代表的じゃ。糖尿病網膜症も多いのう。
サクラ
看護で気をつけることは?
博士
明るい照明、コントラストを強調した表示、文字の拡大、段差をなくす環境整備で転倒予防じゃ。視覚障害は転倒のリスクを高めるからの。
サクラ
原因と症状をペアで覚えるのが効率的ですね。
博士
その通りじゃ。老視=毛様体筋+水晶体硬化、白内障=水晶体混濁、緑内障=眼圧+視野狭窄、と紐づけて押さえるのじゃ。
POINT
老視は毛様体筋の萎縮と水晶体の弾力性低下により近見調節力が低下する加齢現象です。色覚異常・視野狭窄・明暗順応低下はそれぞれ錐体細胞、緑内障や網膜疾患、桿体細胞の機能低下が主因で、各選択肢の組み合わせは誤りです。看護では照明・コントラスト・転倒予防の環境整備が要点となります。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:加齢による視覚の変化とその原因の組合せで正しいのはどれか。
解説:正解は 1 です。視覚の調節機構は毛様体筋の収縮・弛緩により水晶体の厚みを変化させて行われます。加齢により毛様体筋が萎縮し、さらに水晶体自体の弾力性が低下するため、近くを見る際に水晶体を厚くできず近見時のピント調節ができなくなる状態が老視(老眼)です。一般的に40歳代から自覚症状が現れ、60歳代でほぼ全員に起こります。他の選択肢の組み合わせはいずれも原因疾患や加齢変化の機序が誤っています。
選択肢考察
-
○ 1. 老視 ――――――――― 毛様体筋の萎縮
老視は毛様体筋の萎縮と水晶体の弾力性低下により近見調節力が低下する加齢現象で、組み合わせとして正しいです。
-
× 2. 色覚異常 ――――――― 眼圧の亢進
眼圧亢進は緑内障の原因であり色覚異常の直接原因ではありません。加齢による色覚異常は水晶体の黄変化や錐体細胞の機能低下によるものです。
-
× 3. 視野狭窄 ――――――― 散瞳反応時間の延長
加齢による視野狭窄は緑内障や網膜色素変性症、眼瞼下垂などが原因で、散瞳反応時間の延長は瞳孔括約筋の機能変化によるもので別の現象です。
-
× 4. 明暗順応の低下 ―――― 水晶体の硬化
明暗順応の低下は網膜の桿体細胞・錐体細胞の機能低下や視物質ロドプシンの再生遅延が原因です。水晶体硬化は老視の原因です。
高齢者の視覚変化には老視のほか、白内障(水晶体混濁)、加齢黄斑変性(黄斑部の障害で中心視野欠損)、緑内障(眼圧上昇による視神経障害で視野狭窄)、糖尿病網膜症などが代表的です。看護では明るい照明、コントラストの強調、文字の拡大、転倒予防のための環境整備などが重要となります。
加齢による眼の変化と原因機序の正しい組み合わせを問う問題です。老視は毛様体筋萎縮+水晶体弾力低下、白内障は水晶体混濁、緑内障は眼圧上昇+視野狭窄と整理して覚えます。
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