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NSTと病棟看護師の連携

看護師国家試験 第105回 午前 第50問 / 老年看護学 / 高齢者の生活を支える看護

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第50問

高齢者の栄養管理について栄養サポートチーム〈NST〉と連携するときに、病棟看護師が行う看護活動で最も適切なのはどれか。

  1. 1.同時期に他のサポートチームが介入しないようにする。
  2. 2.栄養管理が不十分な高齢者のケアについて助言を得る。
  3. 3.家族にも栄養サポートチーム〈NST〉の一員になるよう勧める。
  4. 4.経管栄養法を行っている高齢者数を減らす方法を一緒に考える。

対話形式の解説

博士 博士

今日は老年看護学からNST、栄養サポートチームとの連携の問題じゃ。

アユム アユム

NSTは病院でよく聞きますが、構成メンバーはどんな職種ですか?

博士 博士

医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師が中核メンバーで、施設によっては言語聴覚士、歯科医師・歯科衛生士、理学療法士、作業療法士なども加わる。多職種でそれぞれの専門性を活かして栄養管理を行うチームじゃ。

アユム アユム

病棟看護師はどんな立場で関わるんですか?

博士 博士

現場で患者さんの食事摂取量、嚥下状態、体重変化、消化管の動きなど日常的な情報を最もよく把握しているのが病棟看護師じゃ。その情報をNSTに提供し、専門的助言を日常ケアに反映させるのが連携の基本じゃな。

アユム アユム

ということは選択肢2番「栄養管理が不十分な高齢者のケアについて助言を得る」が正解ですね。

博士 博士

正解じゃ。NSTに相談することで、栄養剤の種類、食事形態、補助食品の選択、必要カロリー量などの具体的助言を得られる。

アユム アユム

1番「他のチームが介入しないようにする」はどうして違うんですか?

博士 博士

褥瘡対策チームや感染制御チーム、緩和ケアチームなどとの並行介入はむしろ有益じゃ。栄養と褥瘡、感染は密接に関連しておるから協働が望ましい。

アユム アユム

3番「家族にもNSTの一員になるよう勧める」は?

博士 博士

NSTはあくまで医療専門職のチームじゃから、家族はメンバーには含まれん。ただし家族への情報共有と協力依頼は退院後の栄養管理に不可欠じゃから、別の形で関与してもらう。

アユム アユム

4番「経管栄養を減らす方法を考える」は?

博士 博士

NSTの目的は経管栄養の削減ではなく、患者ごとに最適な栄養経路を選ぶことじゃ。嚥下機能が低下し誤嚥性肺炎のリスクが高い症例では経管栄養が第一選択になることもある。経口・経管・経静脈の選択肢を総合的に判断する。

アユム アユム

高齢者の栄養不良にはどんな特徴がありますか?

博士 博士

サルコペニア、フレイル、嚥下障害が主要な原因じゃ。MNA-SFという簡易評価表やGLIM基準で栄養状態をスクリーニングし、早期介入で予後改善を目指す。

アユム アユム

看護師としての具体的なアセスメントポイントは?

博士 博士

食事摂取量、体重推移、血清アルブミンやプレアルブミン、握力、下腿周囲長、口腔内の状態、嚥下の安全性、排便状況などじゃ。これらを継続的に観察し記録することがNSTへの情報提供の基盤になる。

アユム アユム

多職種連携の中で看護師の観察力が鍵になるんですね。

POINT

NSTは医師・看護師・管理栄養士・薬剤師など多職種で構成され、栄養管理が不十分な患者に対して専門的助言を提供します。病棟看護師はNSTから助言を得て日常ケアに反映させるのが本来の連携であり、他チームの介入排除や経管栄養の削減はNSTの目的ではありません。MNA-SFやGLIM基準を用いた評価と継続的観察が看護師の重要な役割となります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:高齢者の栄養管理について栄養サポートチーム〈NST〉と連携するときに、病棟看護師が行う看護活動で最も適切なのはどれか。

解説:正解は 2 です。栄養サポートチーム(NST: Nutrition Support Team)は医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、歯科医師・歯科衛生士などで構成される多職種チームで、栄養不良患者に対する適切な栄養管理を支援します。病棟看護師はNSTの専門的助言を受けながら、日常的な食事摂取量の観察、嚥下状態の評価、体重・IN/OUTの記録など実践的ケアを担います。栄養管理が不十分な患者について専門助言を得ることは連携の本質に合致します。

選択肢考察

  1. × 1.  同時期に他のサポートチームが介入しないようにする。

    褥瘡対策チーム、感染制御チーム、緩和ケアチームなど他のチームとの同時介入はむしろ有益で、患者のQOL向上や合併症予防に役立ちます。介入を排除するのはチーム医療の理念に反します。

  2. 2.  栄養管理が不十分な高齢者のケアについて助言を得る。

    NSTから専門的助言を得て日常ケアに反映させるのは連携の本来の目的です。看護師は食事摂取状況や嚥下機能、体重推移など現場情報を提供し、チームと協働して最適な栄養計画を立てます。

  3. × 3.  家族にも栄養サポートチーム〈NST〉の一員になるよう勧める。

    NSTは医療専門職で構成されるチームで、家族はメンバーに含まれません。ただし家族の協力は療養生活に不可欠で、NSTの助言内容を家族と共有し退院後の継続的栄養管理につなげる支援は重要です。

  4. × 4.  経管栄養法を行っている高齢者数を減らす方法を一緒に考える。

    NSTの目的は経管栄養の削減ではなく、各患者にとって最適な栄養経路(経口・経管・経静脈)を選択することです。誤嚥性肺炎リスクや疾患により経管栄養が適する症例もあります。

NST加算は2010年に診療報酬化され、現在は栄養サポートチーム加算(週1回200点)として広く算定されています。高齢者ではサルコペニア・フレイル・嚥下障害が栄養不良の原因となることが多く、MNA-SF(簡易栄養状態評価表)やGLIM基準による評価が用いられます。病棟看護師は食事摂取量の記録、体重測定、食事形態の調整、口腔ケア、嚥下評価など日常的観察を通じてNSTに情報提供する重要な役割を担います。

NSTの構成と目的、病棟看護師の役割を理解し、多職種連携の本質的な活動を識別できるかを問う問題です。