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骨粗鬆症の進行を防ぐ生活習慣

看護師国家試験 第110回 午後 第99問 / 老年看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

110回 午後 第99問

Aさん( 75歳、女性)は、1人暮らし。高血圧症( hypertension )内服治療をしているが、その他に既往歴はない。認知機能は問題ない。軽度の円背があるが、日常生活動作<ADL>は自立している。簡単な家事は自分で行っており、家の中で過ごすことが多かった。近所に住む長女が時々、Aさんの様子を見に来ていた。 ある日、Aさんは自宅の階段を踏み外して転落し、横向きになったまま動けなくなったところを訪問してきた長女に発見され、救急車で病院に運ばれ、右大腿骨頸部骨折( femoral neck fracture )診断された。そのまま入院し、緊急手術を行うことになった。 Aさんの退院日が決定した。看護師は、Aさんの退院前の指導を行うことになった。Aさんから「医師から骨がもろくなっていると言われました。これ以上悪くならないように何をすればよいでしょうか」と質問があった。 Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

  1. 1.「体操は控えましょう」
  2. 2.「炭酸飲料を飲みましょう」
  3. 3.「果物を積極的に摂りましょう」
  4. 4.「日光を浴びるようにしましょう」

対話形式の解説

博士 博士

Aさんは退院を控えて「骨がもろいと言われた、何をすべきか」と相談してきた。

サクラ サクラ

適度な運動は骨に良いと聞きました。

博士 博士

そうじゃ、荷重運動は骨密度維持に有効で、体操を控えるのはむしろ逆効果じゃ。

サクラ サクラ

では体操を控えるという選択肢は不正解ですね。

博士 博士

炭酸飲料はどうじゃ?

サクラ サクラ

炭酸飲料が骨に良いという根拠は聞いたことがありません。

博士 博士

その通り。糖分やリンの過剰は骨には不利に働くこともある。

サクラ サクラ

果物はビタミンが豊富ですが。

博士 博士

果物は健康に良いが、骨にはカルシウムやビタミンDを含む食品の方が優先度が高いぞ。

サクラ サクラ

日光浴はビタミンDを作るのですよね。

博士 博士

その通り、紫外線で皮膚でビタミンDが合成され、腸でのカルシウム吸収を高める。

サクラ サクラ

つまり日光浴が最も適切な指導になりますね。

博士 博士

うむ。加えて乳製品、魚、納豆などを組み合わせると効果的じゃ。

サクラ サクラ

高齢者は転倒予防も大切ですね。

博士 博士

そうじゃ、バランストレーニングや住環境の整備もあわせて指導するんじゃ。

POINT

骨粗鬆症の予防は「栄養」「運動」「日光浴」の三本柱が基本です。Aさんには日光浴でビタミンD合成を促し、カルシウム吸収を高める生活習慣を指導するのが適切です。体操は控えず適度に続け、炭酸飲料や果物に偏らず、乳製品・魚・納豆などカルシウム・ビタミンD・K源を意識した食事が望まれます。高齢者では転倒予防対策も同時に組み込みましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:Aさん( 75歳、女性)は、1人暮らし。高血圧症( hypertension )内服治療をしているが、その他に既往歴はない。認知機能は問題ない。軽度の円背があるが、日常生活動作<ADL>は自立している。簡単な家事は自分で行っており、家の中で過ごすことが多かった。近所に住む長女が時々、Aさんの様子を見に来ていた。 ある日、Aさんは自宅の階段を踏み外して転落し、横向きになったまま動けなくなったところを訪問してきた長女に発見され、救急車で病院に運ばれ、右大腿骨頸部骨折( femoral neck fracture )診断された。そのまま入院し、緊急手術を行うことになった。 Aさんの退院日が決定した。看護師は、Aさんの退院前の指導を行うことになった。Aさんから「医師から骨がもろくなっていると言われました。これ以上悪くならないように何をすればよいでしょうか」と質問があった。 Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

解説:正解は4です。皮膚に紫外線が当たるとビタミンDが合成され、腸管からのカルシウム吸収が促進されます。骨の健康維持には日光浴が有効であり、骨粗鬆症の進行抑制に役立ちます。

選択肢考察

  1. × 1.  「体操は控えましょう」

    適度な運動は骨に適度な負荷をかけて骨形成を促します。転倒予防のための筋力・バランス維持にも不可欠で、体操を控える指導は誤りです。

  2. × 2.  「炭酸飲料を飲みましょう」

    炭酸飲料と骨密度改善の因果関係は立証されておらず、糖分やリンの過剰摂取につながる可能性もあります。骨粗鬆症予防として推奨されません。

  3. × 3.  「果物を積極的に摂りましょう」

    果物摂取はビタミン補給に有用ですが、骨の健康維持に最も寄与するのはカルシウム、ビタミンD、ビタミンKを含む食品です。果物の優先度は高くありません。

  4. 4.  「日光を浴びるようにしましょう」

    紫外線によって皮膚でビタミンDが合成され、腸管でのカルシウム吸収が高まります。骨粗鬆症予防の基本として適切な助言です。

骨粗鬆症予防の三本柱は「栄養(カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・たんぱく質)」「運動(荷重運動、筋力・バランストレーニング)」「日光浴」です。カルシウムは乳製品、小魚、大豆、緑黄色野菜に、ビタミンDは魚、きのこに、ビタミンKは納豆や緑葉野菜に多く含まれます。高齢者では転倒予防対策も並行して重要です。

骨粗鬆症の進行予防における生活指導の優先項目を選ぶ問題です。