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公費医療の迷路を解く 法律と制度のマッチング

看護師国家試験 第109回 午前 第29問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会保障制度の基本

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第29問

公費医療と法の組合せで正しいのはどれか。

  1. 1.未熟児の養育医療 ---------------------------- 医療法
  2. 2.結核児童の療養給付 -------------------------- 児童福祉法
  3. 3.麻薬中毒者の措置入院 ------------------------ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉
  4. 4.定期予防接種による健康被害の救済措置 -------- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉

対話形式の解説

博士 博士

今日は公費医療と根拠法の組合せを整理するぞ。国試頻出の分野じゃ。

サクラ サクラ

公費医療って、どういう制度なんですか?

博士 博士

社会的に配慮が必要な疾患や立場の人に対して、医療費を国や自治体の税金で負担する仕組みじゃ。保険診療の自己負担分を減免したり、全額公費で賄ったりする。

サクラ サクラ

たくさんの制度があるんですよね。覚えにくいです。

博士 博士

確かに多いが、根拠法ごとに整理するとスッキリするぞ。まず母子保健法、これは未熟児の養育医療と妊産婦健康診査じゃ。

サクラ サクラ

未熟児の医療って医療法じゃないんですね。

博士 博士

そう、ここが引っかけポイント。医療法は「病院・診療所・助産所」を規定する建物・管理の法律で、個別の医療給付とは別物じゃ。

サクラ サクラ

児童福祉法にはどんな給付が含まれますか?

博士 博士

身体障害児の育成医療、そして結核児童の療養給付じゃ。結核で長期療養を要する児童に医療と学習支援を一体的に提供する制度で、児童福祉法第20条が根拠じゃな。

サクラ サクラ

結核は感染症だから感染症法かと思いました。

博士 博士

成人の結核患者の適正医療は感染症法に基づく。しかし児童に対しては児童福祉法でより包括的に支援する、という使い分けじゃ。

サクラ サクラ

精神障害者の措置入院は?

博士 博士

精神保健福祉法じゃ。自傷他害のおそれがあると認められた精神障害者を、都道府県知事の権限で入院させる制度じゃな。

サクラ サクラ

では麻薬中毒者の措置入院も同じ法律ですか?

博士 博士

ここが要注意。麻薬中毒者の措置入院は麻薬及び向精神薬取締法に基づくのじゃ。別法律じゃぞ。

サクラ サクラ

予防接種の副反応救済は?

博士 博士

予防接種法に基づく救済制度じゃ。感染症法ではない。ちなみに感染症法は1類〜5類の分類、入院勧告、届出義務などを定める法律で、予防接種とは制度が別じゃな。

サクラ サクラ

生活保護の医療費は?

博士 博士

生活保護法の医療扶助じゃ。原爆被爆者は原子爆弾被爆者援護法、難病は難病法、と一つひとつ根拠法が決まっておる。

サクラ サクラ

制度ごとに担当省庁や窓口も違うんでしょうか。

博士 博士

そうじゃ。例えば児童福祉は児童相談所や福祉事務所、精神保健は保健所や精神科病院、生活保護は福祉事務所、難病は保健所、といった具合にな。

サクラ サクラ

患者さんに案内するときは、どの制度の対象かを見極めて適切な窓口につなぐ必要があるんですね。

博士 博士

その通り。看護師は医療者であると同時にソーシャルワークの入り口でもある。制度を知ることは患者さんを守る武器になるのじゃよ。

POINT

公費医療制度は、特定の疾病や社会的立場にある人々の医療費を税金で負担する仕組みで、それぞれ根拠法が異なります。未熟児の養育医療は母子保健法、結核児童の療養給付は児童福祉法、麻薬中毒者の措置入院は麻薬及び向精神薬取締法、定期予防接種の健康被害救済は予防接種法、精神障害者の措置入院は精神保健福祉法、といった対応を正確に押さえることが重要です。看護師は患者の状況に応じて適切な制度へつなぐソーシャルワークの窓口にもなり得るため、法律名と制度内容を結びつけて理解しておく必要があります。国試では組合せ形式で頻出のため、まず法律ごとに給付項目を整理する学習法が効果的です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:公費医療と法の組合せで正しいのはどれか。

解説:正解は 2 です。公費医療制度は、特定の疾病や社会的立場にある人々の医療費を税金で負担する仕組みで、それぞれ根拠となる法律が異なる。結核にかかった児童の療養給付は児童福祉法第20条に規定されており、長期療養を必要とする結核児童に対して医療と学習の両面を支える制度である。

選択肢考察

  1. × 1.  未熟児の養育医療 ---------------------------- 医療法

    未熟児の養育医療は母子保健法第20条に基づく給付であり、医療法ではない。医療法は病院・診療所・助産所などの開設・管理を定める法律である。

  2. 2.  結核児童の療養給付 -------------------------- 児童福祉法

    児童福祉法第20条に基づく療養給付で、結核により長期療養を要する児童に対して医療・学習・療育を総合的に支援する制度。

  3. × 3.  麻薬中毒者の措置入院 ------------------------ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉

    麻薬中毒者の措置入院は麻薬及び向精神薬取締法に規定される。精神保健福祉法の措置入院は自傷他害のおそれのある精神障害者に対するもので、制度の根拠法が異なる。

  4. × 4.  定期予防接種による健康被害の救済措置 -------- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉

    定期予防接種による健康被害の救済は予防接種法に規定される。感染症法は感染症の分類・届出・入院勧告など感染症対策の根拠法である。

主要な公費医療と根拠法の対応は、未熟児養育医療・妊産婦健康診査=母子保健法、身体障害児の育成医療・結核児童の療養給付=児童福祉法、結核患者の適正医療=感染症法、精神障害者の措置入院=精神保健福祉法、麻薬中毒者の措置入院=麻薬及び向精神薬取締法、定期予防接種の健康被害救済=予防接種法、生活保護による医療扶助=生活保護法、原爆被爆者の医療=原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律、戦傷病者=戦傷病者特別援護法、難病医療費助成=難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)など。国試では組合せ問題として頻出である。

各種公費医療制度の根拠法を正確に結びつけられるか、特に児童福祉法が結核児童の療養給付を含むことを理解しているかを問う問題。