上皮組織を制する者は国試を制す—形と機能の結びつき
看護師国家試験 第106回 午前 第26問 / 人体の構造・機能 / 細胞・組織と恒常性
国試問題にチャレンジ
単層円柱上皮はどれか。
- 1.表皮
- 2.腹膜
- 3.膀胱
- 4.胃
対話形式の解説
博士
今回は上皮組織の分類じゃ。基礎解剖の定番問題じゃな。
アユム
上皮組織って、層の数と細胞の形で分類されるんですよね?
博士
その通り。まず層では単層・重層、形では扁平・立方・円柱。それに加えて多列線毛上皮と移行上皮という特殊な分類もある。
アユム
単層円柱上皮は具体的にはどこにありますか?
博士
胃、小腸、大腸、胆嚢、卵管、子宮体部などじゃ。背の高い円柱状の細胞が1層に並んでいて、表面積が広く分泌と吸収に適しておる。
アユム
なんで胃は単層円柱上皮なんですか?
博士
胃は胃酸やペプシンを分泌し、粘液で自身を保護する必要がある。円柱細胞は内部に粘液顆粒や酵素をたくさん貯められる構造じゃから、分泌に向いているのじゃよ。
アユム
表皮が重層扁平上皮なのはなぜですか?
博士
表皮は常に摩擦や外力にさらされるから、細胞を何層にも重ねて丈夫にしているのじゃ。さらに一番表面は角化して強化されておる。
アユム
腹膜は単層扁平上皮でしたっけ?
博士
その通り。漿膜の表面は中皮と呼ばれる単層扁平上皮で覆われておる。薄いからこそ物質交換に有利なのじゃ。肺胞や血管内皮も同じく単層扁平じゃな。
アユム
膀胱はなんで移行上皮なんですか?
博士
膀胱は尿が溜まると大きく膨らむから、伸びても縮んでも破れない特殊な上皮が必要じゃ。移行上皮は伸展するとき細胞が平たくなり、縮むと丸くなる柔軟な構造を持っておる。
アユム
気管は多列線毛上皮でしたよね?
博士
そうじゃ。気管支・気管は多列線毛上皮で、線毛を動かして粘液とともに異物を口側へ運ぶ「粘液線毛エスカレーター」の役割を担う。
アユム
単層立方上皮はどこにあるんですか?
博士
甲状腺濾胞や腎尿細管じゃな。分泌や吸収に関わる部位に多い。
アユム
形と機能が対応しているんですね。
博士
まさにそこがポイント。扁平は薄くて交換に向く、立方・円柱は分泌吸収、重層は保護、移行は伸縮、多列線毛は異物排出。機能から形を推測できるようになると解剖が一気に楽になるぞ。
アユム
覚える数が多いですが、意味を考えると納得できますね。
博士
国試では「どれが単層円柱上皮か」「どれが移行上皮か」など、組み合わせを直球で問われる。代表例を3つずつ覚えれば対応できるぞ。
POINT
上皮組織は層数と細胞の形で分類され、機能と形が密接に対応しています。単層円柱上皮は胃・小腸・大腸・胆嚢・子宮体部などに分布し、分泌と吸収に適した構造です。表皮は重層扁平上皮、腹膜は単層扁平上皮(中皮)、膀胱は移行上皮というように、部位ごとの機能に合わせて上皮の種類が決まっています。形態と機能の対応関係を理解することで、個別の暗記ではなく論理的に答えを導ける解剖学的思考が身につきます。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:単層円柱上皮はどれか。
解説:正解は 4 の「胃」です。上皮組織は細胞層の数(単層・重層)と細胞の形(扁平・立方・円柱)で分類されます。単層円柱上皮は1層の背の高い円柱状の細胞からなり、表面積が広く分泌や吸収に適した構造で、胃・小腸・大腸・胆嚢・卵管・子宮体部などに分布します。胃では粘液を分泌して自己消化を防ぎ、小腸では絨毛とともに栄養素の吸収を担います。
選択肢考察
-
× 1. 表皮
表皮は角化した重層扁平上皮。多層構造で機械的摩擦に強く、皮膚を保護する役割を持つ。
-
× 2. 腹膜
腹膜・胸膜・心膜などの漿膜表面は単層扁平上皮(中皮)で、薄い1層の扁平細胞からなり物質交換に適する。
-
× 3. 膀胱
膀胱・尿管・腎盂の内面は移行上皮(尿路上皮)で、尿の充満具合によって細胞の形が変化し伸縮性がある。
-
○ 4. 胃
胃の粘膜は単層円柱上皮で、粘液を分泌して胃酸から粘膜を守り、消化吸収に関わる。
上皮組織の代表例を整理すると、①単層扁平上皮=血管内皮、肺胞、腹膜・胸膜などの漿膜、②単層立方上皮=甲状腺濾胞、尿細管、③単層円柱上皮=胃・小腸・大腸・胆嚢・子宮体部、④多列線毛上皮=気管・気管支(線毛で異物を排出)、⑤重層扁平上皮=表皮、口腔・食道・膣(角化の有無で区別)、⑥移行上皮=膀胱・尿管・腎盂、となる。各部位の機能と上皮の形は密接に関連し、扁平は物質交換、立方は分泌・吸収、円柱は活発な分泌吸収、多列線毛は異物排出、重層は保護、移行は伸縮に適応している。
上皮組織の種類と分布を問う基礎解剖生理の問題。形態と機能の対応を押さえる。
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