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胃酸分泌の促進と抑制

看護師国家試験 第105回 午後 第28問 / 人体の構造・機能 / 消化器系

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第28問

胃酸の分泌を抑制するのはどれか。

  1. 1.アセチルコリン
  2. 2.ガストリン
  3. 3.セクレチン
  4. 4.ヒスタミン

対話形式の解説

博士 博士

胃酸分泌に関わるホルモンや神経伝達物質を整理するぞ。

アユム アユム

促進するものと抑制するものがあるんですね。

博士 博士

その通り。促進はアセチルコリン、ガストリン、ヒスタミンの3つ。抑制はセクレチン、コレシストキニン、ソマトスタチン、GIPなどじゃ。

アユム アユム

正解は3のセクレチンですね。

博士 博士

その通り。セクレチンは十二指腸のS細胞から酸性刺激で分泌され、胃酸を抑制し膵臓から重炭酸を分泌させて腸内を中和する。

アユム アユム

なぜセクレチンが分泌されるんですか?

博士 博士

胃から酸性の内容物が十二指腸に流入すると、腸粘膜を守るため中和が必要じゃ。セクレチンが膵液の重炭酸分泌を促し、さらに胃酸自体も抑制して一石二鳥じゃな。

アユム アユム

促進因子について教えてください。

博士 博士

アセチルコリンは迷走神経からM3受容体を介して、ガストリンはG細胞からCCK2受容体を介して、ヒスタミンはECL細胞からH2受容体を介して胃壁細胞を刺激する。

アユム アユム

胃酸分泌の最終段階は?

博士 博士

胃壁細胞のプロトンポンプ、つまりH+/K+ATPaseが水素イオンを胃内に汲み出すことで塩酸が産生される。

アユム アユム

薬剤との関係は?

博士 博士

H2ブロッカー、たとえばファモチジンはヒスタミンH2受容体を阻害し、PPI、たとえばオメプラゾールはプロトンポンプを阻害する。いずれも酸関連疾患に使う。

アユム アユム

分泌の調節は段階がありますよね。

博士 博士

脳相、胃相、腸相の3相じゃ。脳相は視覚や嗅覚で迷走神経経由、胃相は食物の胃壁伸展とガストリン、腸相は十二指腸での抑制調節じゃ。

アユム アユム

ソマトスタチンはどこから?

博士 博士

胃のD細胞から分泌され、ガストリンとヒスタミンの分泌を抑制して胃酸を抑える。臨床では消化管出血や消化管ホルモン産生腫瘍の治療に合成アナログのオクトレオチドが使われる。

アユム アユム

コレシストキニンは?

博士 博士

十二指腸I細胞から脂肪刺激で分泌され、胆嚢収縮、膵酵素分泌、胃酸分泌抑制、満腹中枢刺激など多彩な作用がある。

POINT

胃酸分泌を促進するのはアセチルコリン、ガストリン、ヒスタミンで、抑制するのはセクレチン、コレシストキニン、ソマトスタチン、GIPです。セクレチンは十二指腸S細胞から酸性刺激で分泌され、ガストリン分泌抑制と膵臓の重炭酸分泌促進により腸内を中和します。胃酸分泌は脳相・胃相・腸相で調節されます。正解は3です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:胃酸の分泌を抑制するのはどれか。

解説:正解は 3 です。胃酸分泌は迷走神経(アセチルコリン)、消化管ホルモン(ガストリン)、局所因子(ヒスタミン)により促進され、十二指腸から分泌されるセクレチンやコレシストキニン、D細胞から分泌されるソマトスタチンなどにより抑制されます。セクレチンは酸性の胃内容が十二指腸に流入するとS細胞から分泌され、ガストリン分泌抑制と膵臓からの重炭酸イオン分泌促進により腸内を中和します。

選択肢考察

  1. × 1.  アセチルコリン

    迷走神経から放出され、胃壁細胞のM3受容体を介して胃酸分泌を促進します。

  2. × 2.  ガストリン

    胃幽門部のG細胞から分泌され、胃壁細胞のCCK2受容体を介して胃酸分泌を強く促進します。

  3. 3.  セクレチン

    十二指腸S細胞から酸性刺激で分泌され、ガストリン分泌を抑制し胃酸分泌を抑制します。同時に膵臓の重炭酸分泌を促進して腸内を中和します。

  4. × 4.  ヒスタミン

    ECL細胞から放出され、胃壁細胞のH2受容体を介して胃酸分泌を促進します。H2ブロッカーはこの作用を遮断する薬剤です。

胃酸分泌促進:アセチルコリン(M3受容体)、ガストリン(CCK2受容体)、ヒスタミン(H2受容体)。胃酸分泌抑制:セクレチン、コレシストキニン(CCK)、ソマトスタチン、GIPなど。胃壁細胞のプロトンポンプ(H+/K+ATPase)が最終的に胃酸を分泌し、PPIがこれを阻害します。胃酸分泌は脳相・胃相・腸相の3相で調節されます。

胃酸分泌の促進因子と抑制因子の区別を問う消化器生理の基本問題です。