嚥下の5期と気道防御
看護師国家試験 第111回 午後 第84問 / 人体の構造・機能 / 消化器系
国試問題にチャレンジ
食物の嚥下において喉頭蓋が喉頭口を閉鎖する時期はどれか。
- 1.先行期
- 2.準備期
- 3.口腔期
- 4.咽頭期
- 5.食道期
対話形式の解説
博士
今日は摂食嚥下の5期を学ぶぞ。どの時期に喉頭蓋が喉頭口を閉鎖するか分かるかの?
アユム
5期というと、先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期ですよね。
博士
その通り。先行期は食べ物を見て認識する段階、準備期は咀嚼して食塊を作る段階じゃ。
アユム
口腔期は舌で食塊を咽頭へ送る段階ですか?
博士
そうじゃ。ここまでは随意運動じゃが、食塊が咽頭に達すると不随意の嚥下反射が誘発される。これが咽頭期じゃ。
アユム
喉頭蓋が閉じるのはその咽頭期なんですね。
博士
正解は4の咽頭期。嚥下反射によって軟口蓋が挙上して鼻咽腔を閉鎖、舌骨と喉頭が前上方に挙上、そして喉頭蓋が後屈して喉頭口を閉鎖する。さらに輪状咽頭筋が弛緩して食道入口部が開く。
アユム
このすべてが一瞬で起こるんですか?
博士
そう、わずか1秒程度のできごとじゃ。三叉神経・舌咽神経・迷走神経・舌下神経が協調して働き、延髄の嚥下中枢が司令塔となる。
アユム
食道期はもう喉頭蓋は戻っているんですね。
博士
その通り。食道期は食道の蠕動運動と重力で食塊が胃へ運ばれる段階で、気道はもう開いている。
アユム
誤嚥はどの時期に起こりやすいんですか?
博士
咽頭期の喉頭閉鎖が不十分だと誤嚥が起こる。脳血管障害後や高齢者でよくみられる。
アユム
評価はどうやって行いますか?
博士
嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)で評価するのが標準じゃ。
アユム
看護ケアでは何に気をつけますか?
博士
頸部前屈位の保持、食形態の調整、一口量の調節、食後の口腔ケア、そして嚥下訓練の支援が基本じゃな。
POINT
摂食嚥下は先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期の5期に分けられる。喉頭蓋が喉頭口を閉鎖して気道への誤嚥を防ぐのは咽頭期で、嚥下反射により軟口蓋挙上・喉頭挙上・喉頭蓋後屈・食道入口部開大が一連で起こる。誤嚥は咽頭期の喉頭閉鎖不全で生じやすく、高齢者や脳血管障害後患者で問題となる。本問は嚥下生理の中核である咽頭期の理解を問うている。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:食物の嚥下において喉頭蓋が喉頭口を閉鎖する時期はどれか。
解説:正解は 4 です。摂食嚥下は先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期の5期に分けられます。食塊が咽頭に入ると延髄の嚥下中枢により嚥下反射が惹起され、軟口蓋が挙上して鼻咽腔を閉鎖、舌骨と喉頭が前上方に挙上し、喉頭蓋が後屈して喉頭口を閉鎖します。これにより食塊は気道に入らず食道へと送り込まれます。この一連の動作が起こるのが咽頭期です。
選択肢考察
-
× 1. 先行期
先行期(認知期)は食べ物を視覚・嗅覚などで認識し、口へ運ぶまでの段階で、まだ食塊は口に入っていない。
-
× 2. 準備期
準備期は食べ物を口に取り込み、咀嚼と唾液の混合により食塊を形成する段階である。喉頭蓋の動きはまだ起こらない。
-
× 3. 口腔期
口腔期は舌の運動により食塊を口腔から咽頭へ送り込む随意運動の段階で、喉頭蓋の閉鎖はまだ起こらない。
-
○ 4. 咽頭期
咽頭期は嚥下反射によって喉頭蓋が後屈し喉頭口を閉鎖、同時に軟口蓋挙上で鼻咽腔閉鎖、食道入口部が開大して食塊を食道へ送る段階である。誤嚥防止の中心となる時期。
-
× 5. 食道期
食道期は食道の蠕動運動と重力により食塊が胃へ運ばれる段階で、喉頭蓋はすでに元の位置に戻っている。
嚥下反射の中枢は延髄にあり、三叉神経・舌咽神経・迷走神経・舌下神経が関与する。誤嚥は咽頭期での喉頭閉鎖不全で起こり、高齢者や脳血管障害後の患者で問題となる。嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)で評価し、姿勢調整・食形態の工夫・嚥下リハビリで対応する。
摂食嚥下の5期のうち、気道防御の要である咽頭期のメカニズムを理解しているかを問う問題である。
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