空腹時に採るべきホルモンは?
看護師国家試験 第111回 午前 第46問 / 人体の構造・機能 / 内分泌系
国試問題にチャレンジ
血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンはどれか。
- 1.グルカゴン
- 2.メラトニン
- 3.コルチゾール
- 4.バゾプレシン
対話形式の解説
博士
今日はホルモン血中濃度測定と食事の関係じゃな。採血タイミングは国家試験の定番ポイントじゃ。
アユム
ホルモンごとに採血条件が違うんですね。
博士
そのとおり。日内変動・食事・ストレス・体位・飲水状態などが影響する。
アユム
選択肢の正解はどれですか?
博士
1のグルカゴンじゃ。膵α細胞から分泌され、血糖が下がると上昇、食後は抑制される。血糖に直結するため食事の影響が極めて大きい。
アユム
インスリンと同じく血糖調節ホルモンですね。
博士
そのとおり。インスリンはβ細胞から、グルカゴンはα細胞から分泌され、互いに拮抗している。
アユム
採血はいつ行うのですか?
博士
基礎値は10時間以上の絶食後の早朝空腹時が標準じゃ。反応性を見たい場合はアルギニン負荷試験などを用いる。
アユム
選択肢2のメラトニンは?
博士
松果体から分泌され、夜間に上昇する概日リズムホルモンじゃ。光の影響は大きいが食事による直接変動は小さい。
アユム
選択肢3のコルチゾールは?
博士
副腎皮質ホルモンで日内変動があり、早朝に高く夕方に低い。採血は日内変動を考慮するが、食事影響は主要因ではない。
アユム
選択肢4のバゾプレシンは?
博士
下垂体後葉から出る抗利尿ホルモンで、血漿浸透圧と循環血液量で調節される。飲水や脱水の影響は受けるが食事そのものではない。
アユム
他に食事の影響を受けるホルモンは?
博士
インスリン、Cペプチド、GIPやGLP-1などのインクレチン、消化管ホルモンのガストリン・セクレチンなどじゃな。
アユム
甲状腺ホルモンはどうですか?
博士
食事の影響は小さい。ただしビオチンサプリを服用していると測定系に干渉し、値が偏ることがあるから問診が大事じゃ。
アユム
採血時の看護のポイントは?
博士
絶食時間の確認、服薬歴、採血時刻、安静状態、前日の運動や飲酒、月経周期などを必ず確認するのじゃ。
POINT
グルカゴンは血糖上昇ホルモンで、空腹時に分泌が増え食後に低下するため、血中濃度測定は空腹時に行う必要があります。メラトニンは概日リズム、コルチゾールは日内変動とストレス、バゾプレシンは浸透圧・循環血液量で調節され、食事の影響は小さいです。採血前の絶食・服薬・採血時刻の確認が正確な評価の前提になります。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンはどれか。
解説:正解は 1 です。グルカゴンは膵ランゲルハンス島α細胞から分泌される血糖上昇ホルモンで、空腹時や低血糖で分泌が亢進し、食後には抑制されます。インスリンと拮抗して肝グリコーゲン分解と糖新生を促進するため、食事の影響を大きく受けます。血中濃度測定では空腹時(通常10時間以上絶食)採血が原則で、負荷試験(アルギニン負荷など)でも評価します。
選択肢考察
-
○ 1. グルカゴン
血糖値の変動に応じて分泌されるため、食後は低下、空腹時は上昇します。血中濃度測定は空腹時に行う必要があり、これが正解です。
-
× 2. メラトニン
松果体から分泌され概日リズムに従って夜間に上昇する睡眠関連ホルモンです。光の影響は大きいものの、食事による直接的な血中濃度変動は小さいです。
-
× 3. コルチゾール
副腎皮質ホルモンで、日内変動(早朝高く夕方低い)とストレス応答で分泌されます。採血時は日内変動に配慮しますが、食事の影響は主要因ではありません。
-
× 4. バゾプレシン
下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモンで、血漿浸透圧と循環血液量で調節されます。食事自体ではなく飲水・脱水の影響を受けます。
血糖調節ホルモンのインスリン・Cペプチド・グルカゴンは食事・糖負荷で変動が大きいため、基礎値は空腹時、反応性は糖負荷試験(75gOGTT)などで評価します。コルチゾールは早朝と夕方の日内変動、ACTHも同様です。甲状腺ホルモンは食事の影響を受けませんが、ビオチンサプリは測定系に干渉するので注意が必要です。
各ホルモンの分泌調節機構を理解し、食事(血糖変動)の影響を強く受けるのがグルカゴンであることを見抜けるかを問う問題です。
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