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朝、身体を起こすホルモン—コルチゾールの概日リズム

看護師国家試験 第114回 午前 第27問 / 人体の構造・機能 / 内分泌系

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第27問

規則的な日常生活を送っている成人で、血中濃度が1日のうち起床時に最も高くなるのはどれか。

  1. 1.アドレナリン
  2. 2.コルチゾール
  3. 3.成長ホルモン
  4. 4.メラトニン

対話形式の解説

博士 博士

今日はホルモンの日内変動について学ぶぞ。生理学の中でも身近で重要な分野じゃ。

サクラ サクラ

ホルモンって時間帯で量が変わるんですか?

博士 博士

その通り。多くのホルモンは概日リズム(サーカディアンリズム)を持っておる。今日は4つのホルモンを比較するぞ。

サクラ サクラ

起床時に最も高くなるのは何ですか?

博士 博士

答えはコルチゾール。副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドで、午前6〜8時頃にピークを迎えるのじゃ。

サクラ サクラ

どうして朝に高くなるんですか?

博士 博士

身体を活動モードに切り替えるためじゃ。糖新生で血糖を上げ、血圧を維持し、活動の準備を整える。「目覚めスイッチ」のようなものじゃな。

サクラ サクラ

逆にメラトニンはどうですか?睡眠と関係ありますよね。

博士 博士

メラトニンは松果体から夜間に分泌される睡眠誘発ホルモンじゃ。午前2〜4時頃にピーク、朝の光を浴びると抑制されて急速に下がる。

サクラ サクラ

だから朝起きて日光を浴びると目が覚めるんですね。成長ホルモンはどうですか?

博士 博士

成長ホルモンは下垂体前葉から、入眠後の深いノンレム睡眠(最初の徐波睡眠)でピークを迎える。「寝る子は育つ」はこれが根拠じゃ。

サクラ サクラ

アドレナリンは?

博士 博士

アドレナリンは副腎髄質から分泌される交感神経系のホルモン。ストレスや運動で急上昇する。日中活動時間帯に高めじゃが、起床時最高というほど明確ではない。

サクラ サクラ

整理すると、起床時はコルチゾール、夜間はメラトニン、入眠後すぐは成長ホルモン、日中はアドレナリン優位ですね。

博士 博士

その通り。さらにコルチゾール覚醒反応というのがあって、起床後30分以内にさらに10〜20%上がるのじゃ。

サクラ サクラ

シフト勤務だとこのリズムが崩れますよね。

博士 博士

鋭いな。看護師は夜勤で概日リズムが乱れやすく、糖代謝障害、睡眠障害、気分障害、心血管疾患のリスクが上がることが疫学研究で示されておる。

サクラ サクラ

ホルモンの知識は自分の健康管理にも直結しますね。

博士 博士

その通り。知識を実践に活かす視点が大切じゃ。

サクラ サクラ

覚え方として「コ朝・メ夜・成入眠・ア日中」と暗記したいです。

POINT

起床時に血中濃度が最高となるホルモンはコルチゾールで、糖新生・血圧維持・抗炎症作用を介して身体を活動モードに切り替えます。メラトニンは夜間(午前2〜4時頃)、成長ホルモンは入眠直後の徐波睡眠期にピークを迎え、アドレナリンは日中活動時に上昇します。これらの概日リズムは視床下部—下垂体—副腎軸や松果体が制御しており、規則正しい生活と光環境が健全な分泌パターンの維持に重要です。シフト勤務などでリズムが崩れると糖代謝障害・睡眠障害・気分障害のリスクが増加するため、看護師自身の健康管理にも直結する知識です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:規則的な日常生活を送っている成人で、血中濃度が1日のうち起床時に最も高くなるのはどれか。

解説:正解は 2 です。コルチゾールは副腎皮質束状層から分泌される糖質コルチコイドで、明瞭な日内変動を示す。血中濃度は早朝(起床前後)に最高値となり、午後から夜間にかけて漸減し、入眠直後に最低値となる。これは身体が活動を開始するためにエネルギー(糖新生・血糖維持)を準備するメカニズムであり、視床下部—下垂体—副腎皮質系(HPA軸)が概日リズムに連動して制御している。

選択肢考察

  1. × 1.  アドレナリン

    アドレナリンは副腎髄質から分泌され、ストレスや運動で急激に上昇する。日内変動はあるが日中の活動時間帯に高く、起床時に最高というほど明確なパターンではない。

  2. 2.  コルチゾール

    副腎皮質ホルモンの代表で、起床前後(午前6〜8時頃)に最高値、深夜0時頃に最低値という典型的な概日リズムを示す。糖新生・血圧維持・抗炎症作用などを担う。

  3. × 3.  成長ホルモン

    下垂体前葉から分泌され、入眠後の深いノンレム睡眠(特に最初の徐波睡眠)でピークを迎える。「寝る子は育つ」の生理学的根拠であり、起床時には低値となる。

  4. × 4.  メラトニン

    松果体から分泌される睡眠誘発ホルモンで、夜間(特に午前2〜4時頃)にピークを迎え、光刺激で抑制される。起床して光を浴びると低下するため、起床時は最高ではない。

ホルモンの日内変動は概日リズム(サーカディアンリズム)の典型例。起床時にコルチゾールが上昇するのは「コルチゾール覚醒反応」と呼ばれ、起床後30分でさらにピークに達することが知られる。一方、メラトニンと成長ホルモンは夜間(睡眠時)にピーク、TSHも夜間〜早朝高値、テストステロンも早朝高値、レニン・アルドステロンは早朝高値といった具合に各ホルモンに固有のリズムがある。シフトワーカーや時差ボケでこのリズムが崩れると、糖代謝障害・睡眠障害・気分障害のリスクが増加する。

ホルモンの概日リズムを問う問題。起床時最高=コルチゾールという基本パターンを押さえる。