睡眠中に増えるホルモンを覚えよう
看護師国家試験 第110回 午前 第35問 / 人体の構造・機能 / 内分泌系
国試問題にチャレンジ
成人の睡眠中に分泌が増加するホルモンはどれか。
- 1.アドレナリン
- 2.オキシトシン
- 3.成長ホルモン
- 4.甲状腺ホルモン
対話形式の解説
博士
睡眠中に分泌が増えるホルモンといえば何を思い浮かべる?
サクラ
メラトニンは聞いたことがあります。
博士
よいぞ。じゃが今回の選択肢にはメラトニンはない。代わりにどれか増えるものがあるぞ。
サクラ
成長ホルモンでしょうか?
博士
ご名答。入眠後の深いノンレム睡眠のときにドンと分泌されるのじゃ。
サクラ
だから『寝る子は育つ』って言うんですね。
博士
そうじゃ。成人でも組織の修復や代謝調節に関わるから大事じゃぞ。
サクラ
選択肢1のアドレナリンはどうですか?
博士
あれは交感神経の興奮時に増えるものじゃから、睡眠中はむしろ減るのじゃ。
サクラ
オキシトシンは分娩や授乳に関わるホルモンでしたよね。
博士
うむ、下垂体後葉から分泌されて子宮収縮や射乳反射を起こす。睡眠とは直接関係せん。
サクラ
甲状腺ホルモンは代謝を上げるホルモンですね。
博士
そうじゃ、日内変動は比較的穏やかで睡眠と連動して増えるわけではない。
サクラ
睡眠と関係の深いホルモンは他にどんなものがありますか?
博士
メラトニンは入眠を促し、コルチゾールは起床前に上昇して覚醒を促すのじゃ。
サクラ
睡眠と内分泌はつながっているんですね。
博士
その通り、生活リズムを整えることがホルモン分泌の安定につながるのじゃ。
POINT
成長ホルモンは下垂体前葉から分泌され、入眠後の深いノンレム睡眠時に最も多く分泌されます。タンパク同化や組織修復に働き、成人でも重要な役割を果たします。アドレナリンは興奮時、オキシトシンは分娩・授乳時、甲状腺ホルモンは比較的恒常的に分泌されます。睡眠と内分泌の関係を押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:成人の睡眠中に分泌が増加するホルモンはどれか。
解説:正解は3です。成長ホルモンは下垂体前葉から分泌され、入眠後の深いノンレム睡眠(徐波睡眠)時に分泌がピークとなります。タンパク同化作用や脂質分解作用を持ち、骨や筋の成長のほか成人でも組織修復・代謝調節に関与します。
選択肢考察
-
× 1. アドレナリン
副腎髄質から分泌されるカテコールアミンで、交感神経の興奮時に増加し、睡眠中はむしろ分泌が低下します。
-
× 2. オキシトシン
下垂体後葉から分泌され、分娩時の子宮収縮や射乳反射に関わるホルモンで、睡眠との関連で顕著に増加するものではありません。
-
○ 3. 成長ホルモン
入眠後の深いノンレム睡眠期に分泌が最大となり、「寝る子は育つ」の生理学的根拠となっているホルモンです。
-
× 4. 甲状腺ホルモン
代謝を亢進させるホルモンで日内変動は比較的小さく、睡眠と連動して大きく増加する代表例ではありません。
睡眠と関連するホルモンとしては、松果体から分泌され入眠を促すメラトニン、起床前に上昇して覚醒を促すコルチゾールも重要です。成長ホルモンは入眠後最初の深睡眠時に特に多く分泌されるため、成長期の十分な睡眠や創傷治癒促進の観点から規則的な睡眠リズムが推奨されます。
睡眠と内分泌の関係、とくにノンレム睡眠時に分泌が増える成長ホルモンを識別できるかが問われています。
「内分泌系」の関連記事
-
朝、身体を起こすホルモン—コルチゾールの概日リズム
ホルモンの概日リズムを問う問題。起床時最高=コルチゾールという基本パターンを押さえる。
114回
-
1日5Lの尿が止まらない!尿崩症と下垂体後葉の役割
口渇・多飲・多尿に加え、低比重尿・低浸透圧尿という尿崩症の特徴的所見から、ADHの分泌器官である下垂体後葉を選ぶ…
114回
-
尿量を調節するホルモンの識別
下垂体後葉ホルモンであるバソプレシンの作用と、他の主要ホルモンの分泌部位・機能を識別できるかを問う問題です。
113回
-
空腹時に採るべきホルモンは?
各ホルモンの分泌調節機構を理解し、食事(血糖変動)の影響を強く受けるのがグルカゴンであることを見抜けるかを問…
111回
-
昇圧物質と降圧物質を見極めよう
体内の生理活性物質のうち、血管収縮作用により血圧を上昇させるものを選択する問題です。
110回