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尿量を調節するホルモンの識別

看護師国家試験 第113回 午後 第73問 / 人体の構造・機能 / 内分泌系

国試問題にチャレンジ

113回 午後 第73問

尿量の調節に深く関わるホルモンはどれか。

  1. 1.ガストリン
  2. 2.カルシトニン
  3. 3.グルカゴン
  4. 4.ソマトスタチン
  5. 5.バソプレシン

対話形式の解説

博士 博士

博士じゃ。尿量調節のホルモンといえば何が思いつく?

サクラ サクラ

抗利尿ホルモン、バソプレシンですね。

博士 博士

その通りじゃ。どこから分泌されるのじゃ?

サクラ サクラ

視床下部で作られて、下垂体後葉から分泌されます。

博士 博士

うむ。作用部位と作用機序は?

サクラ サクラ

腎集合管に作用して、アクアポリン2を介して水の再吸収を促進します。

博士 博士

ようできた。結果として尿は濃縮されて尿量が減るのじゃ。

サクラ サクラ

分泌が低下すると尿崩症で多尿になるんですよね。

博士 博士

そうじゃ。1日20L以上の尿が出ることもあるぞ。

サクラ サクラ

選択肢1のガストリンは胃酸分泌、選択肢2のカルシトニンは血中Ca低下ですね。

博士 博士

うむ。選択肢3のグルカゴンと選択肢4のソマトスタチンは?

サクラ サクラ

グルカゴンは血糖上昇、ソマトスタチンはインスリンやグルカゴンの抑制です。

博士 博士

どれも尿量調節には関わらんのう。

サクラ サクラ

他に水代謝に関わるホルモンってありますか?

博士 博士

アルドステロンはNa再吸収を介して水を引き込むし、ANPは水排泄を促すのじゃ。

サクラ サクラ

SIADHではバソプレシンが過剰に出て低Na血症になりますね。

博士 博士

よう覚えておる。臨床でも大切な病態じゃ。

POINT

本問は尿量調節に関わるホルモンを問う基本的な内分泌問題です。正解のバソプレシン(ADH)は下垂体後葉から分泌され、腎集合管での水再吸収を促進して尿量を減少させます。分泌低下で尿崩症、過剰で抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)を呈します。他の選択肢はいずれも消化管・内分泌系の重要ホルモンですが、尿量調節には直接関与しません。関連ホルモンとしてアルドステロンやANPも併せて理解しておくと得点源となります。

解答・解説

正解は 5 です

問題文:尿量の調節に深く関わるホルモンはどれか。

解説:正解は5「バソプレシン」です。バソプレシンは視床下部で合成され下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモン(ADH)で、腎集合管での水再吸収を促進して尿量を減少させ、体液量と浸透圧を調節します。

選択肢考察

  1. × 1.  ガストリン

    胃幽門部のG細胞から分泌される消化管ホルモンで、胃酸分泌を促進します。尿量調節には関与しません。

  2. × 2.  カルシトニン

    甲状腺傍濾胞細胞から分泌され、破骨細胞抑制により血中カルシウム濃度を低下させます。腎でカルシウム排泄には関わりますが、水代謝の主役ではありません。

  3. × 3.  グルカゴン

    膵ランゲルハンス島α細胞から分泌され、肝グリコーゲン分解により血糖を上昇させます。尿量調節には関与しません。

  4. × 4.  ソマトスタチン

    膵ランゲルハンス島δ細胞などから分泌され、インスリン・グルカゴンや成長ホルモンの分泌を抑制します。尿量調節とは無関係です。

  5. 5.  バソプレシン

    下垂体後葉から分泌されるADHで、腎集合管のアクアポリン2発現を促して水再吸収を亢進させ、尿量を減らします。分泌低下では中枢性尿崩症となり多尿を呈します。

尿量・体液量に関わる他のホルモンとしてアルドステロン(副腎皮質由来、Na再吸収とK排泄促進)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP、ナトリウム・水排泄促進)、副腎皮質刺激ホルモンなどがあります。バソプレシン過剰分泌症候群(SIADH)では低ナトリウム血症と乏尿を呈します。

下垂体後葉ホルモンであるバソプレシンの作用と、他の主要ホルモンの分泌部位・機能を識別できるかを問う問題です。