副交感神経を含む脳神経を整理しよう
看護師国家試験 第108回 午後 第82問 / 人体の構造・機能 / 神経系
国試問題にチャレンジ
副交感神経を含む脳神経はどれか。2つ選べ。
- 1.嗅神経
- 2.視神経
- 3.動眼神経
- 4.三叉神経
- 5.迷走神経
対話形式の解説
博士
今回は脳神経のなかで副交感神経線維を含むのはどれか、という定番問題じゃ。
アユム
脳神経は12対ありますよね。感覚・運動・混合と分類されていたと思います。
博士
そのとおり。感覚性は嗅・視・内耳、運動性は滑車・外転・副・舌下、残りが混合性じゃ。
アユム
混合性のなかに副交感線維を含むものがあるんですか?
博士
よい質問じゃ。副交感を含むのは動眼・顔面・舌咽・迷走の4つ、語呂で「3・7・9・10」と覚えるのじゃ。
アユム
選択肢でいうと3の動眼神経と5の迷走神経が正解になりますね。
博士
そうじゃ。動眼神経の副交感線維はエディンガー・ウェストファル核由来で、瞳孔括約筋と毛様体筋を支配し縮瞳と近見調節を担うのじゃよ。
アユム
迷走神経はどんな働きですか?
博士
迷走神経は胸腹部臓器に広く分布し、心拍を抑制し、気管支を収縮させ、消化管の運動と分泌を促進するのじゃ。
アユム
1の嗅神経と2の視神経は純粋な感覚神経なので副交感は含まないんですね。
博士
正解じゃ。4の三叉神経は顔面感覚と咀嚼筋を担う混合神経じゃが、副交感線維は含まぬ。顔面神経が涙腺・顎下腺・舌下腺、舌咽神経が耳下腺を支配する点もあわせて押さえておくのじゃ。
アユム
縮瞳は動眼神経の副交感作用、散瞳は交感神経という対比も覚えやすいですね。
博士
臨床では動眼神経麻痺で散瞳と眼瞼下垂、迷走神経反射で徐脈と血圧低下が起こる。解剖と症状をつなげて理解するのが肝要じゃ。
POINT
副交感神経線維を含む脳神経は動眼(III)・顔面(VII)・舌咽(IX)・迷走(X)の4つで、語呂「3・7・9・10」で暗記します。動眼神経は縮瞳と調節、顔面・舌咽は唾液腺・涙腺、迷走神経は胸腹部臓器を支配します。本問では選択肢中に動眼と迷走の2つがあり、これが正解となります。嗅・視は純感覚神経、三叉は混合神経ですが副交感は含みません。
解答・解説
正解は 3 ・ 5 です
問題文:副交感神経を含む脳神経はどれか。2つ選べ。
解説:正解は 3 と 5 です。脳神経は左右12対あり、その中で副交感神経線維を含むのは動眼神経(III)・顔面神経(VII)・舌咽神経(IX)・迷走神経(X)の4つです。動眼神経の副交感線維は瞳孔括約筋と毛様体筋を支配し縮瞳と調節を行い、迷走神経は胸腹部臓器の広範囲を支配し心拍抑制・消化管運動促進・気管支収縮などを司ります。
選択肢考察
-
× 1. 嗅神経
嗅神経(I)は純粋な感覚神経で嗅覚を伝えるのみで、副交感線維は含みません。
-
× 2. 視神経
視神経(II)は感覚神経で視覚情報を伝達するのみで、副交感線維は含みません。
-
○ 3. 動眼神経
動眼神経(III)は外眼筋を支配する運動線維に加えて、エディンガー・ウェストファル核から起こる副交感線維を含み、瞳孔括約筋と毛様体筋を支配します。
-
× 4. 三叉神経
三叉神経(V)は顔面の感覚と咀嚼筋の運動を司る混合神経ですが、副交感線維は含みません。
-
○ 5. 迷走神経
迷走神経(X)は脳神経で最も広範囲に分布し、咽喉頭から胸腹部臓器まで広く副交感線維を送ります。
副交感線維を含む脳神経の覚え方は「3・7・9・10(ミナクトウ)」。3動眼、7顔面、9舌咽、10迷走。顔面神経は涙腺・顎下腺・舌下腺を、舌咽神経は耳下腺を支配します。
12対の脳神経のうち副交感神経線維を含むものを問う基本問題で、動眼・顔面・舌咽・迷走の4つを区別できるかが焦点です。
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