女性骨盤 腹側から尿道→腟→肛門管 外陰部の並びで覚える
看護師国家試験 第106回 午後 第63問 / 人体の構造・機能 / 生殖器系
国試問題にチャレンジ
女性の骨盤腔内器官について腹側から背側への配列で正しいのはどれか。
- 1.尿道 ------- 肛門管 ----- 腟
- 2.腟 --------- 尿道 ------- 肛門管
- 3.肛門管 ----- 腟 --------- 尿道
- 4.尿道 ------- 腟 --------- 肛門管
- 5.腟 --------- 肛門管 ----- 尿道
対話形式の解説
博士
今回は女性の骨盤内臓器の位置関係について学ぶぞ。看護師として会陰ケアや導尿を行う上で基本中の基本じゃ。
サクラ
骨盤の中は臓器がぎっしり詰まっていて、正直イメージしにくいです。
博士
よし、まず矢状断、つまり体を真横から切った面を思い浮かべてみよう。腹側(お腹側)から背側(背中側)に何が並ぶと思う?
サクラ
えーっと、膀胱は前の方にある気がします。
博士
その通り。恥骨結合のすぐ後ろに膀胱があり、その下に尿道が走る。だから尿道は最も腹側じゃ。
サクラ
じゃあ腟は真ん中ですか?
博士
うむ。膀胱・尿道の後ろに子宮と腟が続き、さらにその後ろに直腸と肛門管がある。下方で見ると『尿道→腟→肛門管』の順になる。
サクラ
あ、これって外陰部を見たときの並びと同じですよね?尿道口、腟口、肛門の順。
博士
素晴らしい気づきじゃ。その通りで、外から見える並びと骨盤内の並びは一致しておる。覚えるときにそれを使うと楽じゃ。
サクラ
ということは、正解は選択肢4の『尿道→腟→肛門管』ですね。
博士
正解じゃ。ちなみに子宮と膀胱の間には膀胱子宮窩、子宮と直腸の間にはダグラス窩があるぞ。
サクラ
ダグラス窩!聞いたことあります。臨床で何が大事なんですか?
博士
腹膜腔の最も低い陥凹じゃから、腹膜炎や出血のときに液体がたまりやすい。経腟エコーや後腟円蓋穿刺で観察・排液できる部位として重要じゃ。
サクラ
解剖と臨床がつながってますね。男性はどう違うんですか?
博士
男性は腟や子宮がないので、腹側から膀胱→前立腺→精嚢、直腸となる。直腸診で前立腺を触れるのは直腸の腹側にあるからじゃ。
サクラ
なるほど!導尿の際も、女性の尿道は短いから感染に注意って聞きますよね。
博士
よい関連じゃ。女性の尿道は約3〜4cm、男性は約16〜20cm。女性は尿路感染症が多い理由の一つじゃ。
サクラ
分娩のときも、会陰が裂けないように切開するって、この解剖と関係ありますよね?
博士
その通り。会陰は腟口と肛門の間の領域で、分娩時に強く引き伸ばされる。会陰裂傷の程度によってⅠ度〜Ⅳ度に分類され、Ⅳ度は肛門括約筋と直腸粘膜まで及ぶ重症じゃ。
サクラ
位置関係を理解していると、なぜそのケアが必要かが腑に落ちますね。
POINT
女性の骨盤腔内臓器は、腹側(恥骨側)から背側(仙骨側)に向かって、尿道・腟・肛門管の順に配列しています。これは外陰部の開口部の並びと一致しており、『外から見える順序がそのまま内部の順序』と覚えると理解しやすい解剖学的関係です。膀胱・子宮・直腸の間にはダグラス窩(直腸子宮窩)という腹膜腔の最深部があり、腹膜炎時の膿瘍貯留や子宮外妊娠破裂時の出血貯留など、臨床的に重要な部位となります。導尿、会陰ケア、分娩介助、婦人科診察など、女性への看護援助の多くはこの解剖の理解が前提となります。基本解剖として確実に押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:女性の骨盤腔内器官について腹側から背側への配列で正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。女性の骨盤腔内では、恥骨側(腹側)から仙骨側(背側)にかけて、膀胱・尿道、子宮・腟、直腸・肛門管の順に並んでいる。つまり下部で見ると、腹側から順に『尿道 → 腟 → 肛門管』となる。この配列は外陰部の開口部(尿道口・腟口・肛門)の前後関係とも一致しており、外陰を観察するときの並びと同じである。
選択肢考察
-
× 1. 尿道 ------- 肛門管 ----- 腟
肛門管と腟の順序が逆。肛門管は最も背側に位置する。
-
× 2. 腟 --------- 尿道 ------- 肛門管
尿道の方が腟より腹側にある。最も腹側にあるのは尿道(膀胱の直下)。
-
× 3. 肛門管 ----- 腟 --------- 尿道
腹背関係が完全に逆。肛門管は最も背側、尿道は最も腹側である。
-
○ 4. 尿道 ------- 腟 --------- 肛門管
正しい。恥骨側から仙骨側へ、尿道→腟→肛門管の順に並ぶ。外陰部の開口部の並びと一致する。
-
× 5. 腟 --------- 肛門管 ----- 尿道
尿道が背側にくる配置はあり得ない。恥骨結合のすぐ後ろにあるのが膀胱と尿道である。
女性骨盤腔の矢状断でみると、腹側から『膀胱→子宮→直腸』、下方では『尿道→腟→肛門管』の順。子宮と膀胱の間には膀胱子宮窩、子宮と直腸の間にはダグラス窩(直腸子宮窩)という腹膜腔の陥凹があり、腹膜炎時に膿瘍が貯留しやすい部位として臨床的に重要。分娩時には、児頭は恥骨弓と仙骨の間を通過するが、腟と肛門の間の会陰が裂けないよう会陰保護や会陰切開が行われる。
女性骨盤内臓器の解剖学的配列を問う基本問題。外陰部を見たときの順序(尿道口・腟口・肛門)がそのまま答え。
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