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グルグル回るとなぜめまい?角加速度を感知する半規管の正体

看護師国家試験 第106回 午前 第27問 / 人体の構造・機能 / 感覚器系

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第27問

角加速度を感知するのはどれか。

  1. 1.耳管
  2. 2.前庭
  3. 3.耳小骨
  4. 4.半規管

対話形式の解説

博士 博士

今回は平衡感覚のセンサー、半規管について学ぶぞ。

サクラ サクラ

半規管って、三半規管のことですよね?

博士 博士

その通り。前・後・外側の3つがあって、互いにほぼ直交して配置されておる。だから3次元のあらゆる回転を感知できるのじゃ。

サクラ サクラ

どうやって回転を感じるんですか?

博士 博士

半規管の中には内リンパ液が入っておって、頭を回転させると液が慣性で取り残され、相対的に流れるのじゃ。その流れがクプラというゼリー状の構造を傾け、中の有毛細胞が刺激される。それが電気信号となって前庭神経を伝わるのじゃよ。

サクラ サクラ

なるほど、コップの中の水が揺れるようなイメージですね。

博士 博士

まさにその通り。だから目を閉じていても、頭がどちらに回っているかがわかるのじゃ。

サクラ サクラ

前庭は何をしているんですか?

博士 博士

前庭は卵形嚢と球形嚢からなる耳石器じゃ。こちらは直線加速度と重力を感知する。エレベーターで上下に動くときや、体を前後左右に傾けるとき、耳石が有毛細胞を刺激するのじゃ。

サクラ サクラ

半規管=回転、前庭=直線と重力、とペアで覚えると分かりやすいですね。

博士 博士

うむ、それが鉄則。国試では必ずこの対比が問われるぞ。

サクラ サクラ

耳管と耳小骨は平衡覚には関係ないんですか?

博士 博士

関係ないのじゃ。耳管は中耳と咽頭を結び気圧を調整する管、耳小骨はツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨で鼓膜の振動を蝸牛に伝える聴覚系。どちらも平衡覚とは別の系統じゃ。

サクラ サクラ

めまいが起こるのは半規管が異常を起こしたときですか?

博士 博士

代表疾患を挙げるとメニエール病、良性発作性頭位めまい症(BPPV)、前庭神経炎などじゃな。BPPVは耳石が半規管に迷入して異常な刺激を起こすのが原因じゃ。

サクラ サクラ

回転性のめまいって、まさに半規管の信号ですね。

博士 博士

その通り。「グルグル回る」のが回転性めまい(眩暈)、「フワフワする」のが浮動性めまいで原因が異なる。前者は末梢性(耳性)、後者は中枢性のことが多いのじゃ。

サクラ サクラ

看護師としては、めまい患者さんに何を気をつければいいですか?

博士 博士

まず転倒予防じゃな。ベッド柵、歩行時の見守り、浴室の滑り止め。それから悪心・嘔吐を伴うことが多いので安静体位と嘔吐対応、そして不安への声かけも大切じゃ。

サクラ サクラ

小さな器官に大きな役割がありますね。

博士 博士

うむ。半規管は数ミリしかないが、ここがやられるとまっすぐ立つこともできなくなる。人間の姿勢保持を支える縁の下の力持ちじゃ。

POINT

角加速度(回転運動)を感知するのは内耳の半規管です。3つの半規管が互いに直交して配置され、頭部が回転すると内リンパ液の流れによりクプラが傾き、有毛細胞を介して前庭神経を経由して脳に情報を伝えます。同じ内耳にある前庭(卵形嚢・球形嚢)は直線加速度と重力を感知し、耳管は気圧調整、耳小骨は聴覚伝導と、それぞれ役割が明確に異なります。メニエール病やBPPVなど平衡障害の理解につながる基礎知識として、半規管=回転、前庭=直線、の対比を確実に押さえましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:角加速度を感知するのはどれか。

解説:正解は 4 の「半規管」です。内耳には聴覚を担う蝸牛と、平衡覚を担う前庭・半規管があります。半規管は3つの互いに直交する管(前・後・外側半規管)からなり、頭部の回転運動(角加速度)を感知します。回転が起こると管内の内リンパ液に慣性で流れが生じ、クプラと呼ばれるゼリー状の構造が傾いて有毛細胞を刺激し、前庭神経を介して回転の方向と速度を脳へ伝えます。一方、前庭(球形嚢・卵形嚢)は直線加速度と重力を感知する器官であり、半規管とは役割が異なります。

選択肢考察

  1. × 1.  耳管

    中耳と上咽頭をつなぐ管。鼓膜の内外の気圧を調整する役割を持ち、平衡覚には関与しない。

  2. × 2.  前庭

    卵形嚢と球形嚢からなり、耳石器とも呼ばれる。直線加速度と重力(静的平衡)を感知するが、角加速度は感知しない。

  3. × 3.  耳小骨

    中耳にあるツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨の3つの小骨で、鼓膜の振動を内耳の蝸牛に伝達する聴覚の伝導装置。平衡覚には関与しない。

  4. 4.  半規管

    前・後・外側の3つの半規管が互いに直交して配置され、あらゆる方向の頭部の回転(角加速度)を感知する。内リンパの流れでクプラが傾き有毛細胞が興奮する。

平衡覚の整理:半規管=回転運動(角加速度)、前庭の耳石器(卵形嚢・球形嚢)=直線加速度と重力。半規管と前庭の情報は前庭神経を経て、前庭神経核から小脳・大脳・眼球運動系へ伝わり、身体の位置感覚と眼球反射(前庭動眼反射)を制御する。前庭機能の異常で生じる代表疾患にはメニエール病(内リンパ水腫)、良性発作性頭位めまい症(BPPV:耳石の迷入)、前庭神経炎などがある。看護ではめまい患者の転倒予防と安静体位への配慮が重要。

内耳の構造と機能を問う問題。半規管=角加速度(回転)、前庭=直線加速度と重力、というペアで記憶する。