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聴覚と平衡感覚は内耳のリンパ液が主役じゃ

看護師国家試験 第110回 午前 第84問 / 人体の構造・機能 / 感覚器系

国試問題にチャレンジ

110回 午前 第84問

感覚受容にリンパ液の動きが関与するのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.嗅覚
  2. 2.聴覚
  3. 3.味覚
  4. 4.振動感覚
  5. 5.平衡感覚

対話形式の解説

博士 博士

今日は感覚のうち、リンパ液が関わるものを考えるぞ。何と何だと思う?

アユム アユム

えっと…聴覚と平衡感覚ですか

博士 博士

その通りじゃ。どちらも内耳にある

アユム アユム

内耳って具体的にどんな構造ですか

博士 博士

骨迷路の中に膜迷路があって、その間を外リンパ、膜迷路の中を内リンパが満たしておる

アユム アユム

聴覚はどうやって感じ取るのですか

博士 博士

鼓膜の振動が耳小骨で増幅されて、アブミ骨から前庭窓を通って蝸牛のリンパ液に伝わるんじゃ

アユム アユム

リンパ液の波がコルチ器の有毛細胞を刺激するのですね

博士 博士

その通り。有毛細胞が電気信号に変えて蝸牛神経へ送る

アユム アユム

平衡感覚の仕組みも似ていますか

博士 博士

似ておるぞ。半規管の内リンパが頭の回転で動いて、膨大部稜の感覚毛を傾ける

アユム アユム

前庭の耳石器は何を感じますか

博士 博士

直線加速度や重力の方向じゃ。エレベーターで感じる浮遊感はこれじゃな

アユム アユム

嗅覚や味覚はリンパ液じゃないんですね

博士 博士

そう、化学感覚じゃから分子を直接受容する。振動感覚は皮膚のパチニ小体で感じるぞ

アユム アユム

メニエール病は内リンパ水腫が原因ですよね

博士 博士

よう覚えておった。めまい・耳鳴・難聴の三主徴が有名じゃ

POINT

聴覚と平衡感覚は内耳のリンパ液を介して受容される特殊感覚です。蝸牛では音の振動が外リンパ・内リンパを波立たせコルチ器の有毛細胞を刺激し、半規管・前庭では内リンパの流動や耳石の移動が感覚毛を傾けます。嗅覚と味覚は化学物質の直接受容、振動感覚は皮膚の機械受容器が関与する点で区別できます。メニエール病のように内リンパ水腫が起こると両者が障害されます。

解答・解説

正解は 2 5 です

問題文:感覚受容にリンパ液の動きが関与するのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は2と5です。内耳の蝸牛管と前庭・半規管はリンパ液(外リンパ・内リンパ)で満たされており、音刺激による基底板の振動や頭位変化による内リンパの流動が有毛細胞を刺激して電気信号に変換されます。聴覚と平衡感覚はいずれも内耳リンパ液の動きを介して受容されます。

選択肢考察

  1. × 1.  嗅覚

    嗅覚は鼻腔上部の嗅上皮にある嗅細胞が空気中のにおい分子を直接受容する化学感覚で、リンパ液の動きは介しません。情報は嗅神経から嗅球へ伝達されます。

  2. 2.  聴覚

    鼓膜と耳小骨を経て伝わった振動がアブミ骨から前庭窓に伝わり、蝸牛の外リンパ・内リンパを波立たせます。基底板上のコルチ器の有毛細胞が刺激されて電気信号となり、蝸牛神経を経て聴覚野に達します。

  3. × 3.  味覚

    味覚は舌表面の味蕾にある味細胞が唾液中に溶けた味物質と結合して受容する化学感覚で、リンパ液は関与しません。顔面神経・舌咽神経などを介して伝達されます。

  4. × 4.  振動感覚

    振動感覚は皮膚や皮下のパチニ小体などの機械受容器が感知する深部感覚の一種で、後索路を通って中枢に伝わります。内耳のリンパ液とは関係ありません。

  5. 5.  平衡感覚

    半規管の内リンパは頭部の回転運動で流動し、膨大部稜の感覚毛を傾けて刺激となります。前庭の耳石器は直線加速度を受容します。いずれも内リンパの動きが鍵となります。

内耳は「骨迷路」の中に「膜迷路」があり、骨迷路と膜迷路の間を外リンパ、膜迷路の内部を内リンパが満たしています。メニエール病では内リンパ水腫により回転性めまい・耳鳴・感音難聴の三主徴が出現することを合わせて押さえましょう。

内耳の蝸牛と前庭迷路がリンパ液の流動によって刺激を受容する仕組みを理解しているかを問う問題です。