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目はカメラに似ている!虹彩は自動絞りの役割

看護師国家試験 第109回 午前 第76問 / 人体の構造・機能 / 感覚器系

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第76問

眼球に入る光の量を調節するのはどれか。

  1. 1.角膜
  2. 2.虹彩
  3. 3.瞳孔
  4. 4.水晶体
  5. 5.毛様体

対話形式の解説

博士 博士

今日は眼球の構造と機能じゃ。目はよくカメラに例えられるが、それぞれの役割をイメージできれば楽勝じゃ。

アユム アユム

カメラで言うと、レンズは水晶体ですよね。

博士 博士

その通り。水晶体は凸レンズで、毛様体筋とチン小帯の連動で厚さを変えてピント調整する。近くを見るときは厚く、遠くを見るときは薄くなる。

アユム アユム

では角膜は?

博士 博士

角膜はカメラでいう前面の保護ガラスのようなもので、光を最初に屈折させる重要な部位じゃ。透明で血管がなく、涙液と房水から栄養をもらう。

アユム アユム

光量を調節するのは何でしょう?カメラで言うと絞りですよね。

博士 博士

その通り!それが虹彩じゃ。茶色、青、緑など人によって色が違う部分で、中央に瞳孔という穴を持つ。

アユム アユム

瞳孔自体は構造というより『穴』なんですね。

博士 博士

そう、だから選択肢3の『瞳孔』は不正解。光量を調節する『主体』は虹彩じゃ。瞳孔の大きさは虹彩の筋肉の働きで決まる。

アユム アユム

虹彩にはどんな筋肉があるんですか?

博士 博士

2つある。瞳孔括約筋と瞳孔散大筋じゃ。

アユム アユム

どう違うんですか?

博士 博士

瞳孔括約筋は副交感神経(動眼神経)支配で、収縮すると瞳孔が小さくなる。これが縮瞳じゃ。明るいところで働く。

アユム アユム

瞳孔散大筋は?

博士 博士

交感神経支配で、収縮すると瞳孔が大きくなる。これが散瞳。暗いところや興奮時に働く。

アユム アユム

明るいところで縮瞳、暗いところで散瞳…よく対光反射のチェックでやりますね。

博士 博士

そう、対光反射(瞳孔反射)は重要な神経学的観察じゃ。光刺激→視神経→中脳の動眼神経副核→動眼神経→瞳孔括約筋の経路で縮瞳する。

アユム アユム

意識障害の患者さんでは必ずチェックしますね。

博士 博士

うむ。左右差(瞳孔不同)は脳ヘルニアの緊急サインじゃ。瞳孔径5mm以上で対光反射消失は切迫ヘルニアの危険信号じゃ。

アユム アユム

毛様体は光量調節には関係ないんですね。

博士 博士

そう、毛様体は水晶体の厚さを変える遠近調節と、房水産生による眼圧維持が役割。光量調節ではない。

アユム アユム

ではまとめると、角膜=前面の窓、虹彩=絞り、瞳孔=絞りの穴、水晶体=レンズ、毛様体=レンズ調節筋、ですね。

博士 博士

その整理で完璧じゃ。網膜がカメラの撮像素子(フィルム)に相当するのも追加で覚えると理解が深まる。

アユム アユム

眼科の臨床や神経観察の土台になりますね。

POINT

眼球に入る光の量を調節するのは虹彩です。虹彩は瞳孔を取り囲む色素性の円板状組織で、内部の瞳孔括約筋(副交感神経支配、縮瞳)と瞳孔散大筋(交感神経支配、散瞳)によって瞳孔径を変化させ、網膜への入射光量を自動調整します。対光反射の経路は光刺激→視神経→中脳(動眼神経副核)→動眼神経→瞳孔括約筋で、意識障害や脳ヘルニアの観察で不可欠な神経学的指標となります。眼球をカメラに例えると、角膜=前面の窓、虹彩=絞り、瞳孔=絞りの穴、水晶体=レンズ、毛様体=レンズ調節筋、網膜=フィルム、と整理できます。この基本構造の理解が、眼科看護や神経学的観察の土台となります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:眼球に入る光の量を調節するのはどれか。

解説:正解は 2 です。虹彩(こうさい)は角膜と水晶体の間にある色素を含んだ円盤状の膜で、中央に瞳孔という開口部を持つ。虹彩内部には瞳孔括約筋(副交感神経支配、縮瞳)と瞳孔散大筋(交感神経支配、散瞳)があり、光量に応じてこれらを収縮・弛緩させることで瞳孔径を変え、網膜に入る光量を自動的に調節している。

選択肢考察

  1. × 1.  角膜

    角膜は眼球前面の透明な膜で、光を屈折させて眼内に導入する役割を持つ。光の屈折はするが光量の調節はしない。血管はなく涙液と房水から栄養を受ける。

  2. 2.  虹彩

    虹彩は瞳孔径を変えることで眼球内に入る光量を調節する。強光下では瞳孔括約筋が収縮し縮瞳(2〜3mm)、暗所では瞳孔散大筋が働き散瞳(6〜8mm)する。いわば眼球内蔵の自動絞りである。

  3. × 3.  瞳孔

    瞳孔は虹彩中央の開口部(穴)そのものであり、構造物ではなく虹彩の動きによって大きさが変わる結果としての空間である。光量を『調節する主体』ではない。

  4. × 4.  水晶体

    水晶体は凸レンズ状の透明組織で、毛様体筋とチン小帯の連動によって厚さを変え、遠近調節(ピント合わせ)を行う。光量調節には関与しない。

  5. × 5.  毛様体

    毛様体は水晶体を取り囲む組織で、毛様体筋の収縮・弛緩により水晶体の厚さを変えて遠近調節に関わる。また房水を産生して眼圧を維持する。光量調節は担わない。

瞳孔反射(対光反射)は、光刺激→視神経→中脳の動眼神経副核(Edinger-Westphal核)→動眼神経→瞳孔括約筋と伝わり縮瞳する反射で、脳幹機能の重要な指標である。意識障害時の瞳孔径と対光反射のチェックはJCSやGCSと並ぶ基本観察。散瞳は交感神経(アドレナリン作動性)、縮瞳は副交感神経(コリン作動性)と対照的で、アトロピン点眼で散瞳、ピロカルピン点眼で縮瞳する。瞳孔不同(アニソコリア)は脳ヘルニアなどの緊急サインで、左右差に注意。

眼の構造と機能のうち、光量調節を担う部位を問う基本問題。『虹彩=絞り、水晶体=レンズ、角膜=前面の窓』とカメラに例えて整理するとわかりやすい。