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3つの災害法規を整理!基本法・救助法・弔慰金法の違い

看護師国家試験 第109回 午前 第74問 / 看護の統合と実践 / 災害と看護

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第74問

災害対策基本法に定められている内容で正しいのはどれか。

  1. 1.物資の備蓄
  2. 2.避難所の設置
  3. 3.災害障害見舞金の支給
  4. 4.救護班による医療の提供

対話形式の解説

博士 博士

今日は災害対策基本法の問題じゃが、この手の問題は災害救助法や災害弔慰金法との区別がカギになる。

アユム アユム

どれも似た名前で混乱します…

博士 博士

じゃからこそ整理するぞ。まず災害対策基本法は1961年、伊勢湾台風を機に制定された防災の基本法。防災の理念と責務の枠組みを定める法律じゃ。

アユム アユム

枠組みの法律ということは、具体的な救助は別の法律なんですね。

博士 博士

その通り。実際の発災後の救助活動は災害救助法が担当する。避難所の設置・運営、食料供給、医療、遺体処理などじゃ。

アユム アユム

じゃあ選択肢2の『避難所の設置』と選択肢4の『救護班による医療提供』は災害救助法ですね。

博士 博士

うむ。両方とも災害救助法の救助の種類に該当する。本問では不正解となる。

アユム アユム

選択肢3の『災害障害見舞金の支給』は?

博士 博士

これは『災害弔慰金の支給等に関する法律』じゃ。災害で亡くなった人の遺族に弔慰金、重度障害を負った人に障害見舞金を支給する制度じゃ。

アユム アユム

見舞金や弔慰金は専用の法律があるんですね。

博士 博士

そして残る選択肢1『物資の備蓄』が災害対策基本法の内容じゃ。第7条で住民の備蓄努力義務、第46条で行政の備蓄整備が規定されておる。

アユム アユム

住民にも備蓄の努力義務があるんですね。知りませんでした。

博士 博士

自助・共助・公助の考え方じゃな。自分の身は自分で守るのが自助、地域で助け合うのが共助、公的機関の支援が公助。備蓄は典型的な自助じゃ。

アユム アユム

最低3日分、できれば1週間分の備蓄と言われますよね。

博士 博士

その通り。首都直下地震や南海トラフを想定すると、公助が届くまで時間がかかるからな。

アユム アユム

看護師として災害時に押さえる法律は他にもありますか?

博士 博士

災害対策基本法の2011年改正では、要配慮者の概念が明確化された。高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、外国人などが対象で、避難行動要支援者名簿の作成が市町村に義務付けられた。

アユム アユム

名簿があれば災害時に誰を優先的に助けるべきかわかりますね。

博士 博士

うむ。看護師は避難所でのトリアージや要配慮者の健康管理、慢性疾患の継続治療などを担当する。法律の棲み分けを理解すれば、どの制度に基づいて動くかが見えてくる。

アユム アユム

基本法=理念と備蓄、救助法=発災後の実施、弔慰金法=金銭給付、と整理して覚えます。

博士 博士

その整理で国試は十分対応できる。災害看護は今後ますます重要になるので、しっかり学んでおくのじゃ。

POINT

災害対策基本法は1961年の伊勢湾台風を契機に制定された日本の防災の基本法で、国・都道府県・市町村および住民の防災責務、防災基本計画の作成、災害予防・応急対策・復旧の枠組みを定めています。本問の正解『物資の備蓄』は、第7条の住民の努力義務および第46条の行政の備蓄整備として明記されています。一方、避難所の設置や救護班による医療提供は災害救助法、災害障害見舞金は災害弔慰金法の所管であり、災害3法の役割分担を理解することが正答のカギとなります。2011年東日本大震災後の改正では要配慮者への配慮や避難行動要支援者名簿作成が追加され、看護師は避難所でのトリアージ・健康管理・要配慮者支援など多様な役割を担うため、これらの法体系を理解しておくことは災害看護の基礎となります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:災害対策基本法に定められている内容で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。災害対策基本法は1961年に伊勢湾台風を契機として制定された、日本の防災体制の基本法である。同法は国・都道府県・市町村および住民の防災責務を明示しており、第7条では住民に対して食品・飲料水その他生活必需物資の備蓄や防災訓練への参加など、自ら災害に備える努力義務を規定している。また第46条でも行政機関による物資・資材の備蓄整備が定められている。

選択肢考察

  1. 1.  物資の備蓄

    災害対策基本法第7条(住民等の責務)および第46条(災害予防)に、食品・飲料水をはじめとする生活必需物資・防災資材の備蓄義務・努力義務が定められている。

  2. × 2.  避難所の設置

    避難所の指定(指定緊急避難所・指定避難所)は災害対策基本法にも規定があるが、発災後の避難所の『設置・運営』自体は災害救助法に基づく救助の種類として規定される。問題文の典型的な出題意図では『設置』は災害救助法の所管とされる。

  3. × 3.  災害障害見舞金の支給

    災害により重度の障害を負った被災者への見舞金制度は、『災害弔慰金の支給等に関する法律』に規定されている。災害対策基本法ではない。

  4. × 4.  救護班による医療の提供

    救護班の派遣と医療提供は災害救助法および防災基本計画・厚生労働省防災業務計画に基づく。災害対策基本法は基本理念と責務の枠組みを定める法律で、具体的な救助実施の根拠は災害救助法が担う。

災害関連法規は『災害対策基本法=防災の基本理念と体制』『災害救助法=発災時の救助実施(避難所設置、食料供給、医療、遺体処理など)』『災害弔慰金法=弔慰金・見舞金の支給』という3本柱で整理すると理解しやすい。2011年東日本大震災後の改正では、要配慮者(高齢者・障害者・妊産婦・乳幼児など)への配慮、避難行動要支援者名簿の作成義務などが追加された。看護師は災害時要配慮者への支援や避難所でのトリアージ・健康管理を担うため、これら法律の棲み分けは実務でも重要である。

災害対策基本法・災害救助法・災害弔慰金法の役割分担を問う問題。『基本法は備蓄・責務・計画、救助法は発災後の実施、弔慰金法は金銭支給』という大枠を押さえることがポイント。