災害トリアージの基本を押さえよう
看護師国家試験 第110回 午後 第71問 / 看護の統合と実践 / 災害と看護
国試問題にチャレンジ
災害時のトリアージで正しいのはどれか。
- 1.トリアージタッグは衣服に装着する。
- 2.治療優先度の高さはトリアージ区分のⅠ、Ⅱ、Ⅲの順である。
- 3.トリアージの判定は患者の到着時および到着後30分の2回行う。
- 4.最優先に治療を必要とする者には、黄色のトリアージタッグを装着する。
対話形式の解説
博士
今日は災害時のトリアージについておさらいするぞ。
サクラ
はい、色で優先度を示すやつですよね。
博士
そうじゃ。Ⅰは赤で最優先、Ⅱは黄で準緊急、Ⅲは緑で軽症、そして0は黒じゃ。
サクラ
信号機と同じで赤が一番危険なんですね。
博士
その通り。では設問の2番「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの順に優先度が高い」は正しいかのう?
サクラ
はい、赤→黄→緑の順ですから正解です。
博士
ついでにタッグはどこに付ける?
サクラ
原則として右手首ですよね。四肢が損傷していれば左手首、右足首、左足首、首の順に変えると習いました。
博士
素晴らしい。では判定は何回行うんじゃ?
サクラ
回数制限はなく、状態が変わるたびに繰り返し再評価するんですよね。1人あたり30秒以内が目安です。
博士
完璧じゃ。START法での流れも言えるかな?
サクラ
歩行可能か、呼吸、循環、意識の順に評価して区分を決めます。
POINT
災害時のトリアージはⅠ赤、Ⅱ黄、Ⅲ緑、0黒の4区分で治療優先度を分類します。タッグは原則右手首に装着し、傷病者の状態変化に合わせて何度でも再評価します。STARTトリアージは歩行・呼吸・循環・意識の順に短時間で判定する手法で、多数傷病者を効率的に振り分ける基本となります。色と優先順位、装着部位、再評価の必要性の3点をセットで押さえましょう。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:災害時のトリアージで正しいのはどれか。
解説:正解は 2 です。災害時のトリアージ区分は、生命の危機が迫り最優先で治療を要するカテゴリーⅠ(赤)、早期の治療が必要だが待機可能なカテゴリーⅡ(黄)、軽症で治療を後回しにできるカテゴリーⅢ(緑)、そして死亡あるいは救命の見込みがない0(黒)の4段階に分けられます。治療優先度はⅠ→Ⅱ→Ⅲの順で低くなり、本肢の記述が正しいと判断できます。
選択肢考察
-
× 1. トリアージタッグは衣服に装着する。
衣服に装着すると切断や着替えで外れてしまうため不適切です。原則として右手首に装着し、外傷などで装着できない場合は左手首→右足首→左足首→首の順に装着部位を移します。
-
○ 2. 治療優先度の高さはトリアージ区分のⅠ、Ⅱ、Ⅲの順である。
Ⅰ(赤・最優先治療群)、Ⅱ(黄・待機的治療群)、Ⅲ(緑・軽処置群)の順で治療の優先度は下がります。これに加え0(黒・無呼吸群)があり、救命の見込みがない、または既に死亡している傷病者を示します。
-
× 3. トリアージの判定は患者の到着時および到着後30分の2回行う。
傷病者の容態は時間とともに変化するため、トリアージは回数制限を設けず繰り返し再評価を行います。なお1人あたりの判定時間の目安は約30秒以内です。
-
× 4. 最優先に治療を必要とする者には、黄色のトリアージタッグを装着する。
最優先で治療を要する傷病者にはカテゴリーⅠとして赤色のタッグを装着します。黄色はカテゴリーⅡで、生命に差し迫った危険はないものの早期の治療が望ましい群です。
覚え方として信号の色と対応させるとわかりやすく、赤=止まれ=最優先、黄=注意=準緊急、緑=進め=軽症とイメージできます。現場ではSTART法(歩行→呼吸→循環→意識の順に評価)を用いて短時間で区分を決定することが多いです。
トリアージの色区分と優先順位、タッグ装着部位、再評価の原則という災害看護の基本知識を問う問題です。
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