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外国人患者の文化的配慮と多職種連携

看護師国家試験 第103回 午後 第79問 / 看護の統合と実践 / 国際化と看護

国試問題にチャレンジ

103回 午後 第79問

Aさんは、3年前に来日した外国人でネフローゼ症候群(nephrotic syndrome)のため入院した。Aさんは日本語を話し日常会話には支障はない。Aさんの食事について、文化的に特定の食品を食べてはいけないなどの制限があるがどうしたらよいかと、担当看護師が看護師長に相談した。 担当看護師に対する看護師長の助言で最も適切なのはどれか。

  1. 1.日本の病院なので文化的制限には配慮できないと話す。
  2. 2.文化的制限は理解できるが治療が最優先されると話す。
  3. 3.Aさんの友人から文化的制限に配慮した食事を差し入れてもらうよう話す。
  4. 4.文化的制限に配慮した食事の提供が可能か栄養管理部に相談するよう話す。

対話形式の解説

博士 博士

今日は在留外国人の患者ケアについて考えよう。文化や宗教による食制限と治療食をどう両立させるかが鍵じゃ。

サクラ サクラ

博士、Aさんはネフローゼ症候群で入院していて、文化的に食べてはいけないものがあるんですね。

博士 博士

そうじゃ。ネフローゼ症候群では塩分制限や蛋白の調整が必要じゃ。そこに文化的・宗教的な食制限が重なる場合、両方を満たす食事を提供する必要がある。

サクラ サクラ

選択肢1の「日本の病院なので文化的制限には配慮できないと話す」はどうですか?

博士 博士

これは絶対にダメじゃ。患者の文化的・宗教的価値観への尊重は医療倫理の基本じゃ。文化を理由に配慮を拒否するのは患者の尊厳を損なう。

サクラ サクラ

選択肢2の「文化的制限は理解できるが治療が最優先されると話す」も違いますか?

博士 博士

そうじゃ。治療と文化的配慮は二者択一ではなく両立させるべきものじゃ。患者の価値観を無視すれば治療への協力も得られなくなり、結果的にアウトカムも悪化する。

サクラ サクラ

選択肢3の「Aさんの友人から差し入れしてもらう」はどうでしょう?

博士 博士

ネフローゼでは塩分・蛋白制限が厳格に必要じゃ。一般人の差し入れに治療食を委ねるのは医療管理上不適切じゃし、衛生面のリスクもある。

サクラ サクラ

だから選択肢4の「栄養管理部に相談する」が正解なんですね。

博士 博士

その通り。管理栄養士は治療食のプロじゃ。文化的制限を踏まえつつ塩分・蛋白制限を満たす献立を組むことができる。多職種連携の好例じゃのう。

サクラ サクラ

外国人患者への対応で他に気をつけることはありますか?

博士 博士

言語サポート、宗教的習慣への配慮、家族の関わり方の違い、健康観の違いなどじゃ。Aさんは日本語が話せるが、複雑な医療説明には医療通訳の活用も検討するとよい。

サクラ サクラ

ハラル食やベジタリアン食にも対応する病院が増えているんですか?

博士 博士

都市部の大病院を中心に対応が進んでおる。文化的多様性を前提とした医療提供体制づくりは今後ますます重要になるじゃろう。

サクラ サクラ

看護師長として若手看護師にどう助言するかも大切ですね。

博士 博士

そうじゃ。一人で抱え込まず、適切な部署や職種に相談することを教えるのも管理者の役割じゃ。

サクラ サクラ

看護倫理と多職種連携の両方を学べました。

博士 博士

ケアの本質は患者を一人の人間として尊重することじゃ。文化を超えてその姿勢を貫くのが看護じゃよ。

POINT

外国人患者の文化的・宗教的食制限と治療食を両立させるためには、管理栄養士のいる栄養管理部に相談し、専門的な調整を行うことが最も適切です。文化を理由に配慮を拒否したり治療を一方的に優先したりすることは患者の尊厳と治療協力を損ないます。看護管理者は多職種連携を促し、個別性と多様性に配慮したケア体制を整える役割を担います。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:Aさんは、3年前に来日した外国人でネフローゼ症候群(nephrotic syndrome)のため入院した。Aさんは日本語を話し日常会話には支障はない。Aさんの食事について、文化的に特定の食品を食べてはいけないなどの制限があるがどうしたらよいかと、担当看護師が看護師長に相談した。 担当看護師に対する看護師長の助言で最も適切なのはどれか。

解説:正解は 4 です。文化的・宗教的な食制限は患者の尊厳と価値観に深く関わるものであり、ネフローゼ症候群の治療に必要な塩分・蛋白制限などの治療食と両立させる必要があります。これは看護師単独では判断できないため、栄養管理部(管理栄養士)に相談し、文化的配慮と治療食の双方を満たす食事提供が可能か検討することが最も適切です。

選択肢考察

  1. × 1.  日本の病院なので文化的制限には配慮できないと話す。

    患者の文化的・宗教的価値観への配慮は医療者の基本姿勢であり、文化を理由に拒否するのは不適切です。

  2. × 2.  文化的制限は理解できるが治療が最優先されると話す。

    治療と文化的配慮は対立するものではなく、両立を図ることが原則です。患者の協力を得るためにも文化的価値観を尊重します。

  3. × 3.  Aさんの友人から文化的制限に配慮した食事を差し入れてもらうよう話す。

    ネフローゼ症候群では塩分・蛋白制限が必要であり、治療食を一般人の差し入れに委ねるのは医療管理上不適切です。衛生面の懸念もあります。

  4. 4.  文化的制限に配慮した食事の提供が可能か栄養管理部に相談するよう話す。

    管理栄養士と連携し文化的配慮と治療食を両立させる食事を検討するのが最適です。多職種連携の好例でもあります。

近年、在留外国人の増加や訪日外国人医療ニーズが高まり、文化的・宗教的多様性への配慮(ハラル食、ベジタリアン食、宗教的断食への対応など)が重要になっています。看護管理者は管理栄養士、医師、通訳、医療ソーシャルワーカーなど多職種と連携して個別性のあるケアを提供する体制づくりが求められます。

外国人患者の文化的配慮と治療食を両立させるための多職種連携を問う問題です。