SDGsとMDGsの違いを押さえよう
看護師国家試験 第108回 午後 第73問 / 看護の統合と実践 / 国際化と看護
国試問題にチャレンジ
国際社会が抱えるヘルスケアを含む課題に対して、すべての国に適用される普遍的(ユニバーサル)な目標で、2015年の国連サミットで採択されたのはどれか。
- 1.ヘルスフォーオール21(Health For All in the 21st century:HFA21)
- 2.ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)
- 3.持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)
- 4.国連開発目標(International Development Goals:IDGs)
対話形式の解説
博士
今日は国際保健の超頻出トピック、SDGsについてじゃ。
サクラ
持続可能な開発目標ですね。いつ採択されたんでしたっけ?
博士
2015年9月の国連サミットじゃ。『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』として全会一致で採択された。
サクラ
MDGsとは何が違うんですか?
博士
MDGsは2000年に採択され、2015年を期限とした主に途上国向けの8目標じゃった。SDGsはそれを引き継ぎつつ、先進国を含む全ての国が対象となる普遍的な目標に進化した。
サクラ
だから『ユニバーサル』なんですね。
博士
その通り。『誰一人取り残さない』を理念に掲げ、17のゴールと169のターゲットで構成されておる。
サクラ
看護に関係する目標はどれですか?
博士
目標3『すべての人に健康と福祉を』じゃ。妊産婦死亡率や新生児死亡率の削減、UHCの達成、NCD対策などが含まれる。
サクラ
UHCってなんでしたっけ?
博士
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのことで、全ての人が必要な保健医療サービスを経済的困難なく受けられる状態を目指すものじゃ。
サクラ
選択肢1のHFA21は違うんですか?
博士
HFA21は1998年にWHO総会で採択された21世紀の健康戦略で、国連サミットで採択されたものではない。
サクラ
選択肢4のIDGsは?
博士
1996年にOECD-DACが示した目標で、MDGsの土台となったものじゃ。いずれも2015年採択ではない。
サクラ
整理できました。正解は3のSDGsですね。
博士
うむ。看護師国試ではSDGsの17目標のうち目標3、5、6あたりが狙われやすいぞ。
POINT
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2030年までに達成すべき17ゴール・169ターゲットから成る普遍的な国際目標です。MDGsの後継として先進国を含む全ての国が取り組む点が特徴で、『誰一人取り残さない』を理念とします。保健医療は目標3に位置づけられ、本問の正解は選択肢3です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:国際社会が抱えるヘルスケアを含む課題に対して、すべての国に適用される普遍的(ユニバーサル)な目標で、2015年の国連サミットで採択されたのはどれか。
解説:正解は 3 です。持続可能な開発目標(SDGs)は2015年9月の国連サミットで全会一致採択された『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』に掲げられた国際目標です。2016年から2030年までの15年間で、途上国だけでなく先進国を含むすべての国が取り組む普遍的な目標であり、『誰一人取り残さない(Leave no one behind)』を理念に、17のゴールと169のターゲットで構成されます。ヘルスケアは目標3『すべての人に健康と福祉を』に位置づけられています。
選択肢考察
-
× 1. ヘルスフォーオール21(Health For All in the 21st century:HFA21)
HFA21は1998年にWHO総会で採択された世界保健宣言に基づく21世紀の健康戦略であり、2015年の国連サミット採択の普遍的目標ではありません。
-
× 2. ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)
MDGsは2000年の国連ミレニアムサミットで採択された2015年までの目標で、主に途上国を対象とした8目標でした。SDGsの前身にあたります。
-
○ 3. 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択された2030年までの普遍的な国際目標で、17ゴール・169ターゲットから成り、全ての国に適用されます。
-
× 4. 国連開発目標(International Development Goals:IDGs)
IDGsは1996年にOECD開発援助委員会(DAC)が示した開発目標で、MDGsの土台となりました。2015年の国連採択ではありません。
SDGsの保健関連目標である目標3には、妊産婦死亡率・新生児死亡率の削減、感染症対策、非感染性疾患(NCD)による早世の削減、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成などが含まれます。MDGsからSDGsへの流れと、『誰一人取り残さない』という理念は国際看護の頻出テーマです。
2015年国連サミットで採択されたSDGsの位置づけと、MDGsとの違いを理解しているかを問う問題です。
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