医療安全システム設計の原則を学ぼう
看護師国家試験 第104回 午後 第72問 / 看護の統合と実践 / 看護におけるマネジメント
国試問題にチャレンジ
医療における安全管理のシステム設計の原則で正しいのはどれか。
- 1.個人の反省を促す。
- 2.人の記憶力を重視する。
- 3.作業のプロセスを標準化する。
- 4.いくつかの業務を同時に実施する。
対話形式の解説
博士
今日は医療安全のシステム設計じゃ。まず人はミスをする生き物じゃと覚えておくんじゃ。
アユム
To err is humanという考え方ですね。
博士
その通り。だから個人を責めれば解決すると思うかの?
アユム
いいえ、原因がシステムにあれば誰がやっても繰り返すと思います。
博士
うむ。選択肢1の個人の反省を促すは不適切じゃな。
アユム
では記憶力に頼るのはどうですか?
博士
それも危険じゃ。疲労や多忙で必ず抜けが出る。記録やチェックリストで外部化するのが鉄則じゃ。
アユム
なるほど、選択肢2も誤りですね。
博士
では作業のプロセスを標準化するとどうなる?
アユム
誰が行っても同じ手順になり、ばらつきが減りますね。
博士
その通り、これが正解じゃ。標準化はエラー予防と再発防止の要じゃ。
アユム
マルチタスクはどうでしょう。
博士
同時進行は注意が分散してミスが増える。一つずつ確実にが原則じゃ。
アユム
フェイルセーフやフールプルーフという言葉も聞きました。
博士
うむ、間違えても事故に至らぬよう多層で防ぐのじゃ。
アユム
報告しやすい風土も大切ですね。
博士
ノンブレーミング文化じゃ。組織で学び続ける姿勢が安全につながるのじゃよ。
POINT
医療安全のシステム設計は人がエラーを起こす前提に立ちます。個人を責めず、記憶に頼らず、作業を標準化し、同時進行を避けることが基本原則です。チェックリストやダブルチェック、SBARなどの仕組みでエラーを早期発見・防止し、報告しやすい組織文化で改善を回すことが重要です。標準化こそシステム設計の核心と覚えておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:医療における安全管理のシステム設計の原則で正しいのはどれか。
解説:正解は3です。医療安全のシステム設計は人間がエラーを起こすことを前提とし、誰が行っても同じ手順となるよう作業プロセスを標準化することで、ヒューマンエラーが事故に直結しないように仕組みを整えます。
選択肢考察
-
× 1. 個人の反省を促す。
個人攻撃の文化はインシデント報告を抑制し、組織として再発防止策を学ぶ機会を失わせます。原因をシステム面から分析することが重要で、個人の反省に帰着させる手法は不適切です。
-
× 2. 人の記憶力を重視する。
記憶は曖昧で疲労や多忙の影響を受けるため、チェックリストや指差し呼称、電子記録など外部化された情報に頼る設計が安全管理の基本です。
-
○ 3. 作業のプロセスを標準化する。
手順を標準化することで実施者による差を減らし、エラーの予防や早期発見、再発防止が可能になります。これは安全管理システム設計の中核原則です。
-
× 4. いくつかの業務を同時に実施する。
マルチタスクは注意の分散を招き、確認漏れや手順抜けを引き起こします。一つひとつの業務を確実に行えるよう設計するのが原則です。
人間はミスをするものという「To err is human」の前提に立ち、フェイルセーフやフールプルーフ、ダブルチェック、SBARなどコミュニケーションツールを組み合わせて多層防御するのが現代の医療安全の考え方です。
ヒューマンエラーを前提としたシステム志向の医療安全設計の基本原則を問う問題です。
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