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診療情報の扱いと患者の権利を正しく理解しよう

看護師国家試験 第108回 午後 第70問 / 看護の統合と実践 / 看護におけるマネジメント

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第70問

診療情報の取り扱いで適切なのはどれか。

  1. 1.診療情報の開示請求は患者本人に限られる。
  2. 2.医療者は患者が情報提供を受けることを拒んでも説明する。
  3. 3.2類感染症の届出は患者本人の同意を得なければならない。
  4. 4.他院へのセカンドオピニオンを希望する患者に診療情報を提供する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は診療情報の取り扱いに関する複合問題じゃ。情報開示、感染症届出、セカンドオピニオン…医療倫理と法制度の理解が試されるぞ。

アユム アユム

博士、正解はどれでしょうか?

博士 博士

正解は4番、セカンドオピニオンを希望する患者に診療情報を提供する、じゃ。これは患者の自己決定権を尊重する基本対応じゃよ。

アユム アユム

セカンドオピニオンって転院することですか?

博士 博士

よく誤解されるが違うぞ。セカンドオピニオンは現主治医以外の専門医から意見を聞くことで、転院が前提ではない。聞いた結果、元の主治医のもとで治療継続することも多い。

アユム アユム

医療機関が提供するのは何ですか?

博士 博士

診療情報提供書(紹介状)、検査データ、画像、病理結果などじゃ。これらがあれば相手方の医師も正確に意見できる。厚労省の『診療情報の提供等に関する指針』にも明記されておる。

アユム アユム

1番の『診療情報の開示請求は患者本人に限られる』はどうですか?

博士 博士

不正解じゃ。原則は本人じゃが、法定代理人、任意後見人、本人から代理権を与えられた親族、判断能力に疑義がある場合の世話をする親族、遺族なども所定の条件下で開示請求できる。

アユム アユム

2番の『拒んでも説明する』は?

博士 博士

これも誤り。患者には『知る権利』と同時に『知らない権利』もある。本人が望まない情報提供は倫理的に不適切じゃ。ただしその場合も診療記録にその意思と経過を残し、家族への対応も検討する必要がある。

アユム アユム

3番の『2類感染症届出に本人同意が必要』は?

博士 博士

不正解じゃ。感染症法では医師が診断した時点で直ちに保健所へ届け出る義務があり、本人同意は要件ではない。公衆衛生の観点から強制的な届出義務になっておる。

アユム アユム

2類感染症には何が含まれますか?

博士 博士

結核、ジフテリア、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、鳥インフルエンザ(H5N1・H7N9)、急性灰白髄炎(ポリオ)の7疾患じゃ。1類と合わせて覚えておくとよい。

アユム アユム

1類は?

博士 博士

エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱の7疾患じゃ。最も重篤で、入院措置や就業制限が厳格じゃよ。

アユム アユム

個人情報保護と情報共有、バランスが難しいですね。

博士 博士

医療では個人情報保護が原則じゃが、公衆衛生(感染症届出)、患者の自己決定(セカンドオピニオン)、生命身体の保護(高齢者虐待通報)などの例外が法で定められておる。

アユム アユム

患者の権利を尊重しつつ、社会全体の安全も守るバランスですね。しっかり整理できました。

POINT

診療情報は患者本人中心の開示が原則だが、法定代理人や任意後見人などの代理請求も可能である。患者には『知る権利』と同時に『知らない権利』もあり意思尊重が必要である。感染症法に基づく1類・2類などの届出は医師の義務で本人同意は不要である。セカンドオピニオン希望者への診療情報提供は自己決定権を支える適切な対応で、診療情報提供書や検査資料を提供することが医療機関の責務である。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:診療情報の取り扱いで適切なのはどれか。

解説:正解は 4 です。セカンドオピニオンは、現在の主治医以外の専門医から診断・治療方針について意見を求める制度で、患者の自己決定を支える重要な仕組みです。医療機関は患者の求めに応じて『診療情報提供書(紹介状)』と必要な検査資料を提供する責務があり、厚生労働省の『診療情報の提供等に関する指針』でも明記されています。患者の知る権利と自己決定権を尊重する観点から、セカンドオピニオン希望者への診療情報提供は適切な対応です。

選択肢考察

  1. × 1.  診療情報の開示請求は患者本人に限られる。

    法定代理人、任意後見人、本人から代理権を与えられた親族、遺族なども所定の条件下で開示請求が可能です。

  2. × 2.  医療者は患者が情報提供を受けることを拒んでも説明する。

    患者には『知る権利』と同時に『知らない権利』もあり、本人が拒否する場合は意思を尊重する必要があります。

  3. × 3.  2類感染症の届出は患者本人の同意を得なければならない。

    感染症法に基づき、医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る義務があり、患者本人の同意は要件ではありません。

  4. 4.  他院へのセカンドオピニオンを希望する患者に診療情報を提供する。

    患者の自己決定権を支えるため、医療機関は診療情報提供書と必要資料を提供する責務があります。

感染症法では1類・2類・3類・4類・新型インフルエンザ等感染症は医師による全数届出義務が直ちに発生します。2類には結核、ジフテリア、SARS、MERS、鳥インフルエンザ(H5N1・H7N9)、急性灰白髄炎(ポリオ)が含まれます。個人情報保護法と診療情報提供指針は本人開示を原則としつつ、代理人による請求や未成年・判断能力低下者の代理開示の手続きを定めています。セカンドオピニオンは治療方針の相談が目的で、転院前提ではない点も理解しておきましょう。

診療情報開示・知る権利・感染症届出義務・セカンドオピニオンといった医療倫理・法制度の横断的理解を問う問題です。