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手術タイムアウトの目的

看護師国家試験 第111回 午前 第83問 / 看護の統合と実践 / 看護におけるマネジメント

国試問題にチャレンジ

111回 午前 第83問

タイムアウトによって予防できるのはどれか。

  1. 1.患者の誤認
  2. 2.抗癌薬の曝露
  3. 3.個人情報の漏洩
  4. 4.ベッドからの転落
  5. 5.血液を媒介とする感染

対話形式の解説

博士 博士

今日は手術室の安全管理で必ず行う「タイムアウト」について学ぼう。

サクラ サクラ

タイムアウトって、手術前に全員で止まって確認するあれですね。

博士 博士

その通り。皮膚切開の直前に執刀医・麻酔科医・看護師など関係者全員が手を止めて、患者氏名・生年月日・手術部位・術式・同意書・アレルギーなどを声に出して確認する手順だ。

サクラ サクラ

なぜ全員で止まる必要があるんですか?

博士 博士

過去に患者取り違えや左右間違いなどの誤認手術による重大事故が多発したため、WHOが「安全な手術のためのチェックリスト」を策定したんだ。タイムアウトはその中心的な手順だよ。

サクラ サクラ

ということは、主な目的は患者誤認の防止なんですね。

博士 博士

そう。だから選択肢1の患者の誤認が正解だ。誤認手術には患者違い、部位違い、術式違いがあり、これらを全員の目と耳で防ぐのが狙いなんだ。

サクラ サクラ

選択肢2の抗癌薬の曝露はどうですか?

博士 博士

これは閉鎖式接続器具(CSTD)や個人防護具、安全キャビネットで対応する話で、タイムアウトとは別の感染対策・労働衛生の領域だ。

サクラ サクラ

選択肢3の個人情報の漏洩は?

博士 博士

これはアクセス権限管理や守秘義務教育、情報の持ち出し制限などで対策するもので、タイムアウトの範囲外。選択肢4のベッドからの転落も、ベッド柵や離床センサー、環境整備の問題だね。

サクラ サクラ

選択肢5の血液を媒介とする感染も違いますね。

博士 博士

その通り。血液媒介感染は標準予防策、針刺し防止、安全器材などで対応する。すべて重要だがタイムアウトの目的ではない。

サクラ サクラ

WHOのチェックリストは他にもあるんですか?

博士 博士

3段階あって、麻酔導入前のサインイン、皮膚切開前のタイムアウト、閉創前のサインアウトだ。それぞれ確認項目が決まっているから覚えておこう。

サクラ サクラ

なるほど、チーム全員で安全を担保する仕組みなんですね。

POINT

タイムアウトはWHOの手術安全チェックリストに基づく重要な手順で、皮膚切開直前に関係者全員が手を止め、患者・部位・術式などを復唱確認します。主目的は患者誤認や部位間違いといった誤認手術の防止にあり、正解は選択肢1です。抗癌薬曝露・個人情報漏洩・転落・血液媒介感染の予防はそれぞれ別の安全対策で対応します。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:タイムアウトによって予防できるのはどれか。

解説:正解は 1 です。タイムアウトとは、手術開始直前に執刀医・麻酔科医・看護師などチーム全員が一斉に作業を中断し、患者氏名・生年月日・手術部位・術式・同意書・アレルギーなど重要項目を声に出して確認するWHO推奨の安全手順です。目的は誤認手術(患者取り違え・部位間違い・術式間違いなど)を防ぐことにあり、特に患者誤認の予防が中核的な役割とされています。

選択肢考察

  1. 1.  患者の誤認

    氏名・生年月日・IDバンドを全員で復唱確認することで患者取り違えを防ぐことがタイムアウトの最大の目的であり正解です。

  2. × 2.  抗癌薬の曝露

    抗癌薬の曝露予防は閉鎖式接続器具(CSTD)、個人防護具、安全キャビネット等で対応するもので、タイムアウトの目的ではありません。

  3. × 3.  個人情報の漏洩

    個人情報漏洩はアクセス権限管理、守秘義務教育、情報持ち出し制限などで対策するもので、タイムアウトの範囲外です。

  4. × 4.  ベッドからの転落

    転落予防はベッド柵、離床センサー、環境整備、アセスメントで対応するもので、タイムアウトとは関係がありません。

  5. × 5.  血液を媒介とする感染

    血液媒介感染の予防は標準予防策、針刺し事故防止、安全器材の使用などで行うもので、タイムアウトの目的ではありません。

WHOの「安全な手術のためのチェックリスト」は3段階で構成され、①サインイン(麻酔導入前)、②タイムアウト(皮膚切開前)、③サインアウト(閉創前)に分かれます。タイムアウトでは患者氏名、手術部位、術式、同意書、予想出血量、抗菌薬投与、重要な合併症リスクなどを確認します。確認時は必ず作業を止め、全員の目と耳を向けて実施することが原則です。

手術室で実施するタイムアウトの目的と対象(誤認手術・患者誤認の防止)を理解しているかを問う問題です。