母子保健施策と対象を整理する
看護師国家試験 第107回 午後 第56問 / 母性看護学 / 母性看護の対象と社会・環境
国試問題にチャレンジ
母子保健施策とその対象の組合せで正しいのはどれか。
- 1.育成医療 -------------- 結核児童
- 2.養育医療 -------------- 学齢児童
- 3.健全母性育成事業 ------ 高齢妊婦
- 4.養育支援訪問事業 ------ 特定妊婦
対話形式の解説
博士
今日は母子保健の施策と対象の組合せを整理しよう。
アユム
名前が似ていて混乱しやすいです。
博士
まず育成医療じゃ。対象は身体障害児で、手術で改善が見込める18歳未満じゃ。
アユム
結核の子は別なんですね。
博士
そうじゃ。結核児童には療育医療給付がある。対象別に名前が違うから注意するのじゃ。
アユム
養育医療はどういう制度ですか。
博士
未熟児が対象じゃ。出生時体重2000g以下などが目安で、入院医療費を公費でまかなう。
アユム
学齢児童は対象外なんですね。
博士
そうじゃ、1歳未満が中心じゃ。
アユム
健全母性育成事業は誰のため。
博士
思春期の男女とその保護者じゃ。性や月経の悩みに専門家が対応する。
アユム
高齢妊婦には別の支援があるんですか。
博士
うむ。ハイリスク妊婦として産科医療機関と連携した支援が行われる。
アユム
特定妊婦とはどんな人ですか。
博士
若年、経済的困窮、精神疾患などで出産後の養育に困難が予測される妊婦じゃ。
アユム
その方々への訪問が養育支援訪問事業ですね。
博士
そうじゃ。保健師や助産師が家庭を訪問し、育児指導や心のサポートを行う。
アユム
虐待予防にもつながりそうですね。
博士
まさにその通り。児童虐待の早期発見・予防の重要な柱じゃ。
POINT
母子保健施策は対象者ごとに制度が分かれており、育成医療は身体障害児、養育医療は未熟児、健全母性育成事業は思春期男女が対象です。養育支援訪問事業は児童福祉法に基づき、特定妊婦や養育困難家庭を対象に保健師・助産師が訪問支援を行います。児童虐待予防や健全な子育て支援に直結する制度として、対象と目的をセットで理解することが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:母子保健施策とその対象の組合せで正しいのはどれか。
解説:正解は4です。養育支援訪問事業は、若年妊娠・経済的困窮・育児不安など出産後の養育に支援が必要と判断された特定妊婦や家庭を対象に、保健師・助産師などが家庭訪問して助言・指導を行う制度です。
選択肢考察
-
× 1. 育成医療 -------------- 結核児童
育成医療は身体に障害のある18歳未満の児童で、手術などにより障害の軽減が期待できる者に医療費を給付する制度です。結核児童を対象とするのは結核児童療育給付です。
-
× 2. 養育医療 -------------- 学齢児童
養育医療は出生時体重2000g以下や呼吸・循環・消化器に異常のある未熟児を対象に、指定医療機関での入院医療費を公費負担する制度で、学齢児童は対象外です。
-
× 3. 健全母性育成事業 ------ 高齢妊婦
健全母性育成事業は思春期の男女とその保護者を対象に、性に関する相談や正しい知識の普及を行う事業で、高齢妊婦は対象ではありません。
-
○ 4. 養育支援訪問事業 ------ 特定妊婦
児童福祉法に基づき、出産前から出産後の養育に特別な支援を必要とする特定妊婦や若年妊婦、育児困難家庭を対象に訪問支援を行います。
母子保健法と児童福祉法の主要施策は混同しやすいので対象者とセットで覚えます。育成医療は身体障害児、療育医療は結核児童、養育医療は未熟児、未熟児訪問指導は低出生体重児、健全母性育成事業は思春期男女、特定妊婦は児童福祉法上の定義で『出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦』です。
養育支援訪問事業の対象は特定妊婦を含む支援が必要な子育て家庭です。育成医療は身体障害児、養育医療は未熟児、健全母性育成事業は思春期男女が対象と整理します。
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