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人工妊娠中絶の法的・統計的知識

看護師国家試験 第113回 午前 第60問 / 母性看護学 / 女性のライフサイクル各期の看護

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第60問

日本の人工妊娠中絶で正しいのはどれか。

  1. 1.配偶者の同意が必須である。
  2. 2.妊娠10週以降は死産の届出が必要である。
  3. 3.実施が可能なのは妊娠22週未満の場合である。
  4. 4.実施率は母の年齢が20〜24歳よりも20歳未満の方が高い。

対話形式の解説

博士 博士

人工妊娠中絶について整理するのじゃ。

アユム アユム

根拠法は母体保護法ですよね。

博士 博士

その通りじゃ。実施可能時期は妊娠22週未満と定められておる。

アユム アユム

22週以降は胎外生存が可能になるからですね。

博士 博士

うむ。法的にも倫理的にも線引きされておるのじゃ。

アユム アユム

配偶者の同意は必須ですか?

博士 博士

原則は必要じゃが、配偶者不明や意思表示不能、DVなどの場合は本人同意のみで可能じゃ。

アユム アユム

死産届はいつから必要になるんですか?

博士 博士

妊娠12週以降じゃ。10週ではないから注意が必要じゃぞ。

アユム アユム

年齢別の実施率はどうなっていますか?

博士 博士

20〜24歳が最も高く、20歳未満はそれより低い水準じゃ。

アユム アユム

若年層が一番多いわけではないんですね。

博士 博士

その通りじゃ。統計の思い込みに注意じゃな。

アユム アユム

医師なら誰でも実施できるんですか?

博士 博士

母体保護法指定医師に限られるのじゃ。

アユム アユム

統計は毎年変わるから最新を確認しないといけませんね。

POINT

人工妊娠中絶は母体保護法に基づき妊娠22週未満に限り実施可能で、原則として本人と配偶者の同意を要しますが例外規定があります。死産届は妊娠12週以降の死児出産が対象です。年齢階級別実施率は20〜24歳が最も高く、20歳未満はそれよりも低いため統計の思い込みに注意が必要です。実施できるのは母体保護法指定医師に限られます。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:日本の人工妊娠中絶で正しいのはどれか。

解説:正解は3です。母体保護法では、人工妊娠中絶を「胎児が母体外において生命を保続することのできない時期」に行うものと定義しており、この時期は厚生労働省通知で妊娠満22週未満と運用されています。

選択肢考察

  1. × 1.  配偶者の同意が必須である。

    母体保護法第14条では原則として本人と配偶者の同意を要しますが、配偶者が知れないとき、意思表示できないとき、妊娠後に配偶者がなくなったとき、配偶者からの暴力で意思決定が困難な場合などは本人の同意のみで実施可能です。必須とまでは言えません。

  2. × 2.  妊娠10週以降は死産の届出が必要である。

    死産の届出は「妊娠満12週以後の死児の出産」について死産の届出に関する規程で義務づけられています。10週ではなく12週が基準となるため誤りです。

  3. 3.  実施が可能なのは妊娠22週未満の場合である。

    母体保護法と厚生労働省通知により、人工妊娠中絶は妊娠22週未満に限り実施可能です。22週以降は胎外生存可能性が高まるため、法的に中絶は認められません。

  4. × 4.  実施率は母の年齢が20〜24歳よりも20歳未満の方が高い。

    近年の衛生行政報告例では、人工妊娠中絶実施率(女子人口千対)は20〜24歳が最も高く、20歳未満はそれよりも低い水準です。年齢別の実施率分布を把握しておくことが重要です。

母体保護法に基づく人工妊娠中絶は、妊娠の継続や分娩が母体の健康を著しく害するおそれがある場合、または暴行・脅迫による妊娠の場合に指定医師が実施できます。妊娠12週以降の中絶は死産届が必要となり、死胎埋火葬許可証も要します。衛生行政報告例の年齢階級別実施率は最新数値が更新されるため、試験直前に確認しておくとよいでしょう。

母体保護法に基づく人工妊娠中絶の実施可能時期・同意要件・死産届の起点週数・年齢階級別実施率の統計といった複合知識を問う問題です。