妊娠前から始める健康づくり!プレコンセプションケアの全体像
看護師国家試験 第114回 午前 第66問 / 母性看護学 / 女性のライフサイクル各期の看護
国試問題にチャレンジ
プレコンセプションケアについて正しいのはどれか。
- 1.ケアの対象は女性に限定されている。
- 2.母体保護法によって規定されている。
- 3.国際連合<UN>によって提唱されている。
- 4.将来の妊娠に向けた健康の保持増進を目的としている。
対話形式の解説
博士
今回はプレコンセプションケアじゃ。最近の母性看護ではホットなテーマじゃぞ。
アユム
プレコンセプションって難しい言葉ですね…意味は何ですか?
博士
preは「前」、conceptionは「妊娠・受胎」じゃ。つまり「妊娠前のケア」という意味じゃ。
アユム
誰のためのケアなんですか?
博士
女性とそのパートナーである男性、つまり妊娠を考えるカップル両方が対象じゃ。男性の生活習慣も精子の質に影響するからのう。
アユム
女性だけじゃないんですね。選択肢1は誤りですね。
博士
その通り。次に提唱主体じゃ。2006年に米国CDCが提唱し、2012年にWHOが定義した。
アユム
国際連合(UN)ではないんですね。
博士
そう、選択肢3も誤り。法律で言うと、選択肢2の母体保護法は不妊手術と人工妊娠中絶に関する法律で、プレコンセプションケアの規定はない。
アユム
では正解は4の「将来の妊娠に向けた健康の保持増進」ですね。
博士
うむ。WHOは「妊娠前の女性とカップルへの医学的・行動学的・社会的保健介入」と定義しておる。
アユム
具体的にはどんな内容なんですか?
博士
葉酸摂取、適正体重維持、禁煙・節酒、風疹麻疹ワクチン接種、性感染症検査、慢性疾患のコントロールなど多岐にわたる。
アユム
葉酸はなぜ大事なんでしたっけ?
博士
神経管閉鎖障害の予防じゃ。妊娠1か月以上前から1日400μgの摂取が推奨されておる。
アユム
なぜ今この概念が日本で注目されているんですか?
博士
晩婚化・晩産化が進み、若年女性の低体重・低栄養や葉酸不足、男性の生活習慣リスクなどが課題になっておるからじゃ。
アユム
看護師はどう関わるんですか?
博士
外来や母親学級だけでなく、職域や学校保健、青年期からの啓発が大切じゃ。国立成育医療研究センターにプレコンセプションケアセンターが設置されておるぞ。
アユム
次世代の健康を守る視点なんですね。
博士
その通り。母児だけでなく社会全体の健康を見据えた予防医療の柱じゃよ。
POINT
プレコンセプションケアは、将来の妊娠を見据えて女性とパートナーが心身の健康を整える支援であり、CDC(2006年)が提唱しWHO(2012年)が定義した概念です。対象は男性を含むカップルで、葉酸摂取・適正体重維持・禁煙・ワクチン接種・慢性疾患の管理など多面的な介入が含まれます。母体保護法での規定はなく、国際連合ではなくWHOが提唱主体である点も押さえる必要があります。日本では晩婚化や若年女性の栄養問題を背景に推進が進み、看護師は青年期からの健康教育・受診支援を担うことで、母児ひいては次世代の健康を守る予防医療の最前線に立つ存在です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:プレコンセプションケアについて正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。プレコンセプションケアとは「将来の妊娠を考えながら、女性とそのパートナーが自分たちの生活や健康に向き合うこと」を目的とした健康支援です。WHOは2012年に「妊娠前の女性とカップルに対する医学的・行動学的・社会的な保健介入」と定義し、若い世代の現在の健康増進・将来のより健康な妊娠出産・次世代の子どもの健康という3つの意義を示しています。妊娠前の生活習慣改善・適切な栄養・感染症や持病の管理を通じて、母児双方の健康な妊娠経過につなげることを目的とします。
選択肢考察
-
× 1. ケアの対象は女性に限定されている。
プレコンセプションケアの対象は女性だけでなくパートナーである男性も含まれる。男性の生活習慣・栄養状態・年齢も精子の質や妊娠成立に影響するため、カップルでの取り組みが推奨されている。
-
× 2. 母体保護法によって規定されている。
母体保護法は不妊手術および人工妊娠中絶に関する法律であり、プレコンセプションケアを直接規定するものではない。
-
× 3. 国際連合<UN>によって提唱されている。
プレコンセプションケアは2006年に米国疾病管理予防センター(CDC)が提唱し、2012年にWHO(世界保健機関)が定義した概念で、国際連合(UN)が提唱したものではない。
-
○ 4. 将来の妊娠に向けた健康の保持増進を目的としている。
プレコンセプションケアは妊娠前から男女の心身の健康を整え、将来の妊娠・出産・次世代の健康につなげることを目的とする。日本でも国立成育医療研究センターにプレコンセプションケアセンターが設置され、推進されている。
プレコンセプション(preconception)は「妊娠前」を意味し、ケアの具体的内容として、適正体重の維持、葉酸摂取(神経管閉鎖障害の予防)、禁煙・節酒、風疹・麻疹など感染症ワクチン接種、性感染症の検査、慢性疾患(糖尿病・高血圧・甲状腺疾患など)のコントロール、メンタルヘルスケア、家族歴・遺伝相談などが挙げられる。日本では晩婚化・晩産化の進行、若年女性の低栄養・低体重・葉酸摂取不足、男性側の生活習慣リスクなどが背景にあり、こども家庭庁・厚生労働省が啓発を進めている。
プレコンセプションケアの目的・対象・提唱主体を正しく理解しているかを問う問題。「妊娠前の男女を対象とした健康支援」という核心を押さえているかが鍵。
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