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セックス・ジェンダー・性的指向…セクシュアリティ4要素を整理する

看護師国家試験 第114回 午前 第65問 / 母性看護学 / 女性のライフサイクル各期の看護

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第65問

セクシュアリティに関する用語と説明の組合せで正しいのはどれか。

  1. 1.性的指向 ――― 表現する性
  2. 2.セックス ――― 性愛の対象
  3. 3.ジェンダー ――― 生殖性の性
  4. 4.ジェンダーアイデンティティ ――― 自身の性別の認識

対話形式の解説

博士 博士

今回はセクシュアリティに関する用語の問題じゃ。似たような言葉が並んで混乱しやすいぞ。

サクラ サクラ

セックス、ジェンダー、性的指向…どこが違うのか曖昧です。

博士 博士

ではまず4つの要素に整理しよう。①セックス(生物学的性)②ジェンダー(社会的・文化的性役割)③ジェンダーアイデンティティ(性自認)④性的指向(恋愛・性的関心の対象)じゃ。

サクラ サクラ

セックスは生まれもった身体の性ですね。

博士 博士

染色体・性腺・外性器など解剖学的・生物学的な性別を指す。

サクラ サクラ

ジェンダーはどう違うんですか?

博士 博士

社会や文化によって作られた性役割じゃ。「男性は強くあるべき」「女性は家事をすべき」といった価値観も含まれる。

サクラ サクラ

ジェンダーアイデンティティが性自認なんですね。

博士 博士

そう、「自分自身がどの性別であると認識しているか」じゃ。今回の正解はこれと「自身の性別の認識」の組合せ。

サクラ サクラ

性的指向は誰を好きになるかですね。

博士 博士

その通り。異性愛・同性愛・両性愛・無性愛などの分類がある。

サクラ サクラ

LGBTQ+のQやIは何でしたか?

博士 博士

Qはクエスチョニング(自認や指向を決めかねている状態)、Iはインターセックス(典型的な男女の身体的特徴に当てはまらない)じゃ。+はそれ以外の多様性を含む。

サクラ サクラ

最近はSOGIEという言葉も聞きます。

博士 博士

SOGIEはSexual Orientation・Gender Identity・Gender Expressionの略で、すべての人が持つ属性として性のあり方を捉える視点じゃ。LGBTQと違って当事者だけの問題ではない。

サクラ サクラ

看護師として知っておくべき配慮はありますか?

博士 博士

入院時の呼称、病室・トイレ・更衣の配慮、カミングアウトの守秘、ホルモン療法や術後ケアなど多岐にわたる。

サクラ サクラ

プライバシーへの配慮が重要なんですね。

博士 博士

うむ。本人の意思に反して他人に伝えるアウティングは厳禁じゃ。患者の尊厳を守る医療提供が看護師の責務じゃよ。

サクラ サクラ

性別の認識と表現も別物なんですね。

博士 博士

ジェンダー表現は服装・髪型・話し方など外に表現される性。性自認とは別概念で、両者が一致しない人もおる。

POINT

セクシュアリティは生物学的性・性自認・性役割・性的指向という複数の要素で構成され、ジェンダーアイデンティティは「自分が認識する性別=性自認」を意味します。性的指向は性愛の対象、セックスは生物学的性、ジェンダーは社会的・文化的性役割であり、本問では4の組合せのみが正しい対応関係を示しています。看護師は患者のSOGIEを尊重し、呼称・病室・更衣・カミングアウトの守秘など多面的な配慮を行うことで、すべての人が安心して医療を受けられる環境を整える責務があります。LGBTQ+を含む多様な性のあり方の理解は、現代医療における人権尊重の基本姿勢として欠かせない知識です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:セクシュアリティに関する用語と説明の組合せで正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。「ジェンダーアイデンティティ」とは、自分自身がどの性別であると認識しているかという内面的な自己認識、すなわち「性自認」を指す用語です。セクシュアリティは①生物学的性(セックス)、②性自認(ジェンダーアイデンティティ)、③社会的・文化的性役割(ジェンダー)、④性的指向(恋愛・性的関心が向く対象)という複数の要素から構成され、それぞれが独立した概念として整理されます。

選択肢考察

  1. × 1.  性的指向 ――― 表現する性

    「性的指向」とは恋愛感情や性的関心がどの性別に向くかを指す概念で、異性愛・同性愛・両性愛・無性愛などの分類がある。「表現する性(ジェンダー表現)」は服装・髪型・言葉遣いなどで自分をどう示すかを意味する別概念。

  2. × 2.  セックス ――― 性愛の対象

    「セックス」は染色体・性腺・外性器など生物学的・解剖学的な性別を指す。「性愛の対象」を意味するのは性的指向であり、組合せが誤っている。

  3. × 3.  ジェンダー ――― 生殖性の性

    「ジェンダー」は社会的・文化的に構築された性役割や性差を指す。「生殖性の性」は生殖機能としての性であり、ジェンダーの定義とは異なる。

  4. 4.  ジェンダーアイデンティティ ――― 自身の性別の認識

    ジェンダーアイデンティティは「自分自身が認識する性別=性自認」を指す。WHOやWPATH等の国際的定義でもこの内容が共有されており、組合せが正しい。

セクシュアリティを理解するための基本的枠組みとして、SOGIE(性的指向Sexual Orientation、性自認Gender Identity、性表現Gender Expression)という概念が国際的に用いられている。生物学的性(セックス)に加えて、自認する性、表現する性、惹かれる性の4要素を分けて捉えるとLGBTQ+の理解が進む。看護師はカミングアウトを受けた際の守秘義務、入院時の病室・呼称・更衣・トイレ配慮、トランスジェンダー患者のホルモン療法・手術後ケアなど、多様な性のあり方に配慮した医療提供が求められる。

セクシュアリティを構成する各用語の定義を正確に理解しているかを問う問題。とくに「性自認=ジェンダーアイデンティティ」の対応関係が要となる。